ノアから、オランダSiltech(シルテック)のフラッグシップとなる「Master Crown Series」が発売される。これまでの最上位モデル「RoyalTriple Crown」を更に進化させ、同社の技術と哲学を結集した真なるフラッグシップモデルだ。主なラインナップと税込価格は以下の通り。

Master Crown(S10+)
●ラインケーブル(XLR/RCA):¥6,380,000(1m)、¥8,250,000(1.5m)、¥10,120,000(2m)、¥11,990,000(2.5m)、¥13,860,000(3m)
●スピーカーケーブル(Yラグ):¥13,420,000(2m)¥15,675,000(2.5m)¥17,930,000(3m)

 同社の象徴ともいえる単結晶銀導体“S10”がより洗練され、コネクター設計、内部構造、使用素材のすべてが進化、これまで到達し得なかった領域にまで、音楽信号の純度とリアリズムを引き上げている。

 従来の製法で銀を導体素材として用いる場合、加工の過程でマイクロクラック(微細な亀裂)が生じることが避けられず、この微小な構造的欠陥が耐久性の劣化や音質の歪みを引き起こす要因となっていた。シルテックではこの問題を補うために、銀と純金の合金導体を開発、銀の高い導電性とマイクロクラックに流れ込む金の柔軟性を組み合わせることで、これまでにない音質向上を実現してきた。

 その技術を深化させ、導体の製造プロセスを根本から見直し、絶縁体を含めた全体構造の最適化を行うことで生まれたのが、第10世代となる新導体 “S10” という。静けさに満ちた音場、自然で色づけのない音でソースとシステム本来の魅力を引き出す、「音楽信号には何も足さず、何も引かず」を体現する導体となっている。

 新製品のMaster Crownケーブル全モデルの導体部にも、最新の単結晶銀導体 “S10+” を搭載。導体の精製プロセスを大幅に改良し、マイクロクラックを完全に排除して、より高い導電性、低歪み、低抵抗を実現した。銀という素材が本来持つポテンシャルを極限まで引き出し、信号の純度と安定性を飛躍的に高めている。

 インターコネクトケーブルには、革新的コネクター技術導体部からコネクターピンに至るすべての伝送経路に “S10+” を使用。コネクター部にはダイレクト・プラズマ方式により銀導体に直接金メッキを蒸着する。接点抵抗の大幅低減、電気伝導効率が向上し、伝送能力とサウンドパフォーマンスはこれまでにない領域へと進化するそうだ。

 またMaster Crownシリーズでは、新たにTrue Balancedスイッチを出力側に追加搭載、「Standard」と「True Balanced」のモードを簡単に切り替える事ができる。「TrueBalanced」モードは、XLRコネクターの1番ピン(GND)を内部的に切断、2番および3番ピンのみ(信号線)を接続する事で、フルバランス回路の機器同士の接続時に信号の不均衡から生じるわずかなタイミングエラーや位相の不一致を抑制している。

 スピーカーケーブルでは、“S10+” 導体の潜在力を極限まで引き出すHexagon構造を採用。導体を左右対称に配置しながら、テフロンやカプトンなどの高性能絶縁体を最適に配列することで、MFD(磁場歪み)とCSD(電流歪み)の影響を徹底的に排除している。

 さらにMaster Crownスピーカーケーブル用に新設計されたYラグコネクターの「SSP011」を搭載。Triple Crownで使用されていたSSP10を進化させたもので、コネクター本体から端子部に至るまで、すべて “S10+” で構成されている。