昨日開催された「HARMAN ExPLORE TOKYO2025」では、JBL ラグジュアリーカテゴリーの新たなフラッグシップスピーカー、Summitシリーズが3モデル並んでいた。

 いずれも今年5月にドイツ・ミュンヘンで開催されたインターナショナルオーディオショウ「HIGH END Munich 2025」でお披露目されたもので、フロアー型の「Summit Makalu」(マカルー)、「Summit Pumori」(プモリ)とブックシェルフ型の「Summit Ama」(アマ)というラインナップだ。

左端が「Summit Makalu」、右端が「Summit Pumori」で、内側のスタント設置されているのが「Summit Ama」

 同社ではこのクラスのフラッグシップとして「Project EVEREST DD67000」「K2 S9900」を展開してきたが、これらについては6月末で受注を終了している。Summitシリーズはその伝統を受け継ぐ新たなラインナップであり、JBLのエンジニアリングとサウンドへの情熱を注ぎこんだ集大成と位置づけられている。

 このうちSummit Amaについては既に日本でもリリース済で、高域には38mmコンプレッションドライバー(D2815K)+ソノグラス製HDI(High-Definition Imaging)ホーンを、低域用に20cmコンポジットコーンウーファー(JW200SC)を搭載した2ウェイ・ブックシェルフ型になっている。価格は¥2,860,000(ペア、税込)で今年秋の発売予定という。

「Summit Ama」は38mmコンプレッションドライバーを搭載。ホーン下には実際の山の形をあしらったマークを配置する

 Summit Pumoriは、3ウェイ3スピーカーで、高域はAmaと同じく38mmコンプレッションドライバー+HDIホーンで、中域と低域用は20cmミッドレンジと25cmウーファーという構成だ。

 今回のトップモデルとなるSummit Makaluは、高域用が75mmコンプレッションドライバー(D2830K)+ソノグラス製HDIホーンになり、中域用にはSummit Pumori と同じ20cmミッドレンジ、低域用には30cmコンポジットコーンウーファーを採用している。

 3モデルに搭載されたコンプレッションドライバーはD2(dual-diaphragm, dual-motor)、ミッドレンジやウーファーはtriple-layer HC4(Hybrid Carbon Cellulose Composite Cone)とのことで、すべてSummitシリーズ用に新開発されたユニットという。スピーカーターミナルは3モデルともバイワイヤリング対応だ。

スピーカーターミナルは3モデルとも共通。写真は「Summit Pumori」のもので、山のマークが「Summit Ama」とは違っている

 エンクロージャーの仕上げはハイグロス・エボニー天然木突板仕上げで、コーナー部には面取り仕上げが施された優雅なフォルムとなっている。また、ホーンとスピーカーターミナル部分にあしらわれたマークが3モデルとも微妙に異なっているのも面白い。実は、それぞれのマークは型番の由来になった山の形をアレンジしているそうで、JBLのフラッグシップシリーズらしいこだわりといえるだろう。

 ところでJBLファンであれば、フラッグシップスピーカーに38cmウーファー搭載モデルがないことを物足りなく感じてしまうだろう。記者もその一人ではあるが、よくよく考えるとSummitシリーズは来年のブランド創立80周年を記念したラインナップでもあるし、今回の3モデルはエベレストを取り囲む山の名前を冠していることを考えると、次なるSummitシリーズも期待できそうだ。