アンカー・ジャパンは5月22日都内で、同社の取り組みや新製品を一堂に発表する恒例のイベント「「Anker Power Conference 2025 Spring」を開催。別稿で紹介しているように、昨年一年の活動の結果や今後の取り組み、これから発売する新製品を一堂に集めた賑やかな催しとなっていた。ここではその中から、完全ワイヤレスイヤホンの新製品「Soundcore Liberty 5」を紹介したい。5月22日より発売開始で、価格は¥14,990(税込)。
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アンカーの完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty 4」シリーズ(2022年10月発売)は、発売以後いくつかのラインナップを揃えながら、国内ではシリーズ累計で150万台もの売り上げを達成するなど、大きな人気を博したという。今回の新製品Soundcore Liberty 5はまさにその後継となるもので、特徴は大きく2つ。1つは、さらに進化したノイズキャンセル(ウルトラノイズキャンセリング)。そのverは前モデルの「2.0」から「3.5」となり、内蔵センサーは秒180回、周囲の騒音を検知し、リアルタイムで静音化を行なってくれるという。
もう一つが音質。前モデルのユーザーからの反応では、高域が刺さるという声が多かったそうで、音質のバランス(低域~高域)を見直すとともに柔らかい音を出すために、振動板の素材にウールペーパーを採用。これはかつて採用機があったそうで、久々の登場になるという。口径は同じ9.2mmながら、4では9.2mmと6mmのデュアル仕様であったものが、本5では筐体内部のスペースの関係もあり、シングルドライバー仕様へと変更。ドライバーには主に中高域を受け持たせ、低音については、スピーカーで行なわれているバスレフ構造を適用。内部に設けられた2本のダクトによって低音を増強する仕組みとしている。
その他ではLDACコーデックのサポート、ドルビーオーディオへの対応も挙げられる。ドルビーにつてはアプリの対応で、モードは「音楽モード」「Podcastモード」「ムービーモード」の3種類を備える。
アプリ画面。ドルビーオーディオは3種類のモードがある(中央)。LDACは2回のアプデ後に使えるようになった(右)
その他では、再生時間はイヤホンのみで最大12時間(ANCオフ)、ケース併用で最大48時間(同)、マルチポイント対応(同時2台)となる。
さて、短時間ではあるが製品の試聴ができたので簡潔に紹介したい。音質については新しい振動板の特性が優勢なようで、全体的に穏やかで優しいサウンドとなっていた。これで、ユーザーから多く挙がっていた“刺さる”という部分は大幅に解消されているように感じた。ノイズキャンセルオフでは、ダクトによる低音の増強もほどよく、低域から高域までバランスもよく聴かせてくれる。音像もおでこのあたりに定まり良好なもの。ボーカルと曲の音量は同じぐらいで、細かい音の再現はもう一歩ほしい。
ノイズキャンセルの効果については、結構周囲の騒音を消してくれて良好。ちょうど隣家で工事が始まったこともあり(重機で地面を掘り返している)、その騒音を綺麗に消してくれた。一方でラジオの音声は消え気味なので、電車内でのアナウンスが聞き取れるかは不明。音質への影響は、高域が少し減り、音の空間も上側が狭まる印象。低音はかなり強くなるが、近年の風潮に即せばいいのかもしれない。
ドルビーオーディオの効果は、音楽モードでは曲の音量が大きく、Podcastモードでは逆に小さく(声が聞きやすくなる)、映画モードではサラウンド感を付与しているようで、声(セリフ)に少しエコーっぽさがかかるが、しばらく見て(聞いて)いれば慣れると思う。
※追記 LDAC使用時の注意点
釈迦に説法になるかもしれないが、本Soundcore Liberty 5は、Soundcoreアプリがないと、LDACコーデックでの再生はできないので注意したい。LDACに対応したスマホ、あるいはDAP(デジタルオーディオプレーヤー)であっても、Soundcoreアプリが入っていないとLDACは使えない、ということだ。昔のモデルのように、アプリでLDACをオンにすれば、以後他の機器でLDAC接続ができる、ということもない。専用OSを使っているDAP(アプリの追加ができない)ユーザーは、LDACでの接続ができないので注意したい。