JMGOの最上位モデル登場!

 DLP方式にRGBレーザー光源を組み合わせ、ジンバル式のスタンドを装備したスタイルで大きな人気となっているJMGOから、最上位モデルとなる「N3 Ultimate」が登場した。RGBレーザー光源は、最大輝度が5,800ISOルーメンとなったほか、置くだけで図形歪み補正やオートフォーカスによる調整が自動で行える自動調整機能はさらに進化し、映像を映したまま、リモコンで投射方向を変更することまで可能になった。

N3 Ultimateについて

 それでは、本機の特徴を紹介していこう。まずは「AI自動画面最適化機能」について。これは、AIが設置環境を判断して最適な画面位置を自動で調整しつつ調整した位置を記憶してくれるというもの。これまでの自動設置調整がAIのサポートによってさらに便利になっている。壁やスクリーンに向けて置くだけで、AIが最適なスクリーンのサイズや位置を検出し、障害物などがあれば自動でそれをよけてくれるという。また、一度設置した位置を最大10パターンまで記憶することを可能にするなど、リビングだけでなく、寝室やプライベートルームなど、異なる場所で使用する時も、設置や調整がスムーズに行えるようになった。

 映像表示のためのエンジンも強化されており、JMGOが開発した新エンジン「MALC5.0」を搭載するなど、従来の「MALC3.0」に比べて、明るさと色の均一性を97%から99%へ向上させている。レーザー光の干渉による斑点状のノイズ(スペックルノイズ)は、拡散板を使っているが、従来の二方面振動から360度全方向振動となったことで、99.99%以上のノイズ除去に成功している。

 レーザー光源は日亜化学工業の最新モジュールを4組(40チップ)使用し、光効率を総合で40%向上。これら映像エンジンとレーザー光源を組み合わせることで明るさ5,800ISOルーメン、色域110%(BT.2020)、ダイナミックコントラスト比は3,000,000:1を実現している。

 さらに、映像処理では、"AI強化モード"を追加。この"AI強化モード"はAIが映像の内容を認識すると、最適な画質に自動で調整してくれるというもの。解像度の修正や暗部の再現性の向上などが可能になっている。

実際に使用してみた

 製品の特徴はこの辺にして、早速この最新モデルを自宅の試聴室で試してみよう。スタンド一体型のスタイル自体は2025年の4月に発売した「N1S Ultimate 4K」と共通ながらも、サイズは横幅308mm、高さ274mmと一回り大きくなった。重さも6.95kgとやや重くなっている。

自動調整機能がすごい!

 驚いたのは設置時の自動調整だ。従来ならば適当な位置に置いて電源を入れると台形に歪んだ映像がほんの数秒投射された後、パッと正しい形状に補正され、フォーカスも合うというイメージ。ところが、「N3 Ultimate」では、電源を入れると瞬く間に正しい形状の映像が表示される。これは凄いことだ。自宅の試聴室は壁に固定された張り込み型スクリーンを使っているので、ちょうどよくスクリーンに合わせて投射するには実際に映像を出してから微調整する必要があったが、「N3 Ultimate」はプロジェクターを動かしても正しい形状を維持したまま映像が移動してくれる。また、スクリーンの外枠を検出して自動でスクリーンに合わせる機能もあるのだが、自宅ではスクリーンの手前にスピーカーがあるため、一部光路が遮られてしまうようで、今までこの機能はエラーが出てしまっていた。しかし、「N3 Ultimate」はそういったエラーもなく、見事にスクリーンにピタリと合ったサイズで、それも歪みのない形状でフォーカスも合った映像が映し出させれた。こうした自動補正機能は今までも十分に便利で快適に使えていたが、本機ならばまさしく"置いただけ"で調整が完了するという驚異的な自動調整機能になっていた。

投射レンズは光学レンズを採り入れている

 このほか、投射レンズは光学レンズを採用し、解像度を6%向上もさせている。画質を損なわずに画面サイズの微調整が可能な光学ズームや、レンズシフトも備える。光学ズームの投射比は、0.88〜1.7:1と範囲も広いので、より短い距離で大きな画面の投影(100インチを最短1.9mで投影)することができる。レンズシフトでも解像度の劣化や映像が一部欠けるというようなこともなく、垂直±130%、水平±53%の移動が可能。たとえば普通に座っているときはやや高めに、寝転がって見るときは低めの位置にするなど、視聴位置や姿勢によって画面の移動ができるわけだ。この移動範囲もかなり広い。一般的なデジタルズームやデジタルシフトでは、調整範囲はごく狭く、解像度の劣化などもあるため実用的ではなかったが、「N3 Ultimate」のジンバルスタンドはリモコンによる電動での調整が可能になっている。これらによって、設置の自由度はさらに高まり、使いやすさが大きく向上している。

「N3 Ultimate」のジンバルスタンドはリモコンによって電動での調整が可能

 光学レンズの実力としても、精細感はかなり高い印象で、映像の歪みがほぼ気にならないだけでなく、フォーカス感も優秀だ。中心部にフォーカスを合わせると映像の周辺部がややぼやけるようなこともほとんどなく、映像の精細感もかなりのレベル。これは立派だ。

ジンバルスタンドはリモコンによる電動での調整が可能になっている

 そして、映像が明るい。一般的なリビングと比べると、外光は完全に遮光され、やや薄暗いくらいの試聴室では十分すぎる明るさの映像で観ることができる。最大5,800ISOルーメンというスペックからすると3,000ルーメンクラスのものと大きな差があるとは感じにくいが、恐らくこれはAIが環境(部屋の明るさ)に合わせて自動調整しているためだと思われる。もっと明るいリビングならば、それに合わせてさらに明るい映像が表示されるだろう。

外光は完全に遮光され、やや薄暗いくらいの試聴室では十分すぎる明るさの映像で観ることができる

 明るさだけでなく、コントラスト感は十分だし、黒もしっかりと締まる。色彩はRGBレーザー光源ならではの鮮やかさ。プロジェクターとしては十分な実力を有していると言える。

映画を視聴してみる

 まずはUHD BDソフトの『トロン:アレス』を見た。“グリッド”と呼ばれる電脳世界をはじめ、現実世界でも夜のシーンが多いなど、暗いシーンばかりの映画だが、黒の締まりは十分で、しかもサーチライトのような眩しい光も強く輝いていた。ドルビービジョン対応のため、自動でドルビービジョンモードに切り替わるので、象徴的な赤い光も不自然さは少ないし、赤色の階調性もスムーズだ。もちろん、肌の色も自然で好印象。

 また、雪山にある創業者フリンの遺品を収めた倉庫の場面では、雪山の白銀の世界を見通しよく再現してくれるし、常緑樹の林の緑色も自然な印象がいい感じだ。

 全体的な画質傾向としては、映画的な感触というよりも、薄型テレビ的な明るく高精細な印象になるが、『トロン:アレス』のような最新の映画との相性はいいし、テレビ放送やアニメ、ゲームなど、現代のさまざまなコンテンツ全般を鮮やかな色で楽しめるため、まさに薄型テレビのようなオールラウンドに映像コンテンツを楽しめる映像だと感じた。

 また、音質の点でもなかなか優秀。内蔵スピーカーは独自の「JMGO MasterSound」で35Hzにおよぶ低音再生が可能となっている。内蔵された小型スピーカーとしてはかなりの低音再生能力で、実際、かなり低音が含まれた劇中の音楽を迫力を損なわずに再生できていた。セリフなども聴き取りやすいし、内蔵スピーカーとしては不満のないレベルだ。

ゲームをプレイしてみる

 今度は"PS5pro"を接続して、人気ゲームの『バイオハザード:ヴィレッジ』をプレイしてみた。最新作『バイオハザード:レクイエム』も楽しみなサバイバル・ホラーだ。

 最近のゲームは映像も4Kだし、CG技術の進化でプレイ映像も、まるで映画を見ているかのような精細な映像だが、「N3 Ultimate」での映像もカチっとした解像感の高い映像だ。しかも1080p解像度ならば240Hzまで対応(4K時は60Hz)するので、描画もスムーズ。素早い視点移動でも滑らかに映像が動く。しかも表示遅延は低遅延モードで1msと薄型テレビ並だ。ごく普通のゲーム好きな筆者では遅延を感じるどころか、まったく違和感なくゲームをプレイできたし、シビアなタイミングを要求される格闘ゲームやリズムゲームなどでもストレスは少ないと思われる。

遅延を感じるどころか、まったく違和感なくゲームをプレイすることができた

 画質モードもゲーム用にRPG/FPS/RCG(レース)/SPG(スポーツ)が用意されており、好みのものを選べる。いずれもAIが暗いシーンの再現性を向上するので、陰に隠れた敵やモンスターを視認しやすくなっている。

 暗い屋内での探索なども暗部の見通しがよく快適だった。薄暗い雰囲気のまま探索し、そのまま敵とのバトルも楽しめるが、そのぶん恐怖度も倍増。ホラー好きにはぴったりだ(苦手な人は注意)。このほか、ゲーミングディスプレイなどで定番の標準補助表示も備えている。

 これなら、遅延などのストレスを感じることなく、特大の大画面で臨場感たっぷりのゲームを楽しめるはずだ。

まとめ

 設置性をさらに高めた先進的な機能性を実現し、画質的な実力をさらに高め、さまざまなコンテンツに対応するなど、まさしく薄型テレビに迫る実力を備えたプロジェクターだ。大画面テレビは気になるが、搬入や設置が心配という人には、かなり魅力的な選択肢となるだろう。