「CEATEC2025」が開幕。シャープは生成AIと連携する各種家電を参考展示。村田製作所は得意のセンサーを活用した入力デバイスを出展。注目デバイスが目白押し

（JEITA）開催の、IT・エレクトロニクス関連の一大展示会「CEATEC2025」が、本日10月14日より幕張メッセで開幕した（～10月17日・金）。今年は、810社／団体が参加し、「Innovation for All」をテーマに、最先端の技術や製品がところせましと展示されていた。ここでは記者が気になった製品・展示を紹介していきたい（Webマーケティング）。

●シャープ

　シャープブースは、昨年よりもブースの面積を約1.8倍に拡大し、近年注目を集める生成AIを用いて「暮らし」と「働く」を快適にするソリューション・製品を多数展示していた。正面左には、先に発表された対話型AIキャラクター「ポケとも」を目立つように展示しており、来場者も愛らしい姿に魅了されているようだった。

　また、その隣には同じく生成AIを活用した「クックトーク」を展示。これは、シャープの調理家電ヘルシオシリーズに対応するもので、生成AI（スマホ）に、音声で調理方法やレシピなどを聞くと、チャット形式で応えてくれる。ほかにも、大型テレビと組み合わせて、画面に表示される等身大（？）のキャラクターと、対面形式で会話できる「生成AI×TV」も参考展示されていた。「ポケとも」と同じように会話内容を覚えてくれるそうで、過去に話した内容に即した会話を展開してくれるという。

　ウエアラブルデバイスの参考展示もあった。「AI SMART LINK」と命名されたそれは、ネックスピーカー然としたデザインで、先端にカメラを備え、日常のログを録ることもできる。スマホ（アプリ）と連携してクラウド・エッジの生成AIとリンクして使える。手が空いた状態で、日常的に持ち歩くデバイス、ということで、この形（首掛け式）になったそう。

　ブースの右奥には、「CEATEC AWARD 2025」にて「総務大臣賞」を受賞した、「LEO衛星通信ユーザー端末」の試作機も展示されていた。これは、低軌道（＝LEO）を周回するLEO衛星に対応したアンテナで、平面のアンテナの内部には、小さいアンテナが数百個敷き詰められており、電気的に向きを変えることができる（＝衛星を追尾する＝感度がアップする）のが特徴という。小型・軽量化できたので、山間部での通信や海上での通信、重機や農耕機に搭載しての、自動運転への応用が期待できるそう。

●MURATA／村田製作所

　村田製作所では、得意の電子デバイス技術を応用した展示を各種行なっていた。面白かったのは、積層構造による音響センサーを用いた「生体音響センサー」。2000Hz以下の低周波の測定に優れているそうで（振動を捉えるそう）、心音（心拍）や脈拍などのバイタルデータの測定に有効という。

　また、村田製作所が得意とする圧電センサーを使ったマイク「mask voice clip」も展示されていた（CEATEC AWARD2025受賞）。これは、クリップに圧電センサーが取り付けられているもので、マスクに着けて使うマイク（入力デバイス）となる。マスクをしたままで会話すると、マスクが振動し、その振動から声を拾うもので、一般的なマイクのように風の影響を受けにくいのが特徴。同社では、スマホの次の（入力）インターフェイスを考えていた際に、音声が有力候補になる　→　音声入力に必要なのはマイク　→　圧電センサーで声が拾える、という流れで、約1年の期間をかけて開発されたという。3年以内には実用化したいとのことだった。

JVCケンウッド

　JVCケンウッドでは、中国の家電ブランドLitheliとコラボしたポータブル電源を参考展示していた。写真のように2サイズがあり、特徴は宇宙船の小型ポットのように、ポータブル電源本体でモバイルバッテリーが充電できるところ。年明けには発売したい、とのこと。中国発の製品ということもあってか、側面にACコンセント、USB Type-A/Cポートに加え、昔の車には常備されていたシガーソケットも備えている。小型のモバイルバッテリーは、Litheliのバッテリーを使う家電製品では対応しているようで、スティック型掃除機やランタンなどで活用できるそう。

●CEATEC2025　公式サイト