イスラエルのモレル初のパワーアンプ
透明感があって響きがよく、上品で細かい音も伝わってくる

文=石田功

 このところパワーアンプが売れないといいう話は、多くのショップから聞く。理由を考えると、電力消費が大きいパワーアンプはEVやハイブリッド車、アイドリングストップ車などではリスクが大きい、シート下などの空きスペースが減ったため大きく重いパワーアンプを積む場所が無くなった、内蔵アンプの音質が上がって、外部アンプを積むメリットが減った、などさまざまありそうだ。

 しかもパワーアンプ自体、価格が上がった。以前なら10万円台で音のいいアンプはそこそこあったが、今や最低で20万円以上。50万、80万円台もある。そこまで本気にならないと、良い音が得られないのだ。

 ところが、モレルが初めて作ったパワーアンプはリーズナブルな6万円台ながら、なかなかの音だ。透明感があって響きがいいし、上品で細かい音も伝わってくる。音の立ち上がりのキレも良好。弾性のある低音の感じもいい。低価格でも、このようなアンプが作れるのだ。それを示してくれた良い例といえよう。

イスラエルのスピーカーメーカーMorel初のパワーアンプ
ヴォーカルの艶っぽさには「さすがモレル」と納得

文=黛健司

 近年はホームオーディオ用スピーカーの輸入も開始され、なにかと話題の多いイスラエルのスピーカーメーカー、モレルだが、本家本元のカーオーディオにおいても、同社初となるパワーアンプが登場して注目を集めている。モレルといえば、カーオーディオマニアの間ではスプリーモ・シリーズが垂涎の的となっているなど、スピーカーユニットの名品を数多く排出しているが、同社43年の歴史の中でカーオーディオ用パワーアンプの製品化は初めてのことというからちょっと意外だった。

 今回日本市場に導入されるのは3機種で、中核モデルといえるのが4chパワーアンプのMPS4.400だ。ラインナップの中にはDクラス動作のハイパワー・モノブロック機もあるが、本機はAB級動作で、4chのトータル出力は400W(2Ω)と発表されている。

 試聴スピーカーにスプリーモを用意できなかった悔いは残るが、AutoSound Web試聴室のリファレンス機である国産スピーカーでもモレル新型パワーアンプの実力は充分感じ取ることが出来た。ジャズのノリのよさが印象的で、ヴォーカルの艶っぽさには「さすがモレル」と納得した次第。

モレル morel
Power Amplifier
MPS4.400
¥64,000 (税別)

SPECIFICATION
●定格出力:70W×4(4Ω)、100W×4(2Ω)
●入力感度:200mV〜5Vまたは400mV〜10V
●SN比:100dB
●周波数特性:10Hz〜30kHz
●全高調波歪み率:0.05%
●チャンネルセパレーション:64dB
●フィルター:ハイパス/ローパス・40〜400Hz(-12dB/oct.)
●外形寸法:W170×H51×D314.5mm

■問合せ先:
ジャンラインアンドパートナーズ
Eメール info@janline-and-partners.com

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