吉祥寺のJAZZカフェ喫茶&ライブハウス「音吉!MEG」で、エバーソロ&ジドゥのストリーマー4モデルを一度に体験できるイベントが開催された。「音吉!MEG」は、オーディオファン垂涎の豪華機器を備えた空間で、アナログからCD、そしてハイレゾのそれぞれにこだわったサウンドつくりをしている。
ここでは毎月、オーディオ好きが集まって気になる製品の音を体験する「オーディオ愛好会」と題したイベントを開催している。その1月のテーマが、エバーソロ&ジドゥだったわけだ。今回は以下の製品が持ち込まれ、プリアンプのコードUltima Pre 3に入力、パワーアンプUltima 6でモスキートネオのスピーカーをドライブしている。
●当日の試聴製品
エバーソロ DMP-A6ME(¥193,600、税込、写真上)、DMP-A8(¥363,300、税込、写真下)
DMP-A10(¥825,000、3月31日までキャンペーン価格¥770,000で販売。どちらも税込)
ジドゥ UHD8000(¥330,000、税込)
試聴会は夕方19時からスタート。製品の解説や進行は輸入元であるブライトーンの福林羊一さんが担当した。福林さんはそれぞれの製品の特長を紹介しながら、お薦めの楽曲を順番に紹介してくれた。なお試聴会の参加者はネットワークオーディオ愛好家が多いとのことで、イベントでも主にハイレゾファイルやストリーミング音源をチェックしている。
上に書いた通り、今回はコードのプリ&パワーアンプにつないでいるので、エバーソロとジドゥの出力はXLRアナログバランス出力に設定し、ボリュウム機能もパススルーに設定している。つまり全モデルとも純粋なネットワークプレーヤーとして使っていることになる。
ちなみにストリーミング再生などの操作は「Eveesolo Control」や「Zidoo Control」アプリを使った。ただし、「音吉!MEG」ではリファレンスとして「Jazz at the Pawnshop/Limehouse Blues」を聞くことが多いとかで、この音源は全モデル共通で再生している。その操作はRoonアプリで行っており、ここについてはオーナー/店長である柳本信一さんが担当してくれた。
福林さんから再生環境やアプリでの設定内容について説明があった後、DMP-A6ME、DMP-A8、DMP-A10の順番で試聴が進んでいった。再生した楽曲もホリー・コールやアレサ・フランクリン、ビートルズ、ダイアー・ストレイツなど実に盛りだくさんで、来場者も各モデルの特長を聞き取ろうと熱心に耳を傾けているのがよくわかった。
さすが熱心なオーディオファンの集まりだと感じたのは、お客さんから各モデルがどんなDACチップを搭載しているかについての質問があったことだ。アナログ出力の音を聞いているのだから、D/A変換にどんなパーツを使っているかが重要(再生音に違いがある)だということをほぼ全員が認識しているというのは、実はとても珍しいのではないだろうか。
福林さんの説明では、DMP-A6MEはESSのES9038Q2Mをデュアルで搭載、DMP-A8はAKMのAK4499EXとAK4191EQを使ったDAC回路とのこと。トップモデルのDMP-A10にはESSの最新世代ES9039PROが採用されている。この違いは、開発時点で最良の音を求めた結果とのことだ。ジドゥのUHD8000も2chアナログ出力を備えており、こちらにはESSのES9069Qが使われている。
もうひとつ来場者の関心を集めていたのは、各モデルがSSD/HDDの拡張スロットを備えており、ユーザーが自分でストレージを追加できることだった。ここに音楽データを保存すればスタンドアローンで音楽ファイルを再生できるので、システムもシンプルに構築できることになる。DMP-A6MEとDMP-A8には最大4TバイトのSSDが、DMP-A10は同じく最大4TバイトのSSDが2枚取り付け可能。UHD8000はふたつのHDDスロットが準備されており、各16Tバイト、合計32Tバイトまで搭載可能だ。
その後、DMP-A10に搭載されたルームコレクション機能も紹介され、こちらについても細かい質問が寄せられていた。その中でDMP-A8がファームウェアアップデートでこの機能に対応することが紹介されると、会場に来ていたDMP-A8のユーザーからぜひ試してみたいとの声があがっていた。
なおここまでの試聴では通常のLAN(RJ45)ケーブルを使っている。DMP-A10には光LAN用のSFPポートも搭載されているので、RJ45とSFPでの音の違いを確認したいというリクエストもあったが、今回は接続の関係で実現できていない。店長の柳本さんからは、後日リベンジしましょうという提案が出ていた。
最後にジドゥのUHD8000の試聴も行われた。UHD8000はイマーシブオーディオの配信に対応しているが、今回は他のモデルと同じ条件としてXLRアナログバランス出力を使っている。来場者の中には空間オーディオにも興味を持っている方もおり、具体的な再生方法(AVアンプとの接続方法やアプリの設定手順など)についても細かい質問が飛んでいた。
19時にスタートした試聴会だったが、一通りのプログラムが終了したのは21時半近かった。それでも会場には多くの参加者が残り、それぞれ楽しそうにオーディオ談義に花を咲かせたり、福林さんや柳本さんに質問をしていた。
先に書いた通り「音吉!MEG」では毎月このようなオーディオイベントを開催しており、2月にはKEFスピーカーの試聴会を予定している。興味のある方は同店のサイトで確認していただきたい。予約等は必要なく、当日お店に行って飲み物と食事をオーダーすればいい。ちなみに今回はスタート30分前には席が埋まっていたので、少し早めに来場した方がよさそうです。(取材・文:泉 哲也)