ノアでは、イタリア、Sonus faber(ソナス・ファベール)の新製品スピーカー「Concertino G4」シリーズを発表した。発売は2月14日(金)で、ラインナップは以下の通り。
Concertino G4 Maestro Edition ¥814,000(税込、ペア)
Concertino G4 ¥759,000(税込、ペア)
Stand Iron G2 ¥242,000(税込、ペア、専用スタンド)
オリジナルの「Concertino」は、美しいレザーと天然木のサイドパネルの組み合わせが特長のブックシェルフスピーカーで、1994 年に登場した。その後も、「Concertino Home」や「Concertino Domus」といったアイデンティティを継承したモデルが登場し、世界中のオーディオファイルから愛されてきた。
Concertino G4シリーズはその第4世代で、伝統的なデザイン・コンセプトを踏襲しながら、フラッグシップモデル「Suprema」の開発時に得た技術を基に導き出した理想的なキャビネット構造を採用している。美しいナチュラル・サウンドとクラシカルな意匠は、熟練職人による “Handmade In Italy” によって生まれ、ミニマルなブックシェルフ型の魅力が詰まった作品となっている。
さらにオリジナル機の登場から30周年を記念し、世界300ペア限定(日本国内30ペア限定)の「Maestro Edition」も同時発売される。オリジナルモデルとの違いは、サイドパネルの片側側面にシリアル番号が印字された真鍮製のプレートを備えていることと、伝統的なソフトグランド・エッチングによって生み出されるConcertino G4の版画が付属していることだ。
キャビネットは、フロントバッフルを傾斜させる事で高域と中低域のタイム・アライメントを図りながら、前後のキャビネットの平行面をなくし、定在波の低減させている。さらにキャビネットの側面にはウォールナットの無垢材を使用、不要振動を抑制させながら天然木が持つ本来のサウンドを再生する。
さらに最新モデルの開発時に得た知見とデータを基に、今までにないアプローチを採用。キャビネット天面から背面、底面にかけてコルクを使用している。コルクは柔軟性と成形性に優れている事で、従来の素材では生み出せない形状の作成が可能になり、コンピュータ解析を使用して導き出した、キャビネット内部の共振と定在波を最小限にするための有機的な形状の制作も実現できるそうだ。
使用するコルクを厚く堅牢な構造にしているだけでなく、内部に配したスチール製のブレーシング材も併用し、キャビネットとして高い剛性も獲得している。コルクには素材自体に共振が少なく、優れた吸音特性も備えているため、キャビネット内部の吸音材を最低限に抑えられ、キャビネットの応答性を高める事が可能となっている。
バスレフポートはリアに設けられており、ドライバーユニットの背圧がキャビネット背面に排出される事で、低域成分の補完、音場豊かな再現性に寄与している。バスレフポートの排出部には、剛性の高い無垢のウォルナット材を採用。聴き心地がいいだけでなく、ダイナミックなサウンドの再生も可能とした。
ウーファーには、不要な振動を最適に分散させるOrganic Basket(オーガニック・バスケット)を採用。コンピューターを駆使したF.E.M(Finite Element Method=有限要素法)に基づく構造解析により開発された有機的でユニークな形状の非対称バスケットで、ダイアフラムの動作により生じる振動を効果的に分散させ、共振が発生しない設計となっている。
ダイアフラムの背圧により発生する空気の流れを阻害しない形状も考慮されており、振幅のスムースさと可動域が大幅に改善、バスレフポートからはクリアーで歪みのないサウンドが排出されるそうだ。
ツイーターには、独自のアローポイントDAD(Damped Apex Dome)テクノロジーを採用した28mmソフトシルクドーム型を搭載。ソフトドームの頂点をダンピングさせることでボイスコイルの逆相挙動を抑制し、音場の広がり音の透明度を向上させるという、
クロスオーバーネットワークも新開発された。厳選されたパーツを採用しながら、進化を遂げたネットワーク設計により、ドライバーユニットを正確な位相で駆動させながら、ホログラフィックなステージ感を再現している。スピーカー端子はバイワイヤリング対応で、システムに合わせた自在なセッティングが可能。
キャビネットのレザーには、イタリアのスタートアップ企業Ohoskin製の特許取得済み新開発レザーを採用。シチリア産オレンジやウチワサボテンを主とした5つの異なる組成を有しながら、化石燃料を使用せずに生産をしている。
Concertino G4のために開発した「Stand Iron G2」は、従来の「Stand Iron」同様に、鉄製のスタンドを採用。床からの振動の影響が受けづらい剛性と安定性の高さを有している。スタンド側面の木部はウォルナット突板仕上げで、無機質な鉄と有機的な天然木との組み合わせにより、スピーカーとマッチングがとれ、洗練された佇まいを実現する。
「Concertino G4」の主なスペック
●形式:2ウェイ2スピーカー、バスレフ型
●使用ドライバー:28mmアローポイントDAD シルク・ソフトドーム型ツイーター、135mmコーン型ウーファー
●再生周波数帯域:60Hz〜25kHz
●出力音圧レベル:85dB SPL(2.83V/1m)
●インピーダンス:4Ω
●クロスオーバー周波数:1,700Hz
●寸法/質量:W214mm×D297mm×H314mm/6.6kg(本体部、突起部含む)