トップウイングは、自社ブランドTOP WINGの新製品オーディオグレード・スイッチングハブ「OPT REF SW」(¥220,000、税込)を4月30日に発売する。同ブランドでは、2024年末の「OPT ISO BOX」を皮切りに数々のネットワークオーディオ製品を発売し、そのいずれも好評を博してきた。今回、満を持してスイッチングハブが登場することになる。
OPT REF SWは、オーディオ再生における信号の純度と時間軸の整合性を追求するために、いちから設計された完全オリジナルのオーディオグレード・スイッチングハブ。ネットワーク機器の世界では、「データが届けばよい」という思想が支配的だが、オーディオ用途ではそれでは不充分。問題になるのはデータそのものではなく、伝送過程で発生する電流変動、クロックの揺らぎ、ポート間のノイズ伝搬といった、外からは見えない要素だからだ。OPT REF SWは、その見えない領域を設計対象としている。
その主な特徴は以下の通り。
●LANポート✕5、SFPポート✕3、SFP+/SFPポート✕4を搭載
OPT REF SWでは、SFPポートの全面的な使用を想定した設計を採用。SFPポートは、LAN(RJ45)ポートに比べ、光絶縁やレイテンシーの低減など音質的に有利な発展性を秘めていることがその理由という。
LANポート✕5、SFPポート✕3、SFP+/SFPポート✕4という構成は、単なる多ポート化ではなく、メタル接続と光接続を組み合わせ、システム全体を最短経路で、最小ノイズで構成するためのレイアウトとのこと。現在のネットワークオーディオ環境だけでなく、15年先を見据えたポート構成になっている。
一般的なLANケーブルによる接続はもちろん、光絶縁を行うSFPモジュールの搭載、将来的にはDACケーブル(Direct Attach Cable)による直結など、従来のLAN接続からすべてをSFP接続するに至るまで、スムーズに移行できるポート構成となっている。
●Super TCXO MEMSクロック、低位相ノイズDPLLを搭載
OPT REF SWは、Super TCXOと低位相ノイズDPLLによる二段構成のクロックシステムを採用。まずクロック源には±50ppb Super TCXO MEMSクロックを採用し、温度変化に対しても極めて小さなドリフト特性を実現した。
さらに、高性能DPLLによるジッタークリーナー・ディストリビューターを組み合わせることで、実効120fs RMSの低位相ジッターを達成。クロック源とジッタークリーナー・ディストリビューターによって、長期安定性と短期位相純度の役割を分離して最適化している。これは、スイッチングハブにとって、各LAN/SFPポートの動作精度を高めるために最適なセパレート構成とのことだ。
クロック回路のシールドを外した状態
●徹底的な低レイテンシー化とファームウェアの最適化
OPT REF SWでは、レイテンシーのばらつきと内部動作の安定性を重視した設計を採用。データ処理経路は可能な限り短縮し、バッファ制御を最適化している。敢えてバッファ容量を抑え、CPUのアイドル状態を一定に保つようファームウェアレベルで調整を行い、演算負荷の周期的変動を抑制したという。これにより、電源電流の変動が最小化され、内部電源レールの揺らぎを抑えている。
●ポートノイズの最小化
ネットワークポートの内部では、信号の整形、絶縁、変換が行われ、それに伴って微細な電流変動が発生している。その変動が他のポートや筐体へ伝わると、システム全体のノイズフロアに影響を与える可能性がある。
OPT REF SWのLANポートでは、信号を絶縁し整形するためのLANトランスに、TOP WING各種製品で定評を得たチップ型LANトランスを採用した。チップ型LANトランスは、信号線ごとに独立しており、実装面積が小さいため、クロストークの低減とシグナルパスの最短化を実現できている。
SFPポートの内部では高速なエンコード/デコード処理が行われることもあり、電流消費は常に変動している。さらにレーザー駆動を伴う構造上、電源の安定性とクロック品質は動作に直結するという。OPT REF SWではSFPポート専用の電源レーンを設け、そこで発生する電流変動が他のポートやクロック系へ伝搬しないよう分離を行っている。
LAN/SFPポート制御の電源源には、低ノイズ安定化回路を採用し、電源の揺らぎが信号処理へ影響しないよう配慮した。また、LAN/SFPポートの金属シェルは筐体と確実に接触する構造とし、浮いた金属部がアンテナのように振る舞うことを防いでいる。
●外部クロック入力(BNC、10MHz/50Ohm/1.0-5.0Vpp)搭載
外部クロック(BNC端子)は10MHz/50Ohm入力に対応。信号レベルは矩形波および正弦波、1.0-5.0Vppとのこと。将来的により高精度なマスタークロックと接続することで、更なる音質向上を狙うこともできるはずだ。内蔵クロックと外部クロックとの切り替えは自動で行われる。
●ダッシュボードから各種状態、設定の確認変更可能
Webダッシュボードから各ポートのリンク状態や通信速度、設定の変更が可能。OPT REF SWはシステムの一部として、ユーザーが状況を把握し、必要に応じて最適化できる設計となっている。
なお、OPT REF SWは以下のイベントで先行展示も行われる。興味のある方はぜひ会場まで足を運んでいただきたい。
●4月18〜19日「クリアーサウンドイマイ主催 第9回北陸オーディオショウ」
http://www.clearsoundimai.com/HAS9.html
●4月26日「シマムセン主催 TOP WING 製品試聴会」
https://www.shimamusen.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E6%83%85%E5%A0%B1-2026%E5%B9%B4/
「OPT REF SW」の主なスペック
●接続端子:LANポート✕5、SFPポート✕3、SFP+/SFPポート✕4、クロック入力(BNC)
●通信規格:
LAN:Auto-negotiation 1000Mbps/100Mbps/10Mbps Full
SFP:1000Mbps Full
SFP+/SFP:10G/1000Mbps Full
●入力電源:12V/1.7A, 2.1mm/5.5mmセンタープラス(ACアダプター付属)
●寸法/質量:W335✕H42.5✕D130mm /約1.4kg