26日に公開される映画『F1/エフワン』の試写会に参加するため、グランドサンシャイン池袋のIMAXシアターに出かけた。
プロデューサーはジェリー・ブラッカイマー、監督はジョセフ・コシンスキーという『トップガン マーヴェリック』コンビで、製作予算もとびっきり。シルバーストーンを始め、ラスベガス、アブダビと世界各地のサーキットで繰り広げられるリアルなレースシーンには誰しも驚かされることだろう。
F-1という競技は、たいへんな資金力を必要とするモータースポーツである。しかも現在年間24戦という、とんでもない数をこなす。競技時間は90分程度だが、平均時速200km以上の中ですべてをかけて戦う過酷なレースだ。映画『F1/エフワン』はそうした表舞台と、その裏にある人間模様を描いている。
ブラッド・ピット演じる伝説の元F-1レーサー、ソニー・ヘイズが、長年のブランクの後、エイペックスという下位を低迷するチームに復帰する。そこではダムソン・イドリス演じる鼻っ柱の強い新人ドライバー、ジョシュア・ピアスとペアを組むことになるが、チームメイトながらライバルでもある二人はぶつかり合う。そうした軋轢を乗り越え、最後にはチームに光が当たるスポコン物語だ。
最近では2023年に公開された『グランツーリスモ』や2019年の『フォードVSフェラーリ』、少し遡ると2013年の『ラッシュ』など、モータースポーツを描いた作品はかなりあるが、いずれも疾走感にあふれた作りがなされ、音響制作においても、エキゾーストノートをフィーチャーした高揚感あふれる仕上がりにファンは魅了されてきた。本作もその魅力は充分だろう。
友人の片山右京さんがその昔、F-1レース中の精神状態について、ライバルたちと覇を競って佳境に入ると、カラーだった視界がモノクロになり、いつしかスローモーションに変わると話してくれたことがある。まさに同じセリフがこの映画からも聞けたことには驚いた。一握りのトップドライバーはみんな、こうした状況の中でレースを展開しているのだなと、改めて感じ入ったし、本作はそうした側面がよく描かれている。
IMAXシアターなのでシーンの途中で画角が変化するだろうと予測していたが、意外にも全編IMAXアスペクトで、その分映像に没入できた。音響は劇場の特性にもよると思うが、低音域がややふくらみ気味でダイアローグもいくぶん硬質に感じるものの、レースシーンではドップラー効果を最大限に演出した重低音がサブウーファーを通して体に響いてくる。
冒頭から、レッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛」が大音量で鳴るように、音楽の扱いも大胆だ。お話はいくぶん出来過ぎの感もあるが、起承転結がありハッピーエンドで終わる後味のいい作品だ。カーレースファンなら、ぜひ劇場に足を運んで、その醍醐味を体感して欲しい。
6月25日、26日に、ブラピが≪超高速≫来日決定。舞台挨拶も開催予定
先日NYで行われた本作のワールドプレミアでの会見時、ブラッド・ピットは「日本のみなさん、また日本に行ける日を楽しみにしています！」とコメントしていた。この度、まさにそんなブラッドの希望が実現する。発表から約24時間後には来日するという、F1マシン並みに≪超高速≫なブラッド・ピット史上最速来日が実現！6月25日（水）と26日（木）に都内劇場で実施する特別上映で舞台挨拶に登壇予定だ。チケットは24日正午に発売予定。詳細は映画公式HPで確認ください。
【公開直前！舞台挨拶付き特別上映】
丸の内ピカデリー シアター2 ●日時：6月25日（水）13:05の回上映後
グランドシネマサンシャイン池袋IMAXシアター ●日時：6月26日（木）14:10の回上映後
丸の内ピカデリーDolby Cinema ●日時：6月26日（木）19:00の回上映前
※登壇者は予告なく変更になる場合があります。
映画『F1/エフワン』（6月27日公開）
●監督：ジョセフ・コシンスキー
●プロデューサー：ジェリー・ブラッカイマー
●脚本：アーレン・クルーガー
●出演：ブラッド・ピット/ダムソン・イドリス、ケリー・コンドン/ハビエル・バルデム
●配給：ワーナー・ブラザース映画
＜ストーリー＞かつて“天才”と呼ばれた伝説のF1レーサー、ソニー（ブラッド・ピット）が、再びサーキットに戻ってきた。誰よりもレースの過酷さを知る男が現役復帰を果たした先は、どん底の最弱チーム。しかし、型にとらわれないソニーの振る舞いに、自信家のルーキードライバー・ジョシュア（ダムソン・イドリス）やチームメイトたちは困惑し、度々衝突を繰り返す。バラバラのチーム、そして、最強のライバルたち。敗北が濃厚となる中、ソニーの“常識破りの作戦”が最弱チームを導いていく——！果たして彼らは、その無謀とも言える賭けで逆転できるのかそれぞれの情熱と誇りを胸に、命がけで夢＜スピードの頂点＞へ挑む！
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