A-Pab(一般社団法人 放送サービス高度化推進協会)では、今年10月以降の取組みに関する記者発表会を開催した。特にBS4K放送については、民放局の撤退が決定しており、今後の展開を含めてどのような取り組みが行われるかも注目されるところだ。

放送サービス高度化推進協会 理事長の加増良弘氏(左)と、株式会社BSテレビ東京 取締役 編成局長の白石公子氏

 冒頭登場した、放送サービス高度化推進協会 理事長の加増良弘氏は、「以前から4Kボタンを押して下さいとお願いしてきましたが、私自身がこんなに4Kボタンを押したのは初めてでした」と笑いを交えて語った。

 それは今夏開催された「FIFAワールドカップ26」の放送のことで、各国のユニフォーム、特にオランダのオレンジ色が印象的だったそうだ。音についても5.1ch放送が印象的だったとかで、サッカーのスタジアムの雰囲気や、他にも大相撲の両国国技館の雰囲気が楽しめたとのことだった。

 そんなBS 4K放送については、本日(10月1日)からいくつかの変更も行われている。そもそもNHKとショップチャンネルは基本的に継続されるが、民放系5チャンネルについては2027年1月23日で放送を終了する。その後は配信のWOWOWオンデマンドで4K品質での配信を行うとのことで、その配信が本日からスタートしている。

 加増氏は、「4Kで配信を楽しめる50インチ以上のテレビも順調に普及しています。2028年までにはテレビは今までと違う役割を持つことになるでしょう。BS 4Kの新しい時代が始まります」と今後への期待を語っていた。

 続いて株式会社BSテレビ東京 取締役 編成局長の白石公子氏が登壇し、「放送も!配信も!4Kにご注目!キャンペーン」の取り組みが紹介された。白石氏はBS放送の各局先生担当者の会合である
BS編成担当者会議の主査も勤めているとかで、マスコットキャラクターのヨンパチ君と一緒に注目番組等を解説してくれた。

 そこで紹介された番組は以下の通り。NHKの4K/8Kは放送で、他の民放系は配信でも楽しめますということになる。なおWOWOWオンデマンドでの配信は本日から各局10、合計50コンテンツをラインナップしているそうで、今後も毎月コンテンツを追加していく予定という。

 ここでスペシャルゲストとして俳優の内藤 剛志さんが登場。内藤さんはBS朝日4Kのオススメ番組「あなたの知らない京都旅 2時間スペシャル 内藤剛志、金田明夫 盟友ふたり思い出巡り」にも出演している。

 それに関連して京都の印象を聞かれた内藤さんは、「僕は京都に22年前から住んでいます。京都は歴史の街で、500〜1000年前の寺社仏閣もあります。でも古いものを観るだけでなく、それを1000年先まで届けようとしていると感じています。4Kもそうあってくれるといい、大事にしながら少しずつ変えていくという意味で」と話していた。

 また4K映像の印象については、「普段は色々なものを見たつもりになっているけれど、4Kだと気が付かなかったディテイルまでわかります。そこに気づけるプラットフォームだと思います。物事には、“知る” “観る” “体験する”というフェーズがあると思うんです。スマホでは “知る” ことはできますが、4K大画面ならその番組を “観る” ことで “体験する” ことにもなっていくのではないでしょうか」と、高画質ファンにはひじょうに嬉しいコメントを聞かせてくれた。

 つづいて配信で4K番組を観る方法が紹介された。そこではアプリからの視聴になるが、この点について内藤さんから、「各社がひとつのプラットフォームに集まるのも大事だと思います。色々な番組がそこにあることで新しい発見につながる。僕にとってテレビは新しい世界に出会う場所だったんです」という提案もあった。確かに番組を探しやすくなるという意味ではアプリによる視聴には意味があるだろうし、コンテンツの充実が進めばそのような楽しみ方も可能になりそうだ。

 長年のエアチェックファンとしては、(民放系BS4Kはあまり熱心に見てはいなかったが)放送自体の終了やお気に入り番組を自由にアーカイブできなくなることは残念に思っている。その一方で、配信によるオンデマンドで気になる4K番組がいつでも楽しめるのはひじょうにありがたいのも事実。あとは、配信の品質(放送よりビットレートが落ちるのは間違いないので)がどこまで頑張ってくれるのか、ユーザーとしてそのあたりをしっかりチェックしていきたいと思う。(取材・文・撮影:泉 哲也)