飯田ピアノから、ドイツ・ベルリンで誕生したオーディオブランド、ArcTec Berlinのハイエンドヘッドホン「AB 92」(市場想定価格¥495,000、税込)が発売された。
ArcTec Berlinは、物理学者のKlaus Heinz(クラウス・ハインツ)氏が創立したブランドだ。ハインツ氏はこれまでスピーカー設計の世界で磨き抜いてきた音響設計の思想を、ヘッドホンという領域に持ち込み、「スタジオモニターの中立性と、最も要求の厳しいハイエンドユーザーの求める音楽性・情感の両立」というビジョンのもと、フラッグシップモデルとして「AB 92」を送り出したそうだ。
型番の「AB」は「AirBorne」、文字通り “空気に浮かぶ” という意味を持つ。完全開放型の設計により、振動板の背後から放射される音を遮ることなく自由に解放。反射や共振から解き放たれた、純粋で自然な音の再現を追求している。
心臓部となる平面磁界型トランスデューサーには、導体トレースを含めて1.5マイクロメートル未満という極薄の振動板を採用。導体材料には銀が使われているが、これは周期表上のすべての金属の中で、導電率と比重の比率において優れていることから選ばれている。
純度99.99%の銀を電気化学的蒸着(エレクトロプレーティング)により振動板に載せる工程は極めて高い技術を要し、この精度で安定した品質を実現できる専門パートナーを見出すまでに、長期にわたる探索が必要だったそうだ。この超薄膜振動板が、50kHzを超える帯域幅を実現している。
アルミニウムを精密に削り出したリングにトランスデューサーを格納。リンギングや共振を排除するための入念なダンピング処理を施し、ブラックアノダイズとガラスビーズブラスト仕上げにより、プレミアムな外観と長期的な構造的健全性を両立している。
搭載されたドライバーは、92mm振動板と高出力ネオジム磁石を搭載。高い効率と穏やかなインピーダンス特性を両立し、33Ωのインピーダンスと90dB SPL/mW(105dB/1V)の感度により、高品質なポータブル機器でも充分に駆動可能とのことだ。
「AB 92」の主なスペック
●型式:背面開放型
●使用ドライバー:92mm平面磁界型
●インピーダンス:33Ω
●感度:90dB SPL/mW (105dB/1V)
●再生周波数特性:5Hz〜46kHz
●ケーブル:着脱式(3.5mm×2)/1.5m/6.3mmステレオ標準プラグ
●重量:540g