季刊『管球王国』は、10月30日発売の118号をもって紙の雑誌として一区切りをつけさせていただくこととなりました。これまでご愛読とご支持を賜りましたことに深く御礼を申し上げます。

 『管球王国』の前身となった別冊『真空管アンプ大研究』、そして創刊号は1995年の刊行でした。創刊号巻頭では、1920年から1940年にかけて洗練の極に達した真空管と、それを使ったアンプリファイアーの技術、映画館や劇場で楽しめた再生音、すなわち「幻の管球王国」の世界に光を当てて再構築していくことを宣言しています。後押ししてくださったのが、真空管の世界を連綿と考究し、愛好し、育て続けてこられた皆様であったことはもちろんです。今日もその熱は変わることがなく、雑誌を支えていただいて参りました。

 真空管を巡る音の文化、音の愉しみはこれからも力強く続きます。引き続き皆様とそれを味わわせていただけることを願って止みません。長い間、本当にありがとうございました。

季刊『管球王国』編集長
荻野祥茂