ディーアンドエムホールディングスから、Bowers & Wilkinsのワイヤレスヘッドホンのニューフラッグシップ「Px8 S2」が発表された。価格はオープンで、想定市場価格は¥129,800前後。本日より発売となる。

 Px8 S2は、フラッグシップ「Px8」の後継として、すべてをアップデートするべく、ドライバーからデザイン、装着性、機能性にいたるまですべてをゼロから再設計して作り上げられたヘッドホンになるという。

 ドライバー(カーボンコーン・ドライブユニット)についてはPx8と同じ素材を使いつつも、歪みをさらに低減させるととともに、96/24のハイレゾ伝送(aptX Adaptive)に対応するように、解像感を極限まで引き出すような最適化が行なわれているという。写真のように、本Px8 S2ではドライバーはネジ止め式となり、カチッと固定できるになったことで、所期の性能を実現したということだ。DSP、DAC、アンプを独立して搭載しているのも注目だろう。

 デザイン面については春先に発売の「Px7 S3」と同様にイヤーカップ部の薄型化が図られており(容積は20%ダウンしているという)、スリムさとスタイリッシュさを両立した外観としている。また、往年の名機「P5」や「P7」のようにケーブルを露出させているのも特徴で、緩やかにカーブしたアームデザインとともに、レトロな雰囲気も感じられる仕上がりにまとめられている。薄型化したことで、ボタン配置も前モデルから変更されている。

2010年発売の「P5」

往年の名機も展示されていた

 ほか、8マイクによるアクティブノイズキャンセル(特に中域の除去能力を高めているという)、アプリ対応、独自の空間オーディオ技術に対応(後日アップデートにて実現)、最大30時間のバッテリー駆動時間、などのフィーチャーを備えている。

 さて、短時間ながら試聴できたので、その印象を記すと、謳い文句通り響きが豊かで繊細なサウンドが楽しめた。試聴時には空間オーディオ機能は働いていなかったが、結構広い音場感が楽しめたので、後日機能が使えるようになった際には、より音に包まれる感覚を味わえるようになるだろう。ただし重心は少し高めで、ANCをオンにすると下がってきてちょうどいい塩梅になるが、その分、高域の再現性や上方の空間が狭まって来るので悩みどころ。ANCオンがデフォルトの音作りのようだ。