光城精工(KOJO TECHNOLOGY)は、会社設立35周年を迎えることを記念して、35thアニバーサリ+Jtuneジェイチューンモデルとなる電源タップ「Platinum4-VP」、および「Platinum6-VP」を世界数量限定(各50台)にて9月5日に発売する(8月8日より予約受付開始)。価格は、Platinum4-VPが¥282,000(税込)、Platinum6-VPは¥396,000(税込)だ。
なお、先着各35台には、特典として専用チューニングされた電源ケーブル(非売品)が付属する。
同社ではここ数年、仮想アースに注力した製品を投入してきているが、本モデルでは、その仮想アース技術を応用した斬新で独創的なアイディアによって革新的な製品になった、と謳っている。
製品の特長
今回発表の2モデルは、これまでの電源タップには類を見ない切り口で企画開発されているそうで、ジョンがる隊長による監修が行なわれているそうだ。
従来の電源タップでは、各種使用部品への特殊素材採用や特殊メッキ、オリジナルの内部配線材採用などのほか、筐体の素材や加工手段によって剛性化に伴う振動対策によって音質がコントロールがされてきたが、今回のPlatinumシリーズでは、そうした項目を吟味しつつ、さらに新技術が導入されている、ということだ。
電源タップと言えば大電流を扱うアクセサリーであることから、これまではブスバー、ならびに純度(導電性)の高いケーブルや極太ケーブルが利用されてきたが、今回の製品ではそこにメスを入れ、プリント基板による電力供給の手法を選択。
一般的にプリント基板は厚さ35μm/幅10mmで10Aの許容と言われている中、Platinumシリーズでは厚さ140μm/幅37.5mmという、実に15倍にも及ぶ断面積で大容量化を実現。これは電源ケーブルの5.5SQスケア(5.5mm2)に相当するそう。
また、パターンレイアウトはインレットから各コンセントへストレート配線。アースライン(G)は電源のニュートラルライン(N)とライブライン(L)でサンドイッチされ、電源ライン間の静電シールドを形成している。
同社の仮想アースは、その電気工学的根拠のもと、オーディオ機材の基準となるアース(GND)を強化し、装置や内部回路の安定稼働を目的とするものとなっており、Platinumシリーズにもこの仮想アース技術が導入され、電源タップ内のGラインを強化すると共に、電源ラインにも応用されている。導入された仮想アース技術はアルミ電解コンデンサーの電極表面積によるもので、N/LラインおよびGラインには、出力コンセント毎にそれぞれ2個の電解コンデンサを配置。N/LラインおよびGラインは、いずれも46,000cm2(Platinum4-VP)と、広大な面積が確保されているそうだ。
結果、電源ラインの低インピーダンス化が図られ、よりスムーズな電力供給とノイズ抑制・耐量アップに大きく貢献しているという。同社では、これについて検証を行なっており、一般的な電力ケーブルとして使用されるKIV2.0(2SQ)に対し、PCBパターン+仮想アースでは、高周波になるに従いインピーダンスの低減が図られているそうだ。
Platinumシリーズ本体には、アース端子が装備されており、内部基板のGラインおよび外装ケースに接続、2極アース線付電源ケーブルのアース線接続先として有効活用できるのに加え、同社の仮想アースシリーズ(BOX型、スティック型)を接続してシステムのアース(GND)を強化することが可能。
また、出力コンセントに空きがある場合、コンセントプラグ型仮想アース「Crystal Eop-G」を接続し強化することも可能。
そして、振動対策の一環としてPlatinumシリーズにはM.I.S.(メカニカル・アイソレーション・システム)が採用されていて、トップカバー、メインボディ、ボトムカバーの他、内部にはサブシャーシが設けられている。サブシャーシにはインレットやコンセント、電力供給を担うプリント基板のほか、すべての部品が取り付けられている。このユニット化されたサブシャーシはトップカバーに吊り下げられた構造となっており、その連結部には制振ワッシャとなるM2052を採用。外部(床など)から受ける振動を抑制している。
そうした構造から、サブシャーシユニットは連結部を除き、すべての機構から完全にアイソレートされている。
また、Platinumシリーズの筐体はすべて金属で構成されており、高い剛性や堅牢性も保持。トップカバーとボトムカバーは肉厚のアルミプレートを削り出しし、高い剛性のもと堅牢性を維持している。そして、ボディには比重の高いスチールが採用され、設置時の安定感も持たせている。
ほか、ボディとボトムカバー内面には高い制振性で知られるハネナイトが採用され、振動抑制に細心の注意が図られているし、サブシャーシにはM.I.S.構造に耐えられるようステンレス鋼が使われている。
そうした仕様にて構成される筐体は、高いシールド効果も保有し、それらは静電シールドおよび電磁シールドとしても作用ということだ。
電源タップは、電源の分配機能という面から高電圧、大電流を扱うことになり、すると、電圧あるところには静電誘導、電流流れるところに電磁誘導が発生するが、すべてが金属で構成されるPlatinumシリーズなら、高いシールド性能をもってノイズ抑制効果を発揮すると謳っている。
Platinumシリーズにはさらに、磁気シールド作用も保持している。50/60Hzで供給される電源は極低周波と言われ、電磁誘導によって磁界を発生させているが、この極低周波においては磁性体である必要があるそうで、ボディ部分に採用したスチール材によって、静電、電磁シールドと共に磁気シールドの役割も担っているということだ。
また、サブシャーシに採用されたステンレス材は、クロムが含有されたフェライト系ステンレス鋼素材となっており、これは磁性体であることから、ボトム面を除く5方向に対して磁気シールド作用が機能する、としている。
光城精工では、オーディオにおいて邪魔者扱いされがちな磁性体を、絶妙なバランスをもって利用することで、今回のブレークスルーを生みだした、としている。
さらに、各パーツ群には高性能品を採用しており、まず、インレットには銅合金錫メッキ、コンセントには銅合金ニッケルメッキを採用。インレットはプリント基板直付けとなることから、繰り返し行なわれる電源ケーブルの挿抜において、機械的な負荷が加わるが、Platinumシリーズではインレットがサブシャーシにもネジ止めされており、さらに強固なものとなっている。コンセントには、医療関連で定評高い明工社製ホスピタルグレードを採用することで、プラグ挿入時のホールド性を高め、安定した接続と低接触抵抗を持った仕様としている。
アルミ電解コンデンサーには、導体表面積の拡大(仮想アース技術)を担うことから、同社では初となるSMT(表面実装)タイプを採用。リード配線を極短化することで、高周波におけるインダクタンス成分の増加を抑制しているそうだ。
インシュレーターには、専用品が準備装備(付属)。富士山をモチーフにデザインされたそうで、山頂部がボトムカバーとの接触面を低減。底面には制振シートのハネナイトが採用されており、電源タップ本体に伝達される床面からの振動を抑制してくれるようになっている(インシュレーターは4点止め、または3点止めが可能)。
コンセント数は、型番から分かるように、Platinum4-VPは4口、Platinum6-VPは6口を搭載。システムの大小に応じて、選べるようになっている。なお、さまざまな製品(ACアダプター)を使用できるように、コンセントの配置(間隔)は、十分広く設けられている。
デザインについては、シリーズ名のPlatinum=プラチナから想起される「高級」「純粋」「洗練」を感じられる、キラリと光る意匠で、トップカバーにはブランド名のみをレーザ刻印するなどシンプルなものに。そして、トップカバーおよびボトムカバーの表面処理は、サンドブラスト加工にアルマイト処理が施されており、嫌みのない落ち着きがシンプルでありながら優美さを兼ね備え、ボディはクールグレイと称されるホワイト系梨地マット色で塗装され、純粋さを醸し出している。
なお、振動抑制のために本体隅に設けられた専用インシュレーターもまた、本体の安定性を向上させると共にデザイン的な安定性をもたらしている。
製品の主な仕様
入出力
電圧:AC100V(定格AC125V)
周波数:50/60Hz
容量:1,500VA
相数:単相アース付き
ライン 導体表面積(typ.)
N/L:46,000cm2(Platinum4-VP)、69,000cm2(Platinum6-VP)
GND:46,000cm2(Platinum4-VP)、81,000cm2(Platinum6-VP)
絶縁耐圧:AC1,500V 1分間
絶縁抵抗:DC500V 100MΩ以上
インレット:3Pインレット(IEC60320 C14)
コンセント:3Pコンセント(NEMA5-15R)×4口(Platinum4-VP)、3Pコンセント(NEMA5-15R)×6口(Platinum6-VP)
外形(アース端子含まず):W90×H63.8×D326mm(Platinum4-VP)、W90×H63.8×D489mm(Platinum6-VP)
質量:Approx.2.3kg(Platinum4-VP)、Approx.3.3kg(Platinum6-VP)
付属品:User Manual / Warranty Certificate