2019年公開の『21世紀の女の子』の一篇「reborn」を監督し、国内数々の映画祭でその才能が評価されてきた坂本悠花里の初の長編作品『白の花実』(しろのかじつ)が12月26日(金)より全国順次公開された。
先日スペインで行なわれた第73回サン・セバスティアン国際映画祭のNewDirectors部門ではクロージング作品として上映され、現地で熱い喝采を浴び注目を集めている。
この度、本作の公開を記念して公開記念舞台挨拶が開催! 映画初出演にして初主演を務めた美絽をはじめ、池端杏慈、蒼戸虹子、坂本悠花里監督が登壇した。坂本悠花里監督にとって長編デビューとなる本作について、昨日公開を迎え、周りの反響や着用して登壇した劇中の制服に関するエピソードを語った。
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第73回サン・セバスティアン国際映画祭New Directors部門クロージング作品『白の花実』。12月26日(金)の公開を記念し、美絽、池端杏慈、蒼戸虹子、そして坂本悠花里監督が登壇し公開記念舞台挨拶が実施された。
CLUEL編集長・竹本健一氏と坂本監督がこだわった寄宿学校の制服を着用して登壇したキャスト陣。西洋風をイメージした制服で、それぞれ微妙にデザインが違うという。蒼戸は「私は首元がタートルネックになっていて、そこがお気に入り」と紹介すれば、美絽も「私はヒラヒラした襟元がお気に入りです」とチラ見せ。池端は「動いた時にフワッと揺れるバルーンスカートがお気に入り。三人で初めて衣装を着て会った時はお互いに照れながらも『凄く可愛い!』と盛り上がりました」と懐かしそうに振り返った。
今年9月にスペインで行なわれた第73回サン・セバスティアン映画祭のワールドプレミアには美絽と坂本監督が現地参加。美絽は「上映後に立ち上がって拍手してくれたのが嬉しかった」とオーディエンスの熱狂を口にして、坂本監督も「上映中は観客の皆さんの息遣いが聞こえるような気がした」と海外映画祭の観客も作品世界に没入していたと報告した。
昨日から劇場公開され、反響も届いている。美絽が「家族が『良かったよ』と伝えてくれて嬉しかった」と笑顔を見せれば、池端も「友達も『公開だよね!観に行くね!』と言ってくれるし、祖母もこれから観てくれるそうで、感想を聞くのが楽しみです」とニッコリ。蒼戸はSNSに溢れる絶賛コメントに触れて「映画の中に余白があって、この映画に流れる時間を沢山の方々と共有出来ているのが嬉しい」としみじみしていた。
耽美的なダンスシーンも話題。ダンス初挑戦の美絽は「五感を大事にするレッスンを通して、表現の基礎を学んだような気がします」と述べて、蒼戸も「振付を体に入れるよりも、まずは自分の体の使い方を知る所から始めました。レッスンを通して役にあった呼吸や目線があるんだと知って、そこを大事に踊りました」と回想。池端は「3人一緒にレッスンをして、心と体を繋げて見て感じるものを大事に、そこにないものを想像してふくらませることを基礎として習いました」とレッスンの日々に目を細めていた。
年齢の近い3人は初共演ながらも、長いレッスン期間を通してすっかり仲良しに。蒼戸は「最初は挨拶程度でお互い何も喋れずでしたが、ダンスレッスンがあったからこそ長い時間をかけてお互いの事を知れて、本当に仲良くなれた」と嬉しそう。美絽が「3人で仲良くなれて本当に楽しかった」と声を弾ませれば、池端も「最初は基本的に皆静かだったけれど、同年代という事もあって、好きなお菓子の話だとか撮影外で沢山のお話しをして撮影に臨むことが出来ました」と積み重ねた絆を紹介していた。
坂本監督は『白の花実』というタイトルの秘話を明かした。「当初は思春期の子たちの純粋な儚さを込めて『白い花』にしていましたが、『花実』というフルーツの部分を足すことによって、彼女たちの将来にも責任が持てるし、儚さだけではなくこの先も続く意思が生まれたと思います」
最後は「いつかの言葉に出来なかった感情を思い出してもらえたら嬉しいです」(蒼戸)、「今日は4人で舞台に立って観客の皆さんのお顔を見る事が出来て本当に嬉しかったです」(池端)、「学生時代の少女たちの葛藤を繊細に描いた作品です。世代を問わず色々な方々に観ていただきたいです」(美絽)と詰めかけた観客に呼び掛けて、坂本監督も「この映画には『大切な人を失くす』というテーマがあります。それは年齢問わず色々な人に届くものではないかと思っています」とさらなる広がりに期待を込めていた。
映画『白の花実』
新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて絶賛上映中
美絽 池端杏慈 蒼戸虹子
河井青葉 岩瀬亮 山村崇子 永野宗典 田中佐季
伊藤歩 吉原光夫 / 門脇麦
監督・脚本・編集:坂本悠花里
プロデューサー:山本晃久
製作・配給:ビターズ・エンド
制作プロダクション:キアロスクロ
英題:White Flowers and Fruits
2025年/日本/カラー/DCP/5.1ch/ビスタ/110分
(C)2025 BITTERS END/CHIAROSCURO