スバル車専用チューニングを本格採用

 新車購入時に販売店でオーダーできるディーラーオプション(DOP)カーオーディオ。その最新情報をお届けする本企画。今回はスバル(SUBARU)で購入できる2018年モデルについて取材の機会を得た。取材したのはスバル・インプレッサスポーツ、搭載されているのはダイヤトーンサウンドのAVナビとスピーカーである。

 ダイヤトーンサウンドは、数年前からスバルのDOPカーオーディオとして導入されており、当サイトでも折に触れレビューをお届けしている。ベースとなるダイヤトーンサウンドナビのモデルチェンジにともなって進化を遂げており、2018年モデルについて改めてそのサウンドを確かめてみたというわけだ。改めてご紹介すると、ダイヤトーンサウンドのDOPカーオーディオの特長のひとつに車種ごとのサウンドチューニングが施されている点が挙げられる。設定されている車種は今回取材したインプレッサのほか、レガシィ、レヴォーグ、WRX、XV、フォレスター、BRZがある。

 車種ごとのサウンドチューニングは、ダイヤトーンサウンドのAVナビに内蔵されるDSP機能を活用したもので、車種に合わせたチューニングデータがプリセットされている。このプリセットデータはDOPのオーダーに応じて設定され納車時される。スバル×ダイヤトーンサウンドにおいて特筆すべきはこのプリセットデータのきめ細やかさだ。純正スピーカー装着時のチューニング、ダイヤトーンサウンドスピーカー装着時のチューニングがそれぞれ設定される。しかも車種によってはダイヤトーンサウンドスピーカーがフロントのみの設定とフロント+リアの設定まで行われている。他社DOPモデルで車種別サウンドチューニングされているものも存在するが、組み合わされるスピーカーに応じて複数のチューニングをしているものはない。

 デモカーに載っているAVナビは、市販のダイヤトーンサウンドナビをベースにインプレッサ専用モデルという仕様にまとめられており、基本スペックはNR-MZ300PREMIと同じだ。つまり、多機能かつ高性能で定評のあるDSPが、車種ごとのサウンドチューニングに活用されているわけだ。今回のインプレッサのみならず、先述したスバル車オーナーにとってとてもお得なトピックといえる。

フルダイヤトーンサウンド搭載車両を聴く

 今回聴くことができたインプレッサスポーツは、ダイヤトーンサウンドのAVナビとフロントおよびリアスピーカーをダイヤトーンサウンド製品に換装した車両だ。AVナビは、8インチ画面と6.3インチマルチファンクションディスプレイを組み合わせたタイプが搭載される。CD/DVDや地デジTV、AMおよびFMラジオのほか、SDカードやUSBメモリー、Bluetoothオーディオの再生が可能。また話題のハイレゾにも対応しており、WAVファイルであれば、最大192kHz/24bitまで対応している。

 フロントスピーカーは、ダッシュボードの両端に高音用トゥイーター、フロントドアのウーファーというセパレート型2ウェイ。リアスピーカーはリアドアにメカニカル2ウェイタイプだ。いずれもダイヤトーンが誇るナノカーボン素材の振動板NCVを採用したスピーカーである。

 さて、インプレッサスポーツの運転席で聴くサウンドだが、端的にいえば音楽を積極的に楽しめる音だ。ヴォーカルがしっかりとした存在感をともなって歌い、楽器がハーモニーを奏でてくれる。音色はごく自然で、充分な音域をカバーしている印象。思っていたよりも量感を感じる鳴り方で、ダイヤトーンサウンドのスピーカーがたっぷりとした低音を再生していることがわかる。量感を感じさせながら、変にダブついた音にならないのはサウンドチューニングの成果だろうか。

ハイレゾの良さも堪能できるクォリティ

 CDとSD、そしてUSBで聴いてみたのだが、各メディアとも共通した印象で音楽を聴くことができた。なお、SDとUSBではハイレゾファイルの再生も確認した。聴いたのはステレオサウンドで発売中のハイレゾリファレンスディスク。この音源は、ひとつの演奏を複数のファイル形式で収録したもので、ハイレゾならではの音質のアドバンテージが確認できるものだ。聴いてみると、CD音源と同等のサンプリング周波数44.1kHzよりも96kHz、さらに192kHzと高次のファイルになるほど密度が濃く情報量が増して聴けることが確認できた。こうなると、CDよりもハイレゾで音楽を楽しみたくなってくる。音楽好きなドライバーであればぜひ試してみていただきたい。

 通常の状態で試聴するのに加え、ひとつ試してみたのがサウンドチューニングのON/OFFだ。AVナビの「Sound Setting」モードの中には、「音響効果ON/OFF設定」というモード切替えがあり、インプレッサスポーツの専用サウンドチューニングをOFFにすることができる。AVナビのDSPを無効にすると、サウンドバランスが大きく変わってしまい、声も楽器も別の人、別の演奏のように聴こえる。さらにさっきまで水平方向に整って描かれていたサウンドステージがねじれてしまったかのように変貌する始末。オーケストラなどは、各楽器が四方八方に散らばって演奏しはじめる。DSPの調整によっていかに上手くサウンドチューニングが施されていたかを思い知ることになった。

ストレスフリーな操作フィール

 DOPならではと感じたのは、オーディオの音だけではない。ユーザーインターフェイスも専用に造り込まれていることのメリットが確認できた。マルチファンクションディスプレイにはナビに連動した情報表示がされるため、走行中に大きく視線を動かさずに情報確認ができる。またステアリングホイールに設けられたリモコンによる操作も、純正ナビと同じように行うことができる。なんといってもCDの出し入れは、市販AVナビに慣れていると、ディスプレイパネルの開閉なしに行えることがストレスフリーなことがわかる。SDカードのスロットもCD同様だ。またUSBメモリーのスロットが手の届きやすいところに配置されるのもDOPならではだろうと感じた。

 なお全国のスバル販売店では、ダイヤトーンサウンドを搭載した試乗車の用意があるという。車種や装備についてはまちまちだが、話題の新型フォレスターで体験できる店舗も少なくない。試乗予約は各店舗にお問い合わせいただきたいが、クルマで音楽を楽しむアプローチのひとつを確認する意味でも、ぜひ体験していただきたい。

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