●アナログ・デバイセズ

 アナログ・デバイセズのブースには、クラウドファンディングで話題を集めた鹿島建設の立体音響スピーカー「OPSODIS 1」が展示されていた。

 OPSODIS 1は横幅38.2cmのワンバータイプのスピーカーで、これをモニターの前に設置し、正面中央約60cmの位置で聴くことで、驚くほどの臨場感、没入感を体験できる。今回の会場でもその効果を体験した人から驚きの声が多く上がっていた。

 その立体音声効果を生み出す処理にアナログ・デバイセズのSHARC DSPが使われていることから、今回展示が行われたとのこと。SHARCといえば多くのAVアンプにも使われていた人気チップで、往年のサラウンドファンならこのDSPが搭載された製品を愛用していたという方も多いだろう。

 OPSODIS 1には「Grifinプロセッサファミリ」が使われているが、アナログ・デバイセズでは既に次世代の「Eagleファミリ」もラインナップしている。こちらでは命令セットを拡張して、処理のパフォーマンスが3倍以上に向上しているとかで、オーディオ機器に限らず様々な分野での活躍も期待できそうだ。

●Aqara

 今回のCEATECでは、スマートホームに関連した展示も多く見受けられた。なかでも様々なメーカーの機器同士を接続できる共通規格Matterに対応したデバイスが増えてきているのも近年の特長だ。そんなMatter対応デバイスを多くラインナップしているのがAqaraで、ブース内にはその使用例が多く展示されていた。

 Aqaraの製品はMatterだけでなく、Apple Homeにも対応しているのも特長という。日本ではApple Homeはまだあまり知られていないが、ホームアプリを使ってAppleデバイス上ですべてのスマートホームアクセサリーをコントロールできるというものだ。Aqaraではスマートロックやドアベル、スマートカメラなどもApple Home対応とのことで、使い慣れたiPhoneで快適なスマートライフを実現できるのはユーザーにも嬉しいだろう。

 他にもAqaraのスマートハブ機能を内蔵したデバイスを使うことで、ドアの鍵を開けるとそれに連動して照明がついたり、外出時にはセキュリティカメラが自動でオンになったりといった設定も可能という。これらが比較的簡単な設定で、しかもお手軽価格で実現できるのは驚きだ。

 赤外線機器を操作できるスマートリモコン機能を備えたハブもラインナップしており、これを使えばテレビやアンプなどのAV機器もスマホやAlexaなどのデバイスから操作できるようになる。快適なホームシアター構築にも役立つことだろう。

●TDK

 TDKは近年のCEATECで出品していたスマートグラスのデモ機を展示。小型レーザーを使って映像を網膜に再現するという方式で、さらにスマートグラスに内蔵したカメラで捉えた被写体について、AIが解析した結果をテキストで回答してくれるという機能も備えている。

 現在は720p程度の解像度だが、既にTDKとして4K精細度で出力可能なレーザーモジュールも施策しているとかで、今回はそのサンプルチップと、それを搭載した開発ボードも展示されていた。

▼CEATEC2025公式サイト