パナソニックから、有機ELビエラの最大サイズとなる「TV-77Z95B」が発表された。市場想定価格¥940,000前後で、11月の発売を予定している。

 新製品のTV-77Z95Bは型番からもおわかりの通り77インチの大画面モデルで、ビエラの2025年ラインナップ最大サイズという位置づけ。既発売モデル同様に、6年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたラインナップとなっている。

スタンドは固定タイプで、スイーベル機能は搭載していない

 「Z95B」シリーズのフラッグシップとして、新世代「プライマリーRGBタンデム」有機ELパネルを搭載する。これは赤/濃青/緑/濃青という4層の有機EL発光層を持ち、発光効率の向上(輝度アップ)と光の純度アップ(広色域)を実現した最新パネルだ。

 独自の「サーマルフロー」も採用する。上記の有機ELパネルを独自素材を用いた貼り付け構造によりバックカバー一体型放熱プレートに取り付け、さらに背面の通気孔の位置と内部構造(部品の配置)の見直しによって空気の流れを最適化、高い空冷効果を実現している。この結果、パネルからの熱を素早く逃がして発光性能を引き出すことが可能になったという。

接続端子は背面右側に並んでいる

 もうひとつ、3次元映像信号回析と温度センサーによって、有機ELパネルを画素ごとに管理し、リアルタイムで発光性能を解析・フィードバックすることで発光効率を最大限に引き出す「Bright Booster」機能も搭載している。これにより、より高いコントラスト性能も獲得したということだ。

 サウンド面ではマルチスピーカーシステムを踏襲し、ドルビアトモスの再生にも対応する。正面下側にラインアレイスピーカーを、さらに本体側面と上部にそれぞれワイドスピーカー、イネーブルドスピーカーをL/Rで搭載、背面中央上側にはサブウーファーを搭載している。

 なおイネーブルドスピーカーの間隔は「Z95A」シリーズから約2倍に広くなっており、さらにサブウーファーの出力が30Wになって、パッシブラジエーターも4基に増えたことで、77インチ画面に相応しい臨場感や迫力ある低音が楽しめるようになった。

 TV-77Z90Bも気発売のラインナップ同様Fire TV搭載モデルで、ホーム画面から放送とネットを横断して気になるコンテンツを選べるようになっている。

ドルビービジョンの再生も可能で、ドルビービジョン信号が入力された場合は4つのモードから選べる

 新製品説明会で、TV-77Z95Bの映像を体験させてもらった。もともと「Z95B」シリーズは有機ELビエラの中でも飛び抜けた明るさやコントラスト再現、色の鮮明さを持った製品だが、77インチになってもその魅力がまったく変わることなく、逆に画面サイズが大きくなったことで映像のパワー感が増してきている。コンテンツへの没入感、一体感も高くなり、映像作品をより深く楽しむことができるのは間違いない。

 パッケージソフトはもちろん高品質だし、試しにBS4Kを録画した『ウルトラマン』を再生してみても、ひじょうに色が綺麗。グレイン感もいやらしならない程度に再現しており、16mmフィルムからの4Kスキャンでここまでの映像が楽しめることに素直に感心した。リビングの“高品質&大画面” テレビとして、この冬注目の存在になるだろう。