シャープは本日(8/17)から8月28日(金)までの期間、東京有楽町にあるGOOD DESIGN Marunouchiにて、自社製品のデザイン展示会「シャープデザインのまなざし展」を開催する。

 これは、「コーポレートブランド価値を高める体験価値の創出の一環」として行なわれるもので、同社がラインナップする家電製品の中から5ジャンル――洗濯機、テレビ、ドライヤー、トースター、掃除機――をピックアップし、その製品化の過程=試作機や開発資料を展示するだけでなく、完成品についても、デザイナーが製品に込めた意図を分かりやすい陳列で紹介してくれるものとなっている。

 同社では2025年9月に、新たなコーポレートスローガン「ひとの願いの、半歩先。」を策定しており、それを体現するデザインを備えた製品群を実施に見て、触れて、感じる展示会というイベントを通して、ユーザーに広く浸透させたい、という狙いのようだ。

 同社デザインセンター所長 山水氏によれば、デザイナー自身は黒衣のように「あまり表に出てくるものではない」と思っているそうだが、上述のブランド価値の向上とあわせ、6月にwebサイトをリニューアルしたこと、そして若手のデザイナーが育ってきている現状を鑑みて、デザイナーがどこにこだわっているか、何にこだわっているかを広く発信する場として、山水氏の言によれば、シャープとしは三十余年ぶりに展示会を開催することになった、ということだ。デザインに含まれる「情緒」を感じてほしい、と話していた。

 さて、会場は入ってすぐ右奥に大きなパネルでイベント名称とコンセプトの掲示があり、続いて製品のどこに注目してほしいか、展示の見方の説明が掲出されている。大まかに紹介すると、各展示には人型のポップ(?)が組み合わされていて、注目点に視線誘導するような仕掛けになっている。

 最初の展示は洗濯機。スクエアなデザイン(角にアールが付いている)や外装パーツの材質(金属)によって、接地する場所へ収納されている風景や、見る角度によって色味が変化するさまを味わってほしい、とのことだ。

 次は大型テレビだ。型番は「4T-65X9A」なので、2026年夏モデル、つまりは最新モデルとなる。

●製品の概要についてはコチラ
https://online.stereosound.co.jp/_ct/17839920

 製品の概要については上の記事を参照していただくとして、展示ポイントは3つ。基本はノイズレス。映像に没入できるように、画面意外はなるべく目に入らないようにしている、ということだ。

 一つは製品の特長でもあるスピーカーの設置方法。スピーカーユニットはテレビ下端に搭載されているのだが(隠されている)、それをなるべく正面に向けて搭載(設置)するとともに、音を反射させるパーツに工夫を凝らすことで、視聴者側へ向けて放射される音は、従来比で約40%向上しているという。

スピーカーユニットを収納するパーツの形状サンプルなど。スピーカーユニットの大きさとパーツの寸法などをいろいろと検討し、最終的に「その3」に決定した。ノイズレスのために、パーツサイズとスピーカーユニットのサイズ(音質)とのマッチングを図った、ということになる

スピーカーユニットを収納するパーツについては同時に、面に凹凸(ロートレット)を付けることで、光りがあたった際に陰影を作り(反射も抑えられる)、静かな(目立たない)存在になるよう計算されている

テレビフレームの周辺(外側)は、部屋の内装に溶け込むように、黒ではなくグレーとすることで(壁色が映り込んでテレビが壁と同化するように見える)、映像が一枚、空間に浮かんでいるような感覚を促してくれる、と謳っていた

 次はヘアドライヤー(ドレ―プフロードドライヤー)。吹き出し口を4つ設け、コンパクトながら風量を強化し、中央部分を楕円にすることで、見た目の柔らかさも醸し出しているという。持ち手も円柱(丸棒)ではなく、隅を丸めた角棒(?)とすることで、手に持って髪にあてる際に、吹き出し口の向きが分かりやすくなり、髪へまっすぐに温風を当てられるようになっている、ということだ。

試作機。吹き出し口の形状がいろいろと検討されている

 4つめはオーブントースター。写真の通り丸っこいデザインで、愛嬌のある形にまとめられている。覗き窓の形状は楕円になっており、こちらも柔らかさを醸成している。足(スタンド)もあえて八の字(ネガキャン?)にして、踏ん張っている感を出すことで、生物の温かみを感じられる形状とした、ということだ。

 最後はスティック掃除機。使用時と待機時の両方の空間を考えて、スリムで、邪魔にならない、それでいて掃除をする時に使いやすい動きになるよう、ヘッド部とのジョイント部の位置や仕組みにこだわりがあるということだ。ほか、本体とゴミ収納部との一体感にも留意されているということだ。

試作機一覧。最終的な形状(奥の壇の右端)になるまでの変遷が感じられる展示

総合デザインセンター 所長の山水氏(左)と、今回の展示会の旗振り役を務めたデザイナーの古井氏