最近、電車の中や街中で、完全ワイヤレスイヤホンを装着している方が本当に増えてきたと感じる。国内外の各社から、数千円のものから高価格帯のモデルまで、デザイン、機能、音質など、さまざまな工夫を凝らした製品が登場しているのが現状である。

 それでは2026年の今、完全ワイヤレスイヤホンを選ぶなら、何を基準にすれば良いのだろうか。オーディオ機器の音質レビューをすることが中心な僕だから、本来であれば“音質だけ”を中心に考えるべきなのかもしれないが……。だけど、率直に書くと、音楽を聴くという前提がある音質を主軸としつつも、それ以外の機能的な完成度、つまり 現代生活の中で音を快適に扱うためのデバイスとしての完成度など、価格対性能比に優れたモデルを購入すべき、と思う。

 その意味でも、HUAWEIの完全ワイヤレスイヤホンは、以前から「価格以上の完成度」を持つモデルが多かった。しかし、今回レビューした「HUAWEI FreeBuds Pro 5」は、その延長線上にあるモデルではない。むしろ、“完全ワイヤレスイヤホンの設計思想そのもの”を、一段階アップデートしてきたような強烈な印象を受けた。特に興味深いのは、単なる高音質化ではなく、「音響」「ノイズキャンセリング」「装着性」「通話品質」を、個別ではなく“総合的に再設計”している点だ。

完全ワイヤレスイヤホン
ファーウェイ
「HUAWEI FreeBuds Pro 5」
¥29,480(税込)/¥31,680(レザーブルー・税込)

●HUAWEI FreeBuds Pro 5の主な仕様
タイプ:カナル型
通信規格:Bluetooth 6.0
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
ドライバー:デュアルドライバー音響システム
連続音楽再生時間(ノイズキャンセル機能オフ):イヤホン単体約9時間、充電ケース併用約38時間
満充電時間:イヤホン単体約40分、充電ケースのみ約60分
急速充電:〇(15分の充電で約3時間再生可能)
充電方式:USB Type-C、ワイヤレス充電
通話ノイズリダクション:対応(片側3マイク+デュアルANCシステム)
タッチコントロール:〇
イコライザー機能:〇
空間オーディオ:〇
マルチポイント接続:〇(2台まで)
防水規格:IP57
スマホアプリ:〇(AI Life/Audio Connect)
質量:イヤホン単体 約5.5g、充電ケースのみ 約43g(レザーブルーは46g)
付属品:クィックスタートガイド、イヤーチップ

カラーリングはゴールド、レザーブラック、グレーの3色を用意する

HUAWEI FreeBuds Pro 5の製品ページはコチラ

デザインだけでなく質感も向上。手にするデバイスとしての上質さも備えている

 ということで、今回は本機を借り受けて1週間ほど使い倒してみた。まずは、デザインから見ていきたい。完全ワイヤレスイヤホンは、街中で見られることが多くあり、手に取った時のケースも含めて、ささやかな(所有する)満足感があっても良いと思うので、しっかりと書かせてもらう。

 まず、ケースは前モデル比で33.33%もの小型化を果たしながら、デザイン的にも洗練されている印象だ。「スターオーバル」と呼ばれるケースデザインは、角を単純に丸めたのではなく、面と曲面の繋がりの造形が良く、さらに本体部と蓋をつなぐヒンジには「隠し球体ヒンジ」を採用するなど、細部まで注意を払っているのが分かる。

 本体カラーは3色から選べる。「ゴールド」は彩度を抑え、ややシャンパンゴールド寄りに仕上げられた上質な印象。「グレー」は金属感を押し出しすぎず、それでいてプラスチックっぽさも抑えている絶妙な色彩バランス。そして、個人的に最も面白いと思ったのは、「レザーブルー」モデルである。完全ワイヤレスイヤホンで“合成皮革”を纏わせるという発想は大胆だ。

 音質面について、最大の特徴は、高音域と低音域それぞれに独立した専用ドライバーを搭載した“デュアルドライバー構成”にある。完全ワイヤレスイヤホン市場では、シングルドライバー機が依然として主流であり、複数ドライバー構成は珍しくないとはいえ、ここまで徹底して帯域分割とDSP制御を詰めてきたモデルは多くない。HUAWEIは第3世代オーディオコントロールモジュールと、デュアルDSP・デュアルDACアーキテクチャを投入し、高域と低域を独立制御することで、DACノイズを50%低減、デジタル帯域分割精度を200%向上したとしている。

 HUAWEI FreeBuds Pro 5は、一般的な規格(SBC)の約3倍の情報量を伝送でき、圧縮伝送ながら、最大96kHz/24bitのBluetoothの高音質接続コーデック「LDAC」に対応している。(日本オーディオ協会のハイレゾワイヤレス認証も取得している)

LDACはアプリの項目で選択する仕様。空間オーディオは、エフェクトのモードやヘッドトラッキングのオン・オフをアプリから選択できる

押し出し感のある低音と、澄んだ高音が魅力。デュアルドライバーの優位さを存分に感じるサウンド

 ということで、LDACコーデックに対応するスマートフォン、ならびに筆者所有のDAP、FIIO「M27」と接続して、音質および機能のクォリティチェックを行なった。ちなみに、本気は2台の機器に同時接続可能なマルチポイント接続機能を搭載している。iOS、Android、Windowsなど接続相手のOSを問わず対応できるので、このようなレビューも含め、実際の使用時のユーザビリティが高い。

 まずは、2026年グラミー賞で、最優秀エレクトロニック/ダンスアルバム賞を受賞したFKA twigsのアルバム『EUSEXUA』を聴く。透明感のあるエレクトリックシンセサイザーとともに、本アルバムの一部の曲は、シンプルなリズムパターンであるが故に低音域の表現が重要だが、エレクトリックドラムのキレと重量感の両立が素晴らしくて好印象。

 この音を聴いて、デュアルドライバー構成のアプローチは理にかなっている、と感じた。特に最近の完全ワイヤレスイヤホンは、超小型筐体を売りにしているため、低音を強化すると中高域が濁りやすい。その逆に高域を伸ばせば、低域の密度感や量感が不足しやすい。しかし本機は、低域側に“押し出し感”を持たせながら、中高域の輪郭をしっかり分離している。

 続いて、2026年グラミー賞で、ジャズ・ボーカル・アルバム部門を受賞した、サマラ・ジョイ『Portrait』を聴いたが、特に興味深いのは、高音域の描写だ。高音域に伸びる女性ボーカルの質感が良いのだ。超薄型マイクロ振動板ユニットによって、高域のパフォーマンスが100%向上したとしているが、そこは実際の試聴でも聞き取れた。ベースなどのアコースティック表現も予想以上にナチュラルで感心した。

 完全ワイヤレスイヤホンでは、音の抜けを作ろうとすると、このようなアコースティックな音源をかけると、高域が金属的になったり、刺激感が先行したりするケースが多い。しかし、本機は“解像感”を押し出すというより、“音場の透明感”を重視しているように見える。イントロの重量感のあるエレクトリックベースとキックドラムのダイナミクスの描き分けに長けており、センターに定位するベースの広がり方もソースに忠実。サビのパートでは楽曲数が増えるが、分解能高く表現できており、本楽曲のメロディアスさがしっかりと伝わってくる。

 最近のワイヤレスイヤホンでは、低域を盛ることで迫力を演出する製品も多く、このような楽曲では、低音楽器の音階やニュアンスが潰れてしまうことが少なくないが、本機は、そこを比較的ていねいに描いている。

デュアルドライバーANCによるノイキャン性能は圧巻! 空間オーディオやクリアな通話性能など、全方位的に機能を向上させている

 また、HUAWEI FreeBuds Pro 5の興味深い点としては、空間オーディオへのアプローチだ。現在、空間オーディオ機能はAppleを中心に急速に広がっているが、実際には「対応デバイス依存」「対応アプリ依存」が存在し、利用環境が限定されることも多い。その点、HUAWEI FreeBuds Pro 5は“イヤホン単体で空間オーディオ処理を行なう”という方向を打ち出している。つまり、スマホやOSを問わず、様々なコンテンツでイマーシブオーディオ的な空間表現を楽しめるのだ。

 実際にその効果を試してみると、音場が上方に拡大するのが如実に感じられ、楽曲コンテンツ、映像コンテンツを問わず、音に包まれる感覚が存分に味わえた。常時オンでもいいと思える出来栄えだが、LDACとは排他利用となるので、注意したい。

 そして、本機でもっとも感心したのは、HUAWEI FreeBuds Pro 5のノイズキャンセリング能力だ。HUAWEIは本モデルで、「業界初のデュアルドライバーANC(アクティブ・ノイズ・キャンセル)」構成を採用したと謳っている。従来のANCは、基本的に単一ドライバーで逆位相信号を生成するが、本機では低域用・高域用それぞれのドライバーが独立してノイズ低減を担当する。

 この仕様を知った時、ちょっと驚いた。つまり、“ANCの帯域分担”だ。従来のANCは、飛行機や電車のような低周波ノイズには強いモデルや、人の声や高域ノイズへの強いモデルなど、高音域から低音域にかけて全てのノイズキャンセリングに強いモデルは少なかった。本機は、高域側ユニットの高速応答性を活かすことで、中高域ノイズまで積極的に抑えようとしている。ここは理論的にもひじょうに面白い。“実際の生活騒音を総合的に減らす”という意味で、ディアルドライバー搭載の恩恵を受けた、実にクレバーな手法だと思う(本機のノイズキャンセリングの能力に、他社はちょっと焦るかも)。

 移動時の電車内や、喫茶店で使ってみたが、ノイキャンをオンにすると、スーッと周囲の騒音が消え、ある意味無音に近い感覚になる。人の話し声や車内のアナウンスは音量が下がり、少し遠くに聞こえるようになるが、アナウンス自体はきちんと聞き取ることができた。かように、デュアルドライバーANCの効果は素晴らしく、HUAWEI FreeBuds Pro 5のノイキャン性能は、同ブランドの製品の中で随一と言えるだろう。

 また、外音取り込みモードも印象が良かった。最近の完全ワイヤレスイヤホンは、「外音取り込みの自然さ」が重要視されている。そのような中、本機は、「3 Ultra HDマイクとMIMO AIセンシングモデルによって、周囲音の自然さが100%向上した」としているが、実際のところ、その通りの印象で、ANCを長時間利用すると圧迫感や閉塞感に疲れるケースも多いが、その負担が大きく低減されている印象だ。

 さらに、ノイキャン、外音取り込みモードと合わせて、通話品質が優れていたこともお伝えしておきたい。自分が騒音の大きい場所にいる場合でも、通話相手には自分の声がクリアに届いていたというし、逆に相手の話声もはっきりと聞き取ることができた。ある意味、ノイキャン性能と外音取り込み機能の性能向上が、通話品質の向上にも大きく寄与している、ということなのだろう。

 と、ここまでで2時間ほど様々な楽曲を聴き、外に持ち出して1時間ほど電車内でも使用したが、良いなと思ったのは装着性の高さと操作性の良さだ。10,000以上の耳型データ、2,000時間以上の装着検証、1,000以上のユーザー特性解析など、かなり大規模な人間工学研究を投入しているとのことで、長時間でも装着感は快適だった。

 また、本体部にはタッチセンサー類を搭載しておりジェスチャーコントロール機能を利用できる。本体をつまむ、タップ/スワイプする、長押しするなどの動作で再生や曲送り、音量、ノイズキャンセリングのON/OFF等が可能、また、着信時にはうなずくと着信、首を横に振ると着信拒否などのヘッドコントロール機能もある。

 また、iOS/Android端末にインストールする操作アプリ「HUAWEI AI Life」も用意されている。ジェスチャーコントロールの設定などが可能だが、特に、音質可変機能が充実しており、10バンドのカスタムEQ、4つのサウンドモード、バランス(ソースに忠実な帯域バランス)ボーカル、ベース、クラシックなどの設定変更に加え、映画モードなど4つのシナリオ別モードが設定できる。

アプリには、サウンド効果の種類が豊富にあり、カスタムEQの設定も写真のように細かく行なえるようになっている

音質だけでなく、機能・操作性・装着性と、日常使いのデバイスとして高い完成度を備えている

 HUAWEI FreeBuds Pro 5の一連の機能を試して、改めて僕は「完全ワイヤレスイヤホンは、音質と機能の総合力で選ぶべき」という思いが強くなった。その意味で、HUAWEI FreeBuds Pro 5は、“ワイヤレスイヤホンの便利さ”と“オーディオ的な快感”の両立を、本気で狙ってきた製品と言える。デュアルドライバー構成、Bluetooth 6.0、IP57の防塵防水性能、空間オーディオ対応、EQ設定の自由度など、多くの部分でかなり攻めた仕様になっている。この内容で3万円前後という価格はお買い得だと個人的には思う。

 まとめとなるが、近年は、完全ワイヤレスイヤホン市場が成熟し、単なるスペック競争では差別化が難しくなっている。しかし本機には、「音響設計と機能設計そのもののレベルをより1歩進化させよう」という強い意志が感じられる。現時点での完全ワイヤレスイヤホンの、ひとつの到達点と言っていいだろう。

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●提供:ファーウェイ・ジャパン