安価で気軽に使えることで人気のファーウェイの完全ワイヤレスイヤホン「FreeBuds SEシリーズ」の最新モデルとなる「HUAWEI FreeBuds SE 4 ANC」が登場した。SEシリーズ累計で1200万台突破のセールスを記録している人気モデルの特長を強化し、音質も向上。さらにANC(アクティブノイズキャンセル)機能も新たに採用するなど、大きく魅力を高めた注目の製品となる。ここでは、発売に先駆けてその実力を試したのでレポートしよう。

 まずは、「HUAWEI FreeBuds SE 4 ANC」の進化点を詳しく見ていこう。人気の長時間再生はイヤホン単体で10時間、ケース込みで50時間という長寿命を実現。また、10分間の充電で音楽を4時間再生可能という急速充電もサポートしている。音質と装着感の向上、そして新搭載のノイズキャンセル機能を十全に働かせるために、デザインは従来のインナーイヤー型からイヤーピースのついたカナル型へと変更されているが、それでいてイヤホン1個あたりの重さは4.3gという軽量設計となっている。軽量化を図りながらも10mmドライバーを強化し、高音質化も果たしている。Bluetooth規格は最新の5.4に対応、IP54レベルの防水防塵、そしてファーウェイならではの26項目におよぶ信頼性テストもパスするなど、ワイヤレスイヤホンとして、優れた性能を実現している。

ファーウェイ
完全ワイヤレスイヤホン
「HUAWEI FreeBuds SE 4 ANC」
オープン価格(実勢価格¥6,580)
2025年8月29日発売

●HUAWEI FreeBuds SE 4 ANCの主な仕様
タイプ:カナル型
通信規格:Bluetooth5.4
対応コーデック:SBC、AAC
ドライバー:10mm径ダイナミック型
連続音楽再生時間(ノイズキャンセル機能オフ):イヤホン単体 約10時間、充電ケース併用 約50時間
満充電時間:イヤホン単体 約60分、充電ケースのみ 約110分
充電方式:USB Type-C
通話ノイズリダクション:対応(片側3マイク+指向性集音アルゴリズム+DNNアルゴリズム+風切り音防止)
タッチコントロール:〇
イコライザー機能:〇
防水規格:IP54
質量:イヤホン単体 約4.3g、充電ケースのみ 約36g
付属品:クィックスタートガイド、イヤーチップ

▲カラーリングは「ホワイト」「ブラック」の2色を揃える

▲形状はスティック型で、新たにイヤーチップを備えたカナル型になったことで装着時の重量バランスもよく、長時間の使用でも快適に使えるようになっている

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 そして、肝心の新機能であるアクティブノイズキャンセル(ANC)についても紹介しよう。ノイズキャンセル技術はフィードバック+フィードフォワード方式を組み合わせたハイブリッド型で、すべての音域における平均ノイズキャンセルのレベル-24dBを達成している。暗騒音ノイズが多く含まれる低音域から人の声が含まれる中~高音域、そして人の声よりもさらに高い音域まで幅広い帯域をカバーし、どの帯域でも優れたノイズキャンセル性能を発揮するという。

 注目なのは、周囲の環境に応じてノイズキャンセル量を最適化した3つのモード「くつろぎ」「標準」「ウルトラ」を持ち、さらに、周囲のノイズ環境に合わせてその3つモードを自動的に切り替えてくれる「ダイナミック」モードも備えていること。あらかじめこの「ダイナミック」モードを選択しておけば、駅の構内などの混雑した騒音レベルの高い場所ではあらゆる帯域のノイズを下げてくれるし、屋外やショッピングモール、公園などでは快適に過ごせるようにバランスのとれたノイズ低減を行ない、図書館やオフィスなどの静かな場所では耳障りになりやすいエアコンの暗騒音やページをめくる音などを効果的に抑えつつ、全体のノイズ低減を軽くして音楽や作業に集中しやすくしてくれる。

▲ノイズコントロールは、「ノイズキャンセリング」「オフ」「外部音取り込み」の3種類を備える。ノイズキャンセリングは中央の写真のように4つのモードを持ち、「ダイナミック」を選ぶと、周囲の騒音に合わせて「くつろぎ」「標準」「ウルトラ」の3モードを自動的に切り替えてくれる

 また、イヤホンを装着したままでも周囲の音が聞き取れる「外部音取り込み」モードも備える。通話中や音楽を聞きながらでも、不快な騒音は抑えながら周囲の状況をしっかりと確認することができる。

 このほか、通話時のノイズキャンセルも強化。イヤホンの片側に備えるマイク数は3つとなり、指向性集音アルゴリズムを組み合わせることで、相手の声が聞き取りやすく、自分の声もはっきりと伝えることができる。風切り音対策もグレードアップし、サイクリングやジョギング時など、ボーボーといった風切り音が気になる環境でも快適に使えるようになっている。

 実売6,600円ほどの手頃の価格ながらも、かなり本格的なノイズキャンセル機能を搭載しているのは立派だし、機能的にも高価格帯に迫るものとなっている。

周囲の状況を的確に把握して、最適なノイキャン性能を発揮してくれる

 「HUAWEI FreeBuds SE 4 ANC」をお借りして、実際に試してみた。筆者の家は最寄りの駅から徒歩30分ほどの距離にあり、散歩にちょうどいいので、休日には駅前まで歩いて買い物などをしている。この歩き慣れたコースで「ダイナミック」モードを試してみることにした。

 音楽なしでノイズキャンセルをオンにすると、周囲の音がスーっと静かになる。もともと平日の昼間であまり人の多くない時間帯だが、ざわざわとした感じがなくなり、かなり静かな場所にいるような印象となる。付近を車が通る時も、ほんの数mの距離に迫って来るまで走行音に気づかないので、狭い道などではギョッとすることもある。ある意味、ノイズキャンセル効果が高いことの証明とも言えるが、車通りの多い路上で使う際は、周囲に注意することも必要だ。

 途中にある公園に立ち寄ってみると、そこにいる人や家族の声は聞こえるが、見た目の距離よりも遠くにいるような印象になる。耳につきやすい子供の声も距離が遠いのであまり気にならない。近くの図書館にも足を向けてみた。静かな場所ではあるが、エアコンの動作音のような暗騒音がしっかりと抑えられ、より静かな感覚になる。これは家の中にいるときも同様だが、室内ではエアコンや扇風機などは、静かなようでいて結構うるさいものだが、それらがスッと静かになるので、仕事や読書などにより集中できるだろう。自分の周囲の状況が確認できるように、耳障りにならない程度に環境音を残しているところは、好感が持てる。

 駅に着くと、人も増えるし、車などの数も増える。だが、いかにもガヤガヤした感じはなく、目を閉じてしまえば自分の周囲にはほとんど人がいないような印象になる。電車がやってくるときの音、電車内の走行音などは、低音が中心の暗騒音ノイズをしっかりと抑えるので、うるさい感じはほとんどない。ただし、上にも書いたように、騒音を完全には消さず、周囲の状況を確認できる程度の環境音を残してくれるのは便利。人の声についても同様で、近くにいる人の声はちょっと聞こえてしまうが、耳障りにはならない。

 散歩のあいだ、音楽を聴きながら、場所によっては音楽を停止してノイズキャンセルの効果を確認するように使ってみたが、ノイズキャンセルのおかげでずいぶんと静かで快適に過ごすことができた。使用環境に合わせて最適なノイズキャンセル効果を自動的に選択してくれる「ダイナミック」モードは実用的だし、日常的に気軽に使えるように作り込まれている。しかも7,000円を切る価格のモデルでこれだけの静けさが得られるのは、充分な魅力になると思う。

 「ダイナミック」モードについては、周囲のノイズの多い・少ない、大きい小さいでノイズキャンセルモードが変化するようだが、実際に使ってみると、ノイズ抑制量の違いはあまり感じなかった。しかし、さまざまな場所で使うと、その環境で耳につきやすい騒音を狙って的確抑えてくれるので、特に静かな環境の中での使用では、快適さが増すのを確かに感じられた。これを自動で切り替えてくれるのは便利だ。

 次は通話だ。普段ならば電話を控えてしまうような駅の構内で、あえて試してみた。相手の声はノイズキャンセルの効果もあり、ざわざわとした環境でもきちんと聞くことができた。相手に確認してみると、(僕が)駅にいることは分かるようだが、それで声が聞こえにくいということはなく、普通に会話できたとのこと。会話中に電車の到着があり、アナウンスや乗降する人々が行き交うような状況にもなったが、会話への影響はほとんどなかった。通話のしやすさという点では充分だと感じた。

低音から高音までバランスよく再現し、情報量も多く聴きやすいサウンド

 肝心の音質は自宅の防音された試聴室で聴いた。10mmのシングルドライバーという構成だが、低音は歯切れよくしっかりと鳴り、重低音域まで伸びる力強さもある。中高域もシャカシャカとうるさい感じにはならず自然なバランスだ。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の主題歌であるAmerの「太陽が昇らない世界」を聴くと、ハイテンションなリズムが力強く鳴るし、Amerのハスキーな声はしっかりと通り、声質もしっかり鮮明。低域もしっかりと再現してくれるので、後半へ行くに従ってさらにテンションを高めていく歌と演奏が充実感たっぷりに味わえるし、音の厚みもしっかりと感じられるのがよい。

 カナル型となった効果は大きく、しっかりとした装着感が得られ、歩いていてもずれるような不安がないのは使いやすい。微妙な音漏れが減るのか(密閉度が上がるのか)、低音だけでなく細かな音もきちんと聴こえてくるようになるなど、情報量が増えている感じがある。

 もう1つの主題歌であるLiSAの「残酷な夜に輝け」も、疾走感たっぷりに歌い上げる部分と、バラード調に情感を込めて歌っていく部分の歌唱の違いや、メロディの変化などもきちんと分かる。エントリーモデルながら、解像感や低音の鳴りっぷりのよさがあり、どんな曲にも合うバランスの取れた音に仕上がっていて、この聴き心地の良さが一番の魅力だと感じた。高域もしっかりと細かな音まで再現しつつ、過剰に強調されるような不自然さがないので耳疲れもしない。装着したままずっとさまざまな音楽を聴き続けていても、サウンドも装着感も快適!

もはや弱点はなし!? 気軽に使えるイヤホンとして最優秀クラス!!

 今では、完全ワイヤレスイヤホンも数千円から10万円近いモデルまで多彩にあり、中にはワイヤレスとは思えないような高音質さに驚くこともある。しかしながら、音質(高価格)にこだわったハイエンドモデルはなかなか気軽には使いにくいし、特に外出時だと不意に脱落したり、紛失してしまう心配もある。そうなるともっと安価で気軽に使えるモデルを選びたいが、コストなりの性能・機能差があって、音質が気になったり、ノイズキャンセル機能がないなどの不満も生まれがちなのだが、今回紹介したファーウェイの「HUAWEI FreeBuds SE 4 ANC」は、気軽に使える価格ながら、ノイズキャンセル機能も備え、音質にも不満はなし。もちろん、持ち歩くのに便利なコンパクトサイズで、長時間装着しっぱなしでも大丈夫な軽量設計で快適。いろいろと使ってみたが、あらゆる面で大きな満足感を得ることができた。

 手頃な価格でここまでの機能を盛り込み、音質も充分というのは立派だ。気軽にいつでもどこでも使える日常遣いのイヤホンの最有力候補になるだろう。

提供:ファーウェイ・ジャパン