伸びやかにすっきりと鳴らす音の傾向
オーディオ的な楽しさも持つ不思議なバッテリー

文=鈴木裕

 パナソニックのカー用バッテリーについて調べてみると、標準(充電制御)車用の他、ハイブリッド(補機)用、欧州車用他、いろいろある。アイドリングストップ車用は大容量で、クイックチャージ性能を約10%高めているという。つまり、開発の狙いとしては、特に電気を放電する時の何かを狙っているわけではないが、実際に聴いてみるとなるほど音に特徴がある。

 まずS/N感が良くなり、音に透明感があり、空間表現力が高まっている。凝縮する方向ではなく、伸びやかにすっきりと鳴らす音の傾向なのだ。低域のレンジも伸びているし、低音の量感タイプの低音感もあるのだが、ぐいぐいという感じではなくスムーズに聴かせるのが特徴だ。高域に微妙に強調感があるが、これがオーディエンスの拍手の立ち方を良くしたり、ヴォーカルののどが震える感じを演出しているのも興味深い。音の色彩感もどこかおしゃれで、オーディオ的な楽しさも持っているところが不思議だ。

バッテリーとしての基本性能を愚直なまでに追求したバッテリー
なにより音場感情報の再現能力が素晴らしい

文=黛健司

 いまでこそ「音のよいバッテリー」という評価がカーオーディオ愛好家の間に定着した感のあるcaosだが、メーカー(パナソニック)としては、ことさら音のよさを意識して開発を続けてきたわけではないところが面白い。あくまでバッテリーとしての基本性能を愚直なまでに追求しつづけた結果、いつの間にか、マニアの間で音のよさが評価されるようになったというのが真相。そのcaosも、従来は『標準タイプ』が開発の先陣を切り、ここで開発された新技術が、順次、各シリーズ製品へと応用されていくのが常だった。しかし最近ではアイドリングストップ車の急増に対応するかのように、アイドリングストップ車対応タイプのcaosにもっとも力が注がれるようになってきた。その結果誕生したのが、今年の『caosアイドリングストップ車用』である。

 音質も従来の『通常タイプcaos』と比べ大きく進化した。アイドリングストップ車用として絶対的な容量を大きくすると同時に、クイックチャージ性能を追求したことが、この高音質につながったように感じている。なにより音場感情報の再現能力が素晴らしい。これにより、ホーム用ハイエンドオーディオの世界に匹敵するレベルの音場再現が可能になったと言っていいだろう。

パナソニック panasonic
Battery
caosアイドリングストップ車用
オープン価格

SPECIFICATION
●ラインナップ<モデル名・端子位置/5時間率容量/普通充電電流/最大外形寸法/重量>:
N-M65/A3・L/36Ah/3.0A/W129×H227×D197mm/10.8kg
N-M65R/A3・R/36Ah/3.0A/W129×H227×D197mm/10.8kg
N-N80/A3・L/43Ah/4.0A/W128×H227×D238mm/12.5kg
N-N80R/A3・R/43Ah/4.0A/W128×H227×D238mm/12.5kg
N-Q100/A3・L/56Ah/6.0A/W173×H225×D232mm/17.5kg
N-Q100R/A3・R/56Ah/6.0A/W173×H225×D232mm/17.5kg
N-S115/A3・L/66Ah/6.0A/W173×H225×D260mm/19.5kg
N-T115/A3・L/64Ah/8.0A/W173×H225×D305mm/22.5kg
●電圧:12V
●製品保証:2年間
●オプション:製品保証延長キット(最大3年間保証、カーバッテリー寿命判定ユニットLife WINK付)

■問合せ先
パナソニック お客様ご相談センター
電話番号: 0120-50-8729(フリーダイヤル)
受付時間:9:00~18:30(365日)

≫Auto Sound Web Grand Prix 2018受賞製品一覧に戻る