なんという昨今の猫人気だろう。思い出すと昭和の頃はそうでもなかった。「化け猫」「泥棒猫」「ネコババ」などネガティヴな言葉がまだポピュラーで、公害で狂い死にするのも猫で、時に「かみつく」「ひっかく」「いうことをきかない」「わがまま」という一方的なイメージがあてはめられ(「いうことをきかない」とは、なんと人間本位な言葉であることか)、黒猫は不幸を呼ぶといわれていたし、サビ猫やハチワレに対する評価も低かった。「山寺の和尚さん」という有名な童謡の歌詞には、猫を袋に入れてボール代わりに蹴りあう、という描写もあり、「てめえが猫に蹴られろや」と真剣に思う。長い年月を、忸怩たる思いで過ごしてきた猫ファンは多いに違いない。
『劇場版ダーウィンが来た!』の第6弾にあたる本作はサブタイトルが示す通り、“ネコ科”にスポットライトを当てた一作。チーター、ライオン、カラカル(耳の動きがいい)、サーバル、スナドリネコ、ジャガー、ヒョウ、ツシマヤマネコ、マヌルネコ、ピューマといった、それぞれの動物の映像の下に「※飼えません。」というキャプションがつきそうな、キバと爪とガオーとモフモフで構成された巨大動物のアンソロジーだ。3メートルのワニを瞬時に絶命させてそれを食料としたり、キリンの急所に体当たりして絶命させてそれを食料としたり……こんな獰猛な動物のオリジン(といっていいだろう)に、あのイエネコがいるということなのだろう。ネコ族の神秘に改めて触れることのできる価値も高い。
映画『劇場版ダーウィンが来た!世界のネコのなかまたち』
10月2日から全国ロードショー
製作:ローソン・ユナイテッドシネマ/NHKエンタープライズ
映像提供:NHK 制作:NHKエンタープライズ
配給:ローソン・ユナイテッドシネマ
監督:井田彰彦
語り:水瀬いのり
「マヌ~ルのゆうべ」山田孝之 水瀬いのり 中村千絵 葉山翔太 峰晃弘
ヒゲじい:龍田直樹
(C)劇場版ダーウィンが来た!世界のネコのなかまたち 製作委員会