JMGOの4K超短焦点プロジェクターO2S Ultra 4Kの「シネチューナーマスター」機能で「画質モードを共有しよう」
スクリーン手前、わずか約15cmのところに設置して、100インチの大画面が楽しめる、JMGO(ジェイエムコ゚ー)の超短焦点4KプロジェクターO2S Ultra 4K。3色(RGB)レーザーエンジン、MALC 3.0による明るく、鮮やかな映像と、自動台形補正、オートフォーカスなどの先進的な機能性を誇り、高感度なAVファンを中心に高い評価を得ている。
そしてプロジェクターとしての新たな楽しさを拡げる提案として注目されているのが、「シネチューナーマスター」という機能だ。これは映画、アニメ、スポーツといった映像のジャンルに合わせて、画質を調整し、そのパラメータを保存、共有できるというもの。
コンテンツに合わせて、明るさ、コントラスト、彩度、色調といった項目を調整、保存して、必要に応じてそのデータを呼び出して、自分で楽しむというのがこれまでのスタイル。「シネチューナーマスター」ではそこから一歩踏み出し、その調整データ毎に共有コードを発行し、他のユーザーと共有できるというのだ。
ちょっとイメージしづらいかもしれないが、映画用として自分で創った画質調整データを、O2S Ultra 4Kを使っている他のユーザーにも開放して、同等の画質が別のスクリーンでもそのまま再現できるという提案だ。
音楽配信サービスの世界では、プレイリストを作り、その楽曲データを友人と共有して、共通の話題として盛り上がるという楽しみ方がすでに定着しているが、イメージとしては、この映像バージョンと言ってもいいかもしれない。
「シネチューナーマスター」とは画像モードを、まるごとシェアできる機能。「表示」から「シネチューナーマスター」を選ぶと下の画面に遷移する
画面右側になる「シェアコードをインポート」内に、9桁のシェアコードを入力することで、インターネットから、当該画像モードをダウンロードでき、自らの環境で楽しめるという提案だ
シェアコードを入力したところ
画質パラメーターを共有して、その映像を見ながら「フェイストーンはもう少し赤みが欲しい」、「色調はもっと鮮やかな方がいい」、あるいは「この作品ならさらにコントラスト感をあげて、メリハリを効かせた方がフィットする」など、画質に関する意見交換が可能になり、そこからさらに磨きをかけ、発展させていくといった楽しみ方が生れるというわけだ。
では実際にO2S Ultra 4K をHiVi視聴室に設置して、映画、アニメ、スポーツと、3パターンの画質調整モードを作っていきたいと思う。ちなみにスクリーンにはスチュワートStudioTek130G3を使用し、16:9、約100インチ程度のサイズで投影している。部屋は完全暗室の状態だ。
今回の画質調整に使用したコンテンツは、映画『アラビアのロレンス』(NHK BSP4Kで録画。4K&SDRコンテンツ)、スポーツ『2022ワールドカップサッカー』(NHK BSP4Kで録画。4K&HDRコンテンツ)、アニメーション映画 劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』(Disney+で再生。2K&SDR)の3種類。それぞれO2S Ultra 4Kで搭載している既存の映像モード、「映画」、「標準」、「ビビッド」から調整している。
HiVi視聴室にO2S Ultra 4Kをセット、スチュワートのスクリーンに100インチ16:9程度のサイズに投写して映像モードを作った
藤原モード①映画コンテンツ〜『アラビアのロレンス』(NHK BSP4K)
まずは映画コンテンツ『アラビアのロレンス』の調整から始めよう。ベースとなる画質モードは「映画」を選択し、調整メニュー最上部の「明るさ」(レーザーパワー)について、目に負担のない、自然な明るさ、コントラスト感が得られる「8」に設定。
続いてその下に配置されている「明るさ」、「コントラスト」、「彩度」、「色調」、「シャープネス」など電気信号処理の調整パラメーターについては、特に違和感はなく調整を加なくてもよさそうだ。さらにイコライジングを続けて「詳細設定」のパラーメーターを確認することにした。
「映画」モードの「色温度」は『暖色』。この状態でも大きな問題はないように思ったが、個人的には「青ゲイン」(明るい部分の青みの調整パラメーター)をデフォルトの『-39』から『-43』へと少し抑えてフィルムらしい色調を演出し、同時に「赤ゲイン」を『0』→『-1』として、フェイストーンを整えた。
「色温度」は映像の色調をつかさどるパラメーター。一般的に映画コンテンツなどは、温かい色合い(専門的にいえば6500K程度)の状態での表示を前提にしている。O2S Ultra 4Kの映画モードでの色温度は『暖色』というパラメーターで、おそらく6500K程度の状態にセットされているようだ。そこから実際の映像を確認し、「赤ゲイン」と「青ゲイン」を微調整、それぞれ『-1』と『-43』に変更した
ノイズリダクション系パラメーターの「DNR」、「MPEG NR」や、細かな輝度系および色系の調整項目である「Adaptive Lumaの設定」、「ローカルコントラスト」、「ダイナミックカラー」、「ガンマ」については、特に問題を感じなかったため、調整なし。
1つ注意したいのが「色空間」の設定で、SDR素材の場合、通常『BT.709』設定となるが、NHKのBSP4K放送に限っては、SDR映像であってもBT.2020色域で運用されているため、HDRコンテンツと同様に『BT.2020』に設定すること。実際に『アラビアのロレンス』をパナソニックの4Kレコーダー(DMR-ZR1)からHDMIで接続して再生したO2S Ultra 4Kでも『BT.709』で認識されていた。この状態で極端に色調が変わったわけではなかったが、微妙な色味まで正確に再現するには「色空間」を『BT.2020』設定が不可欠だ。
映画モードの調整ではNHK BSP4KでSDR放送された4K版『アラビアのロレンス』を使った。通常、SDR映像では、色域をつかさどる「色空間」は「BT.709」で運用されているが、NHK BSP4K放送では、ほとんどの場合、SDR放送であっても「BT.2020」の広色域での放送となるため、ここでも『BT.2020』をチョイス。大きく色合いが変化するわけではなかったが、せっかくの高性能プロジェクターでの大画面鑑賞となるわけだから、正しい状態での投写を心がけたい
最後に「モーション補正」(映像を滑らかにする処理。いわゆるフレーム内挿処理)だが、デフォルトの『強』から、迷わず『OFF』に。弱めの補正をかける『低』を選び、フィルムのジャダー感(ガタツキ感)を抑えるという考え方もあるとは思うが、秒24コマで収録されている映画については逆に違和感を覚えることが多いため、『OFF』をおすすめしたい。
「モーション補正」は「OFF」に。感性の問題ではあるが、「モーション補正」機能が有効になっていると、ヌルヌルとした動きになり、映画を見慣れた方の場合、違和感を覚えるケースが多い。ここでは積極的に『OFF』を選ぶ
この状態で登録したシネチューナーマスターモードのコードは、BBKMCHWB
藤原モード②スポーツコンテンツ〜『ワールドカップサッカー』(NHK BSP4K)
続いてスポーツコンテンツ。『2022ワールドカップサッカー 準決勝 クロアチア対ブラジル戦』で調整していこう。NHKのBSP4Kチャンネルにて、4K&HDRで生放送された番組の録画で、HDRの方式は、HLG(ハイブリッド・ログガンマ)となるが、今回はパナソニックの4KレコーダーDMR-ZR1で、HLGからHDRのスタンダード方式であるHD10=PQ10に変換した信号をO2S Ultra 4Kに送っている。
両チームのユニフォーム、芝生の鮮やかさ、あるいはスタジアム全体の盛り上がりから考えると、見栄えのする映像モードを「ビビッド」から始めるという選択もあるかもしれないが、画面に集中するスポーツ観戦では鮮やか過ぎるのは禁物。特に100インチ前後の投写で楽しむ大画面プロジェクターの場合、表現がオーバーになりやすく、目の負担が懸念されるため、注意が必要だ。
ここでは「ビビッド」に比べると、ニュートラルな画調となる「標準」モードをベースに調整していくことにした。メニュー画面最上部、レーザーパワーを制御する「明るさ」は明るくなり過ぎず、また暗くもなり過ぎないポイントとして「8」に設定。
続いて電気信号での調整パラーメーターとなる「コントラスト」と「彩度」は、多少化粧を抑えたいと感じたため、それぞれ『50』→『45』、『50』→『48』と、抑える方向で微調整。100インチというサイズで、ストレスなく、長時間視聴が可能な画調へと整えていった。
スポーツ番組では、サッカーや野球、ゴルフのような緑色部分が多く競技と、それ以外の競技では色表現に対する考え方が異なるかもしれないが、明るさ方向の表現は同一と考えてもよいだろう。すなわち、(極端な状態にならない程度に)明るく、色温度も寒色(=数値は高い状態)が好ましいだろう。ここでは「標準」モードをスタート点として、「明るさ」「コントラスト」「彩度」などを適宜調整した。画面は映像調整の途中の値で最終の値は「明るさ」はデフォルトの『50』のママ、「コントラスト」は『45』、「彩度」は『48』となった
「色温度」はデフォルトが「寒色」という設定でやや青みが強い状態となり、10,000K程度の状態のようだ。そこで「標準」に設定を変更すると、だいぶ落ち着いたが、まだ芝生やスタンド全体の色調はやや青みが強く、芝生のグリーンは一見、鮮やかだが、微妙な色味の変化が感じにくい。ペタッとした単調なグリーンといった様子で、カナリア軍団のユニフォームも、もっと鮮やかさが欲しい。
そこで「青ゲイン」を『-24』から4ポイント絞って「-28」まで抑えて、よりニュートラルに感じられるグリーンへと調整したところ、天然芝の色味が復活。同時にカナリア軍団のユニフォームについても深みが増して、緑色の襟と袖、そして青のパンツのコントラストも鮮やかだ。
「DNR」は前後の画像を重ねてノイズを抑える巡回型の処理となり、動きの速い絵柄では不自然な画像ボケが生じる危険性があるため『中』→『オフ』。逆に「MPEG NR」は動きのある部分で目障りになりやすいブロックノイズに効果が期待できるため、デフォルトの『中』→『低』に設定した。副作用が少なく、確かな効果が感じられよう。
絵柄に応じて明るさを調整する「Adaptive Lumaの設定」(レーザー光の制御)と「ローカルコントラスト」(電気信号の制御)の調整については、見た目のコントラスト感と安定感の両立させるのがポイント。
カット&トライで、いくつかの組み合わせを試した結果、両項目ともに「低」がベストと判断。安定した明るさで、メリハリの効いた映像が得られた。「ダイナミックカラー」、「ガンマ」については、調整は加えていない。
「モーション補正」は、少し迷ったが、最終的には「オフ」を選択。スポーツコンテンツでは、フレーム内挿処理を加えることで、よりスムーズな映像の動きが期待できる反面、サッカーのようなカメラのパンニング(移動撮影)が多用されるスポーツ中継の場合、補正の負荷が大きく、最悪、信号処理が間に合わず、目障りなノイズが発生する。NHK BSP4K放送が元々動きに強い60p放送ということもあり、また動きの速いDLP方式プロジェクターの持ち味を生かすという意味でも、「オフ」とすることにした。
この状態で登録したシネチューナーマスターモードのコードは、BBKMVKP2
藤原モード③アニメーション〜劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』(Disney+)
最後は日本の人気アニメーション作品『鬼滅の刃』の調整。アニメの場合、自然画と違って、フェイストーンにしても、テクスチャーの表現にしても、クリエイターによって作り出されたものであり、その演出をいかに素直に引き出せるかがポイントになる。
まずスタート点となる映像モードの選択だが、これは高コントラストで色彩の鮮やかに見せる「ビビッド」と、そこからコントラスト感、色彩感ともに抑え目にした「標準」の2択から考えるのがセオリー。本作の色鮮やかに、強いタッチで描き出される作風から考えると、「ビビッド」がフィットするとみた。
レーザーパワーを司る「明るさ」は、明暗の対比、色彩のインパクトを最大限に引き出すためにフルパワーとなる「10」。その下にある2つ「明るさ」(=黒レベル調整)、「コントラスト」(=白レベル調整)」は変更せず、「彩度」、「シャープネス」は、より力強い色調と輪郭のタッチを意識して、それぞれ『50』→『55』に5ポイント、プラス方向に調整した。
「ビビッド」の色温度は「寒色」となり、感覚的には前述の通り10,000Kを超えている印象だ。これはこれで作風にあっているようにも思うが、さらに「青ゲイン」を『0』→『+5』へと5ポイントあげて、色のメリハリ、抜け感のよさに磨きをかけることにした。
ノイズリダクション系の調整だが、「DNR」は『強』→『中』。「MPEG NR」については少し迷ったが、動きが伴う部分でブロックノイズが見えるケースも少なくないため『強』→「中」を選択。「Adaptive Lumaの設定」、「ローカルコントラスト」などは特に調整を加えていない。「モーション補正」はクリエイターの意図を最大限に尊重し「オフ」としている。
この状態で登録したシネチューナーマスターモードのコードは、BBKMMVP5
YouTube動画でも「シネチューナーマスター」モードの詳細を紹介
今回、実際に映像作品を題材に、3種類の調整モードを作りコードを公開。その方針などを含めて動画を作成している。O2SUltra 4Kユーザーの方は、ぜひご自分の視聴環境で試していただきたい。ただスクリーンのサイズ、あるいは生地の特性で見え方が変わってしまうことも十分に考えられるため、私の作り上げた調整値から微調整し、好みの画質に仕上げていくのも楽しいと思う。
画質調整のコツは、コントラスト感、鮮やかさ、解像感(特に輪郭の補正)と、むやみに見栄えの良さを追求するのではなく、白トビや黒つぶれ、不自然な色調など、様々なシーンで破綻することなく、穏やかに、自然に見えるように心がけること。
特にO2SUltra 4Kの場合、「映画」、「標準」、「ビビッド」といった既存の映像モードの完成度が高いため、そこから微調整を加えていくことで、再生コンテンツに適した、好みの画質に到達しやすい。輝度、色、階調性と、バランスを崩してしまったとしても、簡単に元の画質に戻れるので、心配は無用。ぜひ、世界にひとつだけ、オンリーワンの画質に、チャレンジしていただきたい。
シェアされた「シネチューナーマスター」画像モードは、モード名称の編集のほか、「パラメータ編集」機能により、そこから自らの環境や好みを加味したチューニングも可能だ
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