●JVC/ケンウッド
JVC/ケンウッドブースで多くの来場者が足を止めていたのが、AIカメラ付きイヤホンだった。一見すると、やや大きめのオープン型イヤホンだが、その本体正面部分に小型カメラを内蔵、同じく本体下側の小型マイクと合わせて装着者が見ている映像と、聞いている音声を記録できるというものだ。
さらにその映像をAIがリアルタイムに解析・応答もできるという。AIとの音声会話を通して情報を入手したり、目で見たものをAIが認識して解析するといった使い方もできるわけだ。さらに通信環境を整えることで、クラウドAIとつないでリアルタイムで質問に答えてもらうといった展開もあるようだ。
会場ではその応用例として、トラブル対応のためのシステムが展示されていた。近年話題に出ることも多いカスハラを想定したもので、事前に設定したキーワードを装着者が発言すると、それをAIが検知してBluetoothなどで接続したスマホやタブレットにカメラの映像(静止画)や音声を自動的に保存してくれる。さらにリンクしておいた上司のスマホにもデータが共有されるという仕組みだ。
もちろんこういった使い方だけでなく、作業の自動記録や画像共有による遠隔地からのサポートも手軽に行えるなど、応用範囲は広がっていくだろう。
3Dディスプレイ
今回は、3つのブースで裸眼3Dに向けたパネルが展示されていた。
CORNES Technologiesの技術はデジタルサイネージや車載ディスプレイなどに向けたもので、ディスプレイの前面にレンチキュラーパネルを搭載、独自の映像処理を加えた信号を再生することで視野角140度の範囲で多視点による3D映像を再現するという。深度の調整も手軽にできるとのことで、2Dから強い3Dまでリアルタイムに調整してデモを行っていた。
VISUAL SEMICONDUCTORでは65インチモニターを使った裸眼3Dディスプレイを展示。こちらも表面にレンチキュラーパネルを搭載し、独自処理を加えた信号を再生することで立体映像を楽しめるという。ディスプレイ内部にリアルタイム変換回路を内蔵し、2Dのパッケージソフトなどもリアルタイムで8K/3Dとして表示してくれる。
DUAL MOVEは透明有機パネルを使った透過型裸眼立体視ディスプレイのデモを行っていた。こちらもパネル表面にレンチキュラー機能を備えた視差バリアを搭載、視点位置測定センサー(カメラ)で視聴者の目を解析して、その視点に合わせた映像を表示するという仕組みだ。なぜ透明有機ELなのかという質問に対しては、奥行のある映像を再現するにはこちらの方が有利です、という返事だった。
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