主人公のドミニクを演じるのはウクライナ系アメリカ人の俳優、モデル、プロデューサーであるオクサナ・オルラン。約180cmの長身で、武術のたしなみがあるという。長い手足を使ったしなやかなアクション、素早すぎるほどのガンさばきには見とれること必至。ミラノ国際映画祭の最優秀女優賞受賞歴があるとのことだが、この映画を観終わった後には誰の頭にもオクサナ・オルランという名が刻み込まれることだろう。
ドミニクは、職業も経歴も不明のウクライナ人女性。が、とにかく、南米コロンビアの小さな街に流れ着く。フリオという警官と知り合うのだが、まもなく彼は凶弾に倒れ、その家族にも危険が迫る。腐敗した警察が麻薬組織と結びついていて、そいつらにとってフリオは邪魔者でしかなかった、ということなのだろう。が、どの国にも一宿一飯の恩義はあって、ドミニクは戦闘を始める。並外れた能力を持っていることを自分でも分かっているから、本当は闘いたくないのだけれど、立ち上がらなければ何も解決しない。
そのあたりの葛藤も描かれつつ、物語は大アクション、大戦闘シーンへと突入する。ここまでドンパチやる映画は個人的に久しぶりに見た。場所は無法地帯、コロンビアの悪党にとってドミニクは謎のグリンガ(よそ者の白人女)だ。かつてピアニストのホレス・シルヴァーが「グリンゴ」という題名の楽曲を出したが、その女性形である。監督・脚本・編集はマイケル・S・オヘダ。
映画『ドミニク 孤高の反逆者』
11月21日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
監督・脚本・編集:マイケル・S・オヘダ
プロデューサー:ジェイソン・ガーヴィッツ、アルバロ・グティエレス
撮影:ジム・オル 美術:アンドレス・ベラスケス 音楽:ナレク・ミルザエイ
出演:オクサナ・オルラン、モーリス・コンプト、ホセ・コネホ・マルティン、マリア・デル・ロサリオ、アラナ・デ・ラ・ロサ、セバスティアン・カルヴァハル
2023年/アメリカ・コロンビア/英語・スペイン語/カラー/シネマスコープ/100分/映倫区分:R15+
原題:DOMINIQUE/字幕翻訳:額賀深雪
配給:彩プロ
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