作家・湊かなえがデビュー10周年に発表したミステリー小説を映像化した『未来』が、いよいよ5月8日より公開される。監督は瀬々敬久が務め、主演には黒島結菜を迎え、共演に山﨑七海、坂東龍太、細田佳央太、近藤華、さらに松坂桃李、北川景子ら実力派キャストが揃った注目作だ。物語は、複雑な家庭環境に育つも念願の教師になった真唯子(黒島)とその教え子章子(山﨑)を軸に、過去、現在を俯瞰しながらも、タイトルにもなっている希望の“未来”を渇望する姿を描いている。ここでは、重要な役回りを受け持つ森本真珠を演じた近藤華にインタビュー。役にかける想いから役作りの苦労、今後の抱負について話を聞いた。

――よろしくお願いします。映画『未来』への出演おめでとうございます。出演が決まった時はいかがでしたか?
 ありがとうございます。もともと森本真珠を演じたいと思ってオーディションを受けたので、選んでいただけてとてもうれしかったです。その一方で、とても重たい役でもあったので、(真珠の)気持ちをきちんと表現しなくちゃいけないというプレッシャーもありました。

――オーディションはいかがでしたか。
 すごく楽しかったです。一緒に受けたみなさんが、とても感情豊かなお芝居を披露されていたので、私もその影響を受けて、合否を気にせずやり切ることができたのがよかったのかなと思っています。

――真珠をやりたいと思ったのは?
 自分との共通点はそれほどないんですけど、自分と同世代ですし、この役を演じることで新たな挑戦ができる、挑戦してみたい、と思ったことが強いです。

――うまくできたのでしょうか?
 それは、観客のみなさんに決めていただくことだと思っていますが、とにかく演じるのが大変だったという印象は強いです。

――出演が決まって、全体の台本を読んで、物語やご自身が演じた真珠についてどのような感想を持たれましたか。
 まずは、(この役は)強い責任を持ってやらなければいけないと思ったのが第一で、時代設定としては過去のシーンになるので、将来(劇中のいま)にきちんとつながるように、ほかのキャストのみなさんのセリフもきちんと読み込むようにしました。

 物語としても役柄としても、とても重たく、身近にそういう経験をした人がいなかったので、感情面では分からないこともたくさんありました。どう演じようかと悩みましたが、関連したニュースを見たり、取材記事を読んだりして、そこから湧き上がってきた感情を活かすようにしました。

――具体的には。
 真珠自身は、すごく強い子ではあるのですが、自分のことは嫌いなんだろうなと思っていて、だからこそ、自分からは何も発信しないだろうと考えて、感情はなるべく表に出さずに、自分から動くことをしない、と考えていました。

――監督とは話し合いはしましたか?
 はい。芝居の面では特にこうしてほしいということはありませんでしたが、会話のテンポは上げてほしいと言われました。

――真珠の初登場シーンは、なかなか印象的です。
 水族館での撮影は、普段は入れない施設の裏側に入ることができて、いい経験になり楽しかったです。あと、現地の方がたくさんエキストラとして参加してくださっていて、雰囲気も良かったので、撮っている時は、すごく楽しかったです。

――実際、真珠を演じてみていかがでしたか。
 すごくいい経験ができたと感じています。真珠は男性のことが嫌いだと思っていたので、役作りをする段階から男性のことを警戒するようにしていたら、撮影が終わっても警戒する気持ちが残ってしまった、ということはありました。あとは、キャラクター(真珠)のことを深く考えていたので、試写で真珠(自分)が泣いているシーンを観た時には、自然と涙が出てきました。

 でも、私だけでなく、ほかのキャストのみなさんもすごく大変な役を演じられていたので、撮影が終わって安心したのと同時に、完成が楽しみという気持ちでした。

――結構、役を引きずる感じですか。
 あまり意識はしていませんでしたが、撮影期間は本当に私生活ではボーっとしていることが多くて、新幹線のチケットをなくしてしまったりして、普段はできていたことができなくなっていることはありました。ただ疲れていただけかもしれませんけど……。

――でも、男性嫌いの真珠に話しかけてくる良太(細田)の存在はどう感じていたのでしょう。
 代わり映えのない日々を過ごしていた真珠にとって、新しい知り合い(関係)ができたのは、すごくうれしかったと思います。作ってくれたお菓子が、たまたまお母さんとの思い出の品だったということもありますけど、それもあって、奇跡的に真珠の心を動かしたのかな、と。

――今回、真珠を演じての感想はありますか。
 真珠は、演技をする上では引き算をする役だと思っていて、そういう演技を考えることができたのは、自身の成長につながったと考えています。

――具体的には。
 あまりにも動かなすぎて、これでいいのかなっていう心配もありましたが、監督はOKをくださったので、これで大丈夫なんだって安心できました。

――ネタバレになりそうなので、あまり詳しくお聞きできませんが、真珠さんのいた時代といまが、綺麗につながっていました。
 ありがとうございます。私も試写を観て、リンクしている部分を感じて、うまくできたって思いました。

――章子(山﨑)は、本作の重要なアイテムでもある“手紙”を自分の生きる拠り所にしていましたが、近藤さんにとって、これがあるから楽しいと思えるものはありますか。
 やはり食べものですね(笑)。エネルギーを入れれば元気になるじゃないですか。ご飯を食べると気分が上がりますし、それが一番のご褒美という立ち位置でもあり、支えてもらっていると思っています。一番は、小さいころから食べているもんじゃ焼きです。あとは、辛いものもご褒美的な立ち位置にいます。

――では、月並みな質問ですが、この作品の見どころをお願いします。
 登場人物たちを見て、実は彼らが抱えているものは身近なものなのかもしれないということを感じたり、考えていただいた上で、彼・彼女たちの幸せを願っていただけたらうれしいです。

――最後に今後の抱負をお願いします。
 今後も役者としてたくさんの作品に出演して、観て下さったみなさんの記憶に残るシーンに出られたらと思っています。ふと、みなさんが生活の中で思い出すシーンにいられる女優になりたいです。あとは、ミュージカルの出演経験はあるので、次はストレート・プレイの舞台に出てみたいという願いもあります。

映画『未来』

2026年5月8日(金)より全国公開

<キャスト>
黒島結菜 山﨑七海 坂東龍汰 細田佳央太 近藤華 松坂桃李 北川景子

<スタッフ>
原作:湊かなえ『未来』(双葉文庫)
監督:瀬々敬久 脚本:加藤良太 製作幹事:東京テアトル U-NEXT 配給:東京テアトル 企画・制作プロダクション:松竹撮影所
(C)2026 映画「未来」製作委員会
(C)湊かなえ/双葉社

●近藤華 プロフィール
2007年生まれ、東京都出身
2021年にマクドナルドのCMでデビュー。以後、三井のリハウスなど話題のCMに出演。ドラマでは「アンチヒーロー」(24/TBS)、「僕達はまだその星の校則を知らない」(25/KTV・CX)、「小さい頃は、神様がいて」(25/CX)などに出演し、注目を集める。また、菅田将暉のMV「ギターウサギ」では出演と、クリエイティブディレクターとしてアニメーション制作を担当。その他、『サユリ』(24)、『アイミタガイ』(24)、などにも出演している。

ヘアメイク:井手真紗子

公式サイト:https://topcoat.co.jp/hana_kondo