通信教育や生活雑貨などの通販を行なっているユーキャンから、耳掛け式のオープン型集音器「テルマホン」が発表された。9月3日発売で、価格は¥39,800(税込)。
2食展開
ユーキャンでは、“大人世代の毎日の暮らしを豊かなものに”をキャッチコピーにして、資格や趣味など通信教育講座を提供したり、日用雑貨、ヘルスケア製品などの通販を行なっており、直近3年のユーザーは100万人を超え、その平均年齢は実に77歳になるという。そうしたユーザーからのアンケート(ハガキ)は多数届くといい、そこに記された内容を元に、ユーザーの利便性に寄与する製品の開発を進めているそうで、今回発表の集音器は、その要望に的確に応える製品にまとめられている。
近年のアンケートでは、「聞こえ」に関する要望――「家族との会話で聞き返すことが多くなった」「テレビの音量が大きいと言われる」「大勢の会話では言葉が聞き取りづらい」――が多く届いているそうで、日々の暮らしを豊かなものにするために、そうした聞こえの問題を解決する製品の開発を決意。聞こえに関する研究・開発を行なうテルマエンジニアリングと協業し、今回のテルマホンを開発したという。およそ2年の開発期間をかけたということだ。
ちなみにユーキャンでは、そうしたテレビの音量問題など、聞こえに寄与する製品(手元スピーカーや集音器など)について、約15年に渡る商品販売の実績があるという。
さて、今回の製品の開発にあたって留意したのは、自然な声を聞けること、操作が簡単なこと、毎日使い続けられること、だそうで、アンケートでは、集音器のような機器を使用している人も多くいたそうだが、耳穴に入れる装着感/圧迫感や、操作が難しい、小さくて使いにくいなどの理由から、途中で使うのを辞めてしまった人も多くいた、ということを踏まえて、特に使いやすさや毎日使えることに注力して開発をしたそうだ。
加えて、年配者にも使いやすいように、スマホいらずで、アプリとの連携も不要、ネットワークへ接続しなくても、製品単体で使える簡便さを備えている。
テルマエンジニアリングでは、およそ15年前に日本で初めてのオープンタイプのイヤホンを商品化したそうで、当時はそれほどの耳目を集めなかったが、現在では主に完全ワイヤレスイヤホンにおいて、オープン型(耳掛け式、イヤーカフ式など)の製品が人気を集めていること、集音器を途中で使うのを辞めてしまった人の多くが、耳穴に入れるのが面倒、という結果を受け、耳穴に入れない、耳掛け式での商品化を決定した。
一般的に、加齢によって聞き取りにくくなるのは子音で、主にサ行、タ行、カ行、ハ行(3kHz~6kHz)が対象になることから、テルマホンでは(DSPで)3kHz付近の周波数を強調。聞き取りやすくしている。加えて、テルマホンでは人の耳の持つ機能を活かした仕様もあり、それがサウンドフィルターになる。これは、ドライバー部分を覆うゴムパーツ(エラストマー)で、これが耳の耳珠の部分に接触しており、ドライバーから出た音に共振して、それを骨伝導のように耳(耳珠:耳穴の下のU字に窪んだ部分)に伝えることで(耳珠伝導)、子音に関係する周波数(2kHz~6kHz)を補完し、聞き取りやすさをサポートするようになっている、ということだ。
操作も簡単で、収納&充電ケースは比較的大きく、中央に左右イヤホン別々の音量ボタンがあり、右側、左側を個別に音量調整できる。もちろん、イヤホン本体にも物理的な音量ボタン(2ボタン、+とー)があり、耳元操作も可能だ。イヤホンとケースはWi-Fiで接続されており、ペアリングなどは不要。左右のイヤホン自体もWi-Fiでつながっているそうで、片方の電源をオフすると、もう片方の電源も連動してオフになるそうだ。
収納&充電ケースの天面には、イヤホンの音量ボタンがあり、左右別々に調整できる
イヤホン本体にも物理・音量ボタンがある
中央のドライバーを囲むゴムがサウンドフィルター。下の出っ張りが耳珠に触って骨伝導のように音を振動として伝達してくれる
装着感は良好。本体は大きいが、重さは感じない
音量操作は耳元で行なえる
発表会場で製品を試す機会を得たので、簡潔に紹介すると、話し相手の声は売り文句の通り、変調したり、強調されたりすることなく、自然な感じで聞き取ることができた。周囲の音(騒音)は、高域が強調されてキンキンする製品もあるが、テルマホンでは少し音量が大きいかなと感じたが、会話を邪魔するほどではなかった。これについて、テルマエンジニアリングの中島氏に話を聞くと、開発モニター(70~80代)では、記者が気になった騒音はまったく聞こえていないそうで、会話(声)がきちんと聞き取れてよかった、という感想だったそうだ。もちろん、オープン型なので周囲の音(状況)も把握できていた。
会見に出席した、ユーキャン ライフ&カルチャー事業本部の初野氏(中央)、同 原氏(左)、テルマエンジニアリングの中島氏(右)