アーク・ジョイアは、エストニアのスピーカーブランド、estelon(エステロン)の新製品「X Diamond MkII」(¥15,950,000、税込、ペア)を9月2日に発売する。標準仕上げの他に、特別仕上げも準備される(追加費用あり)。

 現行ラインナップ「XB Diamond MkII」の上位モデルで、キャビネットには同社独自開発のコンポジット素材を採用している。粉末状の大理石と樹脂を混合し鋳造成型することで実現した、継ぎ目や平行面のない流麗なフォルムも特徴だ。

 キャビネットは、フラッグシップモデル「Forza」と同様の新素材コンポジットによって構成されており、さらなる共振制御と高剛性を獲得。搭載されたドライバー・ユニットの潜在能力を最大限に引き出し、かつてない純度の音楽再生を可能にしている。

 平行面を排除し、内部構造にも緻密な曲面処理を施すことで、内部定在波の発生を極限まで抑制。さらに、多層コンポジット構造によって不要振動やキャビネット自体の共振を排除し、音の純度と静寂性を一層高めている。ドライバーユニットの配置も音響工学に基づいて最適化され、適切な内部チャンバー処理と相まって、製品が本来持つポテンシャルを余すことなく引き出すという。

 エンクロージャーはリアバスレフ方式を採用。ドイツ、Accuton製のウーファーユニットに対して背面側にひとつのバスレフポートを設け、理想的な空気の流れと適切な負荷を設計段階から徹底的に追求している。

 ツイーターとミッドレンジはそれぞれ独立したチャンバー構造に収められており、ウーファーからの物理的・音響的な干渉を受けることなく、その能力を存分に発揮できる。キャビネット内部には3箇所に補強リブを設け、さらに吸音材を最適に配置することで、ポートノイズを効果的に除去した。その結果、高い解像度を保ちながら、厚みと空気感のある低域再生を実現し、音像をホログラフィックに描き出すという。

 チューニング・アクセサリーの「ベースポート・フィン」も付属しており、これをバスレフポートに装着することで、ドライバー背圧による乱流を抑制し、キャビネット内外の空気流をスムーズに整えてくれる。ポートの共振周波数は数Hz低下し、ピークも数dB抑制されることで、より正確で制御された低域再生が可能になるとのことだ。

「X Diamond MkII」には8種類の標準色に加え、6種類の特別仕上げも準備されている。写真左は標準色のBlack Lava Liquid Glossで、右は特別色のWhite Matte

 搭載されたユニットはすべてThiel & Partner社のAccutonブランド製で、ツィーターには、25mmダイヤモンド・ドーム型を搭載。ダイアモンドが持つ剛性と軽量性により、最大60kHzの高域を、歪みなく正確に再現している。

 ミッドレンジには、逆ドーム型173mmセラミックウーファーを搭載。インパルス応答に優れ、全高調波歪み(THD)および相互変調歪み(IMD)がきわめて低いため、圧倒的な透明感を伴う中域再生が可能とのことだ。

 低域を受け持つウーファーは、逆ドーム型280mmセラミック・サンドイッチ構造ユニットを搭載。高い直線性を誇る振幅特性により、低周波数で波長の長い信号に対しても、正確な位相で再現できる。

「X Diamond MkⅡ」の主なスペック

●形式:3ウェイ3スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:280mmウーファー、173mmミッドレンジ、25mmドーム型ツイーター
●再生周波数特性:23Hz〜60kHz
●クロスオーバー周波数:77Hz、2kHz
●出力音圧レベル:87dB
●公称インピーダンス:6Ω
●寸法/質量:W450×H1370×D640mm/86kg