本日(6月25日)発売された、eeroのメッシュWiFiシステム「eero Pro 7」をいち早く取材することができたので、ファーストインプレッションをお届けしたい。
まず、今回発売されたのはWiFi 7対応の新製品2モデルで、それに合わせて既発売の3モデルも値下げされている。
●メッシュWiFiシステム
eero 7 ¥19,800(1ユニット)、¥27,800(2ユニット)、¥39,800(3ユニット)
eero Pro 7 ¥44,800(1ユニット)、¥75,800(2ユニット)、¥99,800(3ユニット)
eero 6+ ¥15,800(1ユニット)、¥27,800(2ユニット)、¥39,800(3ユニット)
eero Pro 6E ¥34,800(1ユニット)、¥58,800(2ユニット)、¥79,800(3ユニット)
eero Max 7 ¥89,800(1ユニット)
「eero Pro 7」はW147×H180×D79mmと比較的コンパクト。このサイズで約200台のデバイスが接続可能とか
今回借用したPro 7は2.4/5/6GHzのトライバンドに対応したモデルで、状況に応じて最適なネットワークを自動的に選択してくれる。本体にはふたつの5GbEポートを備え、最大3.9Gbpsの無線速度と4.7Gbpsの有線速度に対応、200台のデバイスが同時に接続可能とのことだ。
本体サイズはW147×H180×D79mmで、外観は先行発売されたMax 7と同じ。並べるとまさに “相似形” になっている。この白を基調にし、曲線を生かしたデザインがeeroの特長でもあり、“リビングの見える場所に置けるWiFiルーター” となっている。
Pro 7(左)とMax7(右)
実際、先日自宅のネット環境をドコモ光10ギガにアップグレードした際に、ONU(光回線終端装置)とルーターの「XG-100NE」がいわゆる事務的な黒い箱だったため、家内から “どこかに隠して” という指示があり、テレビの後ろに設置している。一方でMax 7はプリンター横の目に付く場所に置いてみたんだけど、こちらについては何も言われることがなく、リビングのアイテムのひとつとして認められた模様だ。
WiFiルーターはどうしても棚の中などにしまい込みがちだが、無線伝送ということを考えると障害物が少ないに越したことはない。その意味でも、見える場所に出しておけるWiFiルーターという提案には意味があるわけだ。しかもPro 7はMax 7同様にファンレスの冷却システムを搭載しているので、ノイズが耳につくこともない。
Pro 7の背面にあるふたつのポートは、どちらも5GbE対応
まず、Pro 7を通常のWiFiルーターとして使ってみる。わが家ではドコモ光10ギガの導入に合わせて、10Gbpsに対応したWiFiルーターとしてeero Max 7を導入した。その状態では、WiFi 6E対応のMacBook Air(M4)との組み合わせでは『下り880〜890Mbps/上り190〜200Mbps』の通信速度を実現できている。
XG-100NEのLANポートにPro7を接続し、WiFiルーターとして使う。eeroアプリからPro 7を新規に追加し、MacBook Air(M4)がPro 7につながっていることを確認して通信速度を測定してみる。結果は『下り430〜450Mbps/上り130〜150Mbps』というものだった。
そもそも、Max 7は10GbE、Pro 7は5GbE対応という違いがある。とはいえ通信速度としてはPro 7はMax 7のほぼ半分を実現しており、これだけあればデータダウンロードはもちろん、オンラインゲームでも不満を感じることはなさそうだ。Pro 7はWiFiルーターとしても充分なスペックを備えているのは間違いない。
Pro 7とMacBook Air(M4)の組み合わせで通信速度を測ってみた
さてもうひとつ、eeroシステムはメッシュWiFiシステムを手軽に構築できるという点も大きな特長だ。これまでも我が家ではコントローラー(WiFiルーター)にMax 7を、エージェント(中継機)にPro 6Eを使ってホームシアター用のメッシュシステムを組んでいた。
というのも、XG-100NEからAVラックまでは4mほど離れており、そのため以前はAVラックに設置したAmazon Fire TV cubeやApple TVはWiFiでインターネットにつないでいた。しかしこれら再生デバイスの無線機能は使いたくないという個人的な思いもあって、Pro 6Eをエージェントとして設置、そのLANポートに再生デバイスを有線でつないでいたわけ。
Pro 6Eは型番の通りWiFi 6Eモデルで、新製品のPro 7はWiFi 7に対応済み。ということはPro 7をエージェントにするとMax 7との間はWiFi 7で接続される可能性があるわけで、メッシュでの通信状況も改善されるのでは?
Pro 7をメッシュWiFiのエージェントに設定し、Fire TV cubeとApple TVをつないでみた
Pro 7を一旦システムから切り離し、Pro 6Eと入れ替えてみる。なおこの設定もeeroアプリから簡単に可能で、5分もかからずに変更作業が完了した。
エージェントに有線接続したFire TV cubeのSILKアプリを使って速度測定サイトで通信速度を測ってみる。が、Pro 6E/Pro 7のどちらも『下り90〜100Mbps/上り90〜100Mbps』という結果で、特に違いはなかった。有線接続をメインにしたエージェントとしてはPro 6Eでも充分かもしれない(なかなか考えにくい使い方ですが)。
Pro 7につないだFire TV cubeで通信速度を測ってみた。この状態ではPro 6Eとほぼ同等だった
ただ、メッシュWiFiの場合はどのデバイスが、どのWiFiルーターにつながっているかはわからないわけで、コントローラーがWiFi 7対応、エージェントがWiFi 6Eという組み合わせでは、自宅のどこで作業をしているかで通信状況が変わってしまう可能性もある。
その意味では、メッシュシステムではコントローラーとエージェントのスペックは揃っているに越したことはないわけで、Max 7とPro 7(もしくはeero 7)という組み合わせはなかなか魅力的ではないだろうか。
機材の入れ替えや各種設定はeeroアプリから行う。Pro 6EとPro 7の入れ替えもひじょうに簡単だった
実はネットワーク環境を更新してから調子に乗って(?)、MacBook Air(M4)とiPhon16を導入してしまい、快適な無線環境を満喫している。でも、Pro 7のような製品に触れてしまうと、いっそ全部WiFi 7にしてしまったほうがいいのかな? なんて誘惑も出てくるわけで、WiFi迷路にはまってしまいそうな今日この頃なのです。(取材・文・撮影:泉 哲也)