ナスペックは、Playback Designs(プレイバックデザインズ)のD/Aコンバーター「MPD-8AI」(¥6,050,000、税込)を10月1日に発売する。

 MPD-8AIは、同ブランドDreamシリーズの「MPD-8」と同一の高性能回路を搭載しつつ、新たにアナログ入力機能を加えた上位モデルで、アナログ信号はデジタル変換を経由せず専用の高品位アナログボリュウムコントロールを通じて、直接アナログ出力に伝送される。

 これにより、MPD-8AIはデジタル入力だけでなくアナログ入力に対してもデジタルと同等の精度とていねいさで処理を行うことができるようになり、外部プリアンプを必要とせず、1台でシステムの中核を担えるようになった。

 またMPD-8AIでは、アナログ性能を最大限に引き出すために、不要な干渉を徹底的に排除・隔離した。左右の出力チャンネルは独立した回路基板および電源で構成されている。

 デジタル入力信号はすべて、独自のアルゴリズムでフィルタリング、クリーン化、処理され、高精度なDAC部への悪影響を未然に防いでいる。また、クロックジェネレーターにも細心の注意が払われ、外部からのノイズや干渉の影響を受けない設計となっている。

 さらにMPD-8AIは、独自の光ファイバーリンク「PLINK」によってトランスポートの「MPT-8」と接続も可能だ。PLINKは完全なガルバニック絶縁(電気的遮断)を実現しており、DACのアナログ回路をあらゆるデジタルノイズから守ってくれる。

 一般的なデジタルソースは、クロックジッター、非同期クロック(HDD、CPU、ディスプレイなど)などの影響を受けてしまい、これらが直接DACに接続されると、微細なノイズや信号の乱れがアナログ回路に悪影響を及ぼす恐れがあるという。MPT-8はデジタルソースを受け取り、クリーンアップ処理を施した後、PLINKを介してMPD-8AIに伝送してくれる。この高性能リンクにより、MPD-8AIは、ピュアで超高品位なアナログ変換に専念できる環境が整うというわけだ。

 もちろんMPD-8AIは、PLINKの他に汎用のデジタル入力も備えているので、他のデジタルソースとの直接接続にも対応できる。これらの入力は選択されていない場合は自動的に無効化され、非同期信号による影響を最小限に抑えている。

「MPD-8AI」の主なスペック

●接続端子:デジタル入力5系統(PLINK、同軸、光、AES、USBType-B)、アナログ入力2系統(XLR、RCA)、アナログ出力2系統(XLR、RCA)、他
●対応信号:
 USB=PCM 最大384kHz、DSD 最大11.2MHz(DSD256)
 AES/EBU=PCM 最大192kHz、DSD(DoP)
 同軸=PCM 最大192kHz、DSD(DoP)
 光=PCM 最大96kHz、PLINK=PCM 最大384kHz、DSD 最大11.2MHz
●寸法/質量:W460×H130×D430mm/19.0kg