昨日グランドオープンを迎えた「OIMACHI TRACKS」。大井町駅に直結した複合商業施設で、アウトモール型のショッピングセンターやレストラン、フードコートなども充実した空間だ。
ふたつ並んだタワーの駅側にはホテルや賃貸タワーレジデンス、隣のタワーにはオフィスも入り、さらにその麓には4600平方メートルの敷地面積を持ったTRACKS PARKが広がっている。北側テラスからは山手線の車両基地を見下ろすこともできるので、鉄道好きの方にも注目ポイントになりそうだ。
そんなOIMACHI TRACKSで、StereoSound ONLINE読者にぜひ訪れて欲しいのが全8スクリーンを備えた「TOHOシネマズ 大井町」だ。ドルビーシネマ、プレミアムシアター、轟音シアターといった3種類の特殊スクリーンを備えたこの劇場のお披露目に参加してきたので、紹介したい。
北側テラスから見える山手線の車両基地
TOHOシネマズ 大井町の入口までは北側テラスから徒歩数分
まずTOHOシネマズ 大井町の8つのスクリーンの概要は以下の通り。サウンド面は特殊スクリーン以外もすべてデジタル5.1ch/7.1chに対応済で、コンテンツに応じた最適な状態で再生される。
SCREEN 1 座席数88(車椅子席2)、スクリーンサイズ 8.9✕3.7m
SCREEN 2 轟音シアター 座席数184(車椅子席2)、スクリーンサイズ 11.2✕4.7m
SCREEN 3 座席数183(車椅子席2)、スクリーンサイズ 12✕5m
SCREEN 4 プレミアムシアター 座席数174(車椅子席2)、スクリーンサイズ 12✕5m
SCREEN 5 座席数102(車椅子席2)、スクリーンサイズ 8.2✕3.4m
SCREEN 6 座席数124(車椅子席2)、スクリーンサイズ 10✕4.2m
SCREEN 7 座席数72(車椅子席2)、スクリーンサイズ 7.6✕3.2m
SCREEN 8 ドルビーシネマ 座席数262(車椅子席2)、スクリーンサイズ 14✕5.9m
TOHOシネマズ 大井町は3つの特殊スクリーンを備えており、エントランスにもそれぞれのプレートが飾られている
Dolby Japan株式会社 シネマ&コンテンツソリューション部 部長 尾崎卓也さん
今回の内覧会で、SCREEN 8の特長についてドルビージャパン シネマ&コンテンツソリューション部 部長 尾崎卓也さんから紹介が行われた。
ドルビーシネマは、ドルビーが監修を行うプレミアムな体験を可能とする劇場で、日本国内では2018年後半に導入が始まり、今回の大井町は11館目になるそうだ。 その特長は高ダイナミックレンジの映像を楽しめるドルビービジョンと、イマーシブオーディオのドルビーアトモスの組み合わせにある。
「ドルビービジョンでは、明るいところから暗いところまでのコントラストの差が通常の映写機の500倍ぐらいあります。従って、暗がりのシーンの再現性がひじょうに優れていますし、さらに再現できる色数も増えています。そのため、スクリーンを見ているというよりは、スクリーンの中に入り込んでしまうような体験ができます。
音響に関しては、ご覧の通り天井にもスピーカーが付いていて、この1個1個を個別に駆動して音を出すことで、より繊細な体験をお届けできます。我々はこの映像と音響を合わせて、お客様に作品の中に入り込んでもらうような体験をお届けしたいと思っています。
SCREEN8のドルビーシネマ。劇場内は、映像に集中できるように光の反射を抑えた内装を採用する
座席数は262+車椅子席2という規模で、映像の見え方にも配慮して、最前列からスクリーンまでもゆとりがある作りになっている
もうひとつ重要なのが、ドルビーシネマの劇場は基本的に世界中で統一したデザインになっています。劇場内は黒を基調にしたシンプルなデザインで、映画が始まったらスクリーンに集中していただけるようなデザインになっています。スクリーンへの反射を極力抑える為に、床のカーペットも黒で、座席の材質も艶のない黒を使っています。
また座席の配置も工夫しています。どの席でも極力同じ体験ができるように水平・垂直の視野角の仕様をドルビーの方で決めていて、それに基づいて設計しています。
映写室ではプロジェクターを2台使って、幅広いコントラスト比と豊かな色域を実現しています。スペック的には、通常の映画館の明るさは48nitsが標準ですが、ドルビーシネマの最高輝度は 108nitsです。さらに暗い方の再現性も圧倒的に優れています。
昨年末に話題になった『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』のような3D作品に関しては、2台のプロジェクターで左右それぞれを投写するという使い方をします。これにより、暗さを感じることはない、リアリティのある3D体験ができるのも、ドルビーシネマの特長の一つになっています」(尾崎さん)
サラウンドスピーカーは左右の壁上側にそれぞれ7基で、さらにサラウンド用のサブウーファーも2基取り付けられている。写真手前にトップスピーカーが見える
プレミアムボックスシートも10席用意されている。こちらは通常のチケット代+¥1,000とのこと
SCREEN 8で、ドルビーシネマのトレーラーを確認したところ、スクリーン上での黒もしっかり沈んでいるし、尾崎さんの解説にあった通り照明が落ちると劇場内が本当に暗くなるので、作品への没入度も高まるだろう。
また、ドルビーアトモスに関しても、音の移動感に優れているのは当然で、360度の表現や各方向からささやく声もそれぞれの位置、声質の違いがひじょうによくわかった。
SCREEN2 轟音シアターの全景。座席数184+車椅子席2という空間で、“これでもか!”というほどの大迫力サウンドが楽しめる
轟音シアターの特長でもある巨大サブウーファー。アイソバリック(対向)配置した46cmウーファーユニットが重低音を再現する
その他の特殊スクリーンでも予告編を上映していたので、拝見してきた。
SCREEN 2の轟音シアターの設備仕様としては、TOHOシネマズ 立川立飛などと同様にスクリーン下側に大型サブウーファーを2基設置する。ウーファーユニットも他の轟音シアターと同じ46cmサイズで、アイソバリック方式を採用しているようだった。これにより「音の体感・迫力あるサウンド」を楽しめる。
その効果は抜群で、ロック・ライブ作品の予告編では、体に感じるほどの低音&振動がライブ感覚を盛り上げてくれる。作品のジャンルにもよるだろうが、他にない空間として楽しめる。
SCREEN4 プレミアムシアターは、座席数174+車椅子席2というサイズ。TOHOシネマズ独自のTCXスクリーンとカスタムスピーカーによるプレミアムサウンドが特長だ
サラウンドスピーカーは左右にそれぞれ5基、サラウンドバックスピーカーは4基という構成。プレミアムボックスシートも14席準備されている
もうひとつのSCREEN 4 プレミアムシアターは、カスタムオーダーメイドスピーカーによる7.1chサラウンドサウンドと、TCXスクリーンを備えている。カスタムスピーカーは先行する劇場と同様に、イースタン・サウンド・ファクトリーとジーベックスによるカスタム品が使われているのだろう。
このシステムは音の自然さ、正確さが特長で、誇張感のない素直な音空間が楽しめる。6月に公開予定のミュージシャンの伝記作品でも、予告編の声の再現、コンサート会場の熱気なども心地よく響いてくる。低音のキレもよく、音楽作品にじっくり浸りたいと感じさせてくれるまとまりだ。
ちなみに3つのスクリーンで、この春の話題アニメ作品の予告編が上映されていたが、ドルビーシネマでは音楽の表現や緻密な効果音まで描き出す表現力が、轟音シアターでは当然ながら爆音のインパクトが強烈で、プレミアムシアターはセリフの明瞭さが印象的とそれぞれに聴きどころがあり、劇場の個性を感じることが出来た。
TOHOシネマズ 大井町は、様々な作品を最適な環境で楽しめるシネコンとして注目されるだろう。(取材・文・撮影:泉 哲也)