ORTOFON(オルトフォン)は昨年、「MC10/20/30」シリーズを見直し、磁気回路、ダンパー、フレーム、ボディデザインまですべてを刷新した「MC Xシリーズ」を発表した。そして今回、新世代MCシリーズの頂点となる「MC X50」(¥297,000、税込、6月発売)が登場した。

 MC X50は、オルトフォンとして初めて無垢マイクロリッジ針を採用し、ボロンカンチレバー、専用ダンパーを組み合わせている。

 マイクロリッジ針は、レコードの音溝に細く長く接する高度なラインコンタクト形状を持ち、音溝の細かな変化まで正確に追従する。これにより、高音域は滑らかに伸び、レコードの内周部でも歪みを抑えた安定した再生を実現してくれる。

 MC Xシリーズには、天面のトッププレートから内部フレームまでを一体化したステンレス製フレームを採用。製造には、精密で複雑な金属部品を高い精度で成形できるMIM(Metal Injection Molding=金属粉末射出成形)を用いている。トッププレートにはハニカム形状のリブを設け、剛性を保ちながら軽量化。ステンレスが持つ質量と優れた制振性によって、再生時に生じる不要な振動を抑え、音像の輪郭や定位、音場の広がりを明確に描き出す。重質量なステンレスを使用しながら、本体重量は8.6gを実現。幅広いトーンアームとの組み合わせにも配慮した設計とのことだ。

 ステンレスフレームには、MC Xシリーズのために新開発されたオルトフォン・タイプの磁気回路を搭載。部品構成を見直し、小型・軽量化するとともに、磁束の分布をより均一化。高い組立精度によって、優れたチャンネルバランスと安定したステレオイメージを実現した。

 発電コイルには、シリーズ共通の高純度銀線を採用。カートリッジが生み出す極めて微弱な音楽信号を、できる限り損なうことなく伝送。繊細なニュアンスから力強いダイナミクスまで、音楽の表情を豊かに引き出している。コイルを巻く十字型アーマチュアも軽量に設計され、針先の細かな動きに素早く反応し、高音域まで伸びやかで、スピード感のある再生を可能にしている。

 上位モデルの「MC Cadenza」シリーズや「MC Jubilee」のデザイン思想を受け継ぎ、針先側の実効質量を抑えることで、トレース時の重量バランスを最適化している。機能から導き出された形と、シンプルでモダンなデンマーク・デザインを融合させている。

「MC X50」の主なスペック

●適正針圧:2.0g
●出力電圧(1kHz、5cm/sec.):0.4mV
●チャンネルセパレーション(1kHz):28dB
●周波数特性(20Hz〜20kHz):±1dB
●スタイラスタイプ:Nude Micro Ridge
●スタイラスチップ半径:r/R 2.5/75μm
●カンチレバー素材:ボロン
●コイル線材:高純度銀
●内部インピーダンス:6Ω
●推奨負荷インピーダンス:50Ω以上
●自重:8.6g
※MC X50針交換 ¥207,900(税込)