新生オンキヨーは、昨年はコンベンションセンターから離れたバージンホテルにスウィートを持っていたが、今年は堂々とコンベンションセンターのセントラル館にブースを構えた。メインストリートに沿い、パナソニックとハイセンスの間という抜群の立地だ。旧Onkyoの事業が譲渡されたアメリカVOXXグループが、ここ数年持っていた一等地が、今年はオンキヨーブランドのブースになった。

 今年はオンキヨーの創業80周年。なので頑張って、新製品をたくさん作った。オンキヨーブランドの「RZシリーズ」のAVアンプ、同デスクトップスピーカー、同パワードスピーカー「Creatorシリーズ」、同ネットワーク対応プリメインアンプ「MUSEシリーズ」、オールインワンのテーブルトップスピーカー、クリプシュブランドのアクティブ・スピーカー……と、新生なのだから、すべてがブランニューだ。

 ブース内の試聴室で、クリプシュのアクティブ・スピーカー「The Fives II」「The Sevens II」「The Nines II」を聴いた。

 「クリプシュの」と述べたが、正確にはスピーカーユニットはクリプシュ、アンプはオンキヨーの合作だ。Cerametallicウーファー+シリコン複合ハイブリッドTractrixホーンという現代クリプシュの代名詞的ユニットで構成された2ウエイ。ウーファー径はThe Fives IIが5.25インチ、The Sevens IIが6.5インチ、The Nines IIが8インチだ。

 内蔵アンプはオンキヨーのAVアンプのエッセンスを採り入れ、“Powered By Onkyo” と銘打つ。それもあって機能がユニーク。2チャンネルのスピーカーなのにDolby Atmosが全機種に採用されている。つまり2チャンネルでバーチャルDolby Atmosが聴けるのである。

 さらにThe Sevens IIとThe Nines IIにはDirac Live Room Correctionを、The Nines IIはDTS:Xを採用し音場再生を強化している。インターフェイスが豪華だ。全機種でHDMI/HDMIeARC、光デジタル、同軸、アナログ、USB-Cが入力可能。フォノイコライザー内蔵のアナログ入力もある。The Nines IIはバランス入力も持つ。

 The Five IIではカントリー&ウエスタンを聴いた。スピードが速く、切れもシャープ。はっきり、くっきりして、明瞭な音だ。進行力が強く、この音楽はこう聴かせたいという強い主張を感じた。

 The Seven IIは、エレクトロニック・ダブステップ系のYOOKiE「SUNSHiNE OF YOUR WUB」。クリームの「Sunshine Of Your Love」のパロディだが、これも実に剛毅で、低音に量感とスピードがあり、ヴォーカルや楽器の輪郭が明瞭。押し出しが強い音だ。

 The Nine IIは、『ジュラシック・ワールド/復活の大地(Jurassic World: Rebirth)』。Virtual Dolby Atmosのデモだ。なぜこの映画なのかというと、クリプシュとオンキヨーは本作の独占プロモーションオーディオパートナーだから。2チャンネル/Dolby Atmosの映画音響というのも、なかなか不思議だが、これもこれまでと同様に、ひじょうに力強く、ワイドレンジで、特に低音のパンチが効いた音だった。サラウンド感もそれなりに感じられた。

 The Fives II、The Sevens II、The Nines IIは2チャンネルの音楽作品から映画音響まで、ワイドレンジに、高剛性でヴィヴッドな音を再生する、アクティブ・スピーカーであることが分かった。日本での発売が楽しみだ。

クリプシュのアクティブ・スピーカー、下から「The Fives II」「The Sevens II」「The Nines II」

The Nines IIの背面。インターフェイスが豊富