ソニーから、アナログレコードプレーヤーの新製品が2モデル発表された。型番・価格は以下の通りで、どちらも2月14日(土)の発売を予定している。
PS-LX5BT 市場想定価格5万円前後(税込)
PS-LX3BT 市場想定価格4.1万円前後(税込)
左が「PS-LX5BT」で右が「PS-LX3BT」。本体のデザインや構造は共通だが、表面の仕上げやトーンアームの仕様等が異なる
従来モデル「PS-LX310BT」の後継機種で、PS-LX3BTはアナログレコードを手軽に楽しむための入門という位置づけ、一方のPS-LX5BTはより音質にこだわりたい人に向けたステップアップモデルとなっている。
ソニーによると、近年レコードプレーヤーの売上は台数ベースで微増しているそうだ。ユーザー層も20代の初めてレコードに触れるという人たちから、レコード再生に再参入する40代以上までと幅広く、女性の割合も3割ほどとオーディオ機器としては高い。
それを踏まえて、今回の新製品では20代後半をターゲットに、レコードビギナーから、ワンランク上を目指す音質重視派、買い替え層に向けた製品づくりを行っている。
ルミパイプを使った新設計ダイナミックバランス型トーンアームを採用。PS-LX5BT(左)とPS-LX3BT(右)では付属レコード針にも違いがあり、先端部分の構造も異なっている
2モデルの共通の特徴としては、まずBluetooth送信機能を搭載した。コーデックはaptX Adaptive(最大96kHz/24ビット)に対応しており、Bluetoothスピーカーやイヤホン/ヘッドホンとつなぐだけで、高音質でレコードを楽しむことができる。PS-LX310BTはaptX(最大48kHz/16ビット)対応だったので、この点でも進化を果たしている。
さらに「START」ボタンを押すだけで再生が始まるステップフルオートプレイにも対応。レコードをセットしてボタンを押すだけという簡単操作なので、レコードプレーヤービギナーにも安心だろう。加えてMMカートリッジ対応フォノイコライザーも内蔵済で、フォノイコライザーを搭載していないプリメインアンプとの組み合わせでも問題ない。
トーンアームにはアルミパイプを使った新設計ダイナミックバランス型を搭載。正確なトレースを実現するピポットベアリングも採用されている。レコードを載せるプラッターも強度と重量バランスに優れたアルミ製で、安定したトレースをサポートしているそうだ。
PS-LX5BTのリアパネル。左から内蔵フォノイコのオン/オフ、RAC音声出力(金メッキ)、3段階のゲイン切り替え、PC録音用USB-B端子、電源用USB−C端子、電源ボタンが並ぶ
本体キャビネットは一体成型で、プラッターとアーム間のねじれや歪みを抑えている。さらにコンピューターシミュレーションを活用し、リブやねじれしめ位置の最適化を追い込むことでモーターや外部からの不要振動の抑制も実現している。
付属のレコード針はどちらもMM用接合丸針で、PS-LX5BTでは様々なジャンルの音楽が楽しめる針圧2.0±0.5g/出力電圧2.5mVの上位グレードが搭載されている。PS-LX3BTは針圧3.5±0.5g/出力電圧2.5mVで、メリハリのあるサウンドを再生できる点が魅力だ。
レコードを保持するラバーマットにも違いがあり、PS-LX5BTは重圧ボムマット、PS-LX3BTは合成ゴム製が使われている。その他、PS-LX5BTの出力端子(RCA)には金メッキが施された(PS-LX3BTはケーブル直出し)。電源はUSB Type-Cでの給電で、太めのケーブルを採用したアダプターが付属する。
PS-LX5BT、PS=LX3BTともベルトドライブ方式を採用。33 1/3と45回転のレコードを楽しめる。回転スピードや、7/12インチのレコードサイズ切り替えボタンは天面右側に配置されている。
先日行われた新製品説明会で、PS-LX3BT、PS-LX5BTの音を確認できた(内蔵フォノイコライザーを使用)。
石川さゆり「天城越え」は、PS-LX3BTはクリーンでS/Nのいいサウンドで再生する。音場の広がりは自然で、情感の表現は落ち着いた印象になる。演歌ではあるが現代的なサウンドのような聴こえ方だ。
プレーヤーをPS-LX5BTに交換すると、音の傾向は同じだが、細かい情報が増えて、楽器や人の声の響きが豊かになっている。歌に込められた情感もよりダイレクトに感じ取れる。
サマラ・ジョイ「Can’t Get Out Of This Mood」は、PS-LX3BTではボーカルのセンター定位が明瞭で、声の抜けがいい。PS-LX5BTもクリーンな音場という印象だが、無音からの立ち上がりが急峻で、ピアノの演奏も細やかに感じる。声の明瞭さもアップしている。
最後にマイケル・ブーブレ「Crazy Love」も聴かせてもらうと、PS-LX3BTではややおとなしめの傾向ながら、声の表現が印象的だ。PS-LX5BTではメリハリがついてきて、楽器の音ひとつひとつが際立つ。
PS-LX3BT、PS-LX5BTはどちらも5万円を切る価格帯ながら、アナログレコードの魅力を引き出し、心地良い音として楽しませてくれる実力を備えている。操作性の簡便さを含めてレコードが気になっている方にはぜひ体験してもらいたいラインナップだ。