PDNは、トーレンスの伝説的なモデルであるレコードプレーヤー「TD124」を、DDモーターの採用をはじめ、現代の技術でリファインし復活させ、「TD124DD」として2月15日に発売する。価格は¥1,980,000(税込、特許・電動トーンアーム・リフター付き)。

 1957年に発表されたオリジナルのTD124は、世界中の無数の放送スタジオで採用され、何十年もの間使用されるなど、人気を博した製品。新生トーレンスでは今回、そんなブランド史上最も伝説的なターンテーブルのひとつに対し、現代の技術を惜しみなく投入して「TD124DD」として復活させた。

 新生TD124DDでは、アイドラーとベルトを備えたオリジナルのドライブの代わりに、Delrinベアリング・ミラーを備えた新開発のトーレンス12極高精度ダイレクトドライブ・モーターを使用。これにより強力なトルクが得られるだけでなく、正確な速度制御が可能になり、さらにドライブからの不要な振動をプラッターから遠ざけたうえで、パワフルというオリジナルモデルの音の傾向を継承した仕上がりとなっている。メカニカル・プラッター・ブレーキを備えたダブル・プラッターは、電子モーター・ブレーキを有した質量3.5kgの非磁性アルミニウム・プラッターに置き換えられている。

 トーンアームについても、オリジナルの機能性を継承しながら、新規設計を施し「TP124」として搭載。選択したカートリッジに合わせて、すべてのパラメーターを正確に調整でき、ルビー・ベアリングを備えた革新的なアンチ・スケーティング機構と、針のスムーズな上げ下ろしを容易にする、特許取得済みの電動トーンアーム・リフターを備えている。

 そのTP124は、スプリングを用いて針圧の加圧を行なうダイナミック・バランス型トーンアームであり、水平軸受には特殊オイルを使用した高精度日本製ボールベアリングを使用。広範な調整オプションに加えて、同梱のヘッドシェルは、カートリッジの選択に関して高い柔軟性を有しているそう。なお、本TD124DDには「SPUカートリッジ」に適合する重めのカウンターウェイトも付属しているそうだ。内部のOFC銅線は、慎重なリスニングテストを経て選択されたという。

 また、TD124DDにはトーレンスが特許を持つ電動トーンアーム・リフターを装備している。この機構はターンテーブルの他の電子機器から完全に独立しており、リフト自体に直接組み込まれたミニモーターは、ボタンを押すだけでトーンアームをスムーズに下降・上昇させることが可能で、カートリッジを安全にレコードの溝に導けるようになっている。

 外部リニア電源ユニット「TPN124」についても、最新の設計で新開発。この外部電源には、余裕のあるサイズのトロイダル・トランスを採用することで、既存のフィルタリング容量とともに、さまざまな動作条件下において、必要充分な電圧の供給を可能にしているそうだ。

 出力端子は、アンバランスに加えて、バランスXLRコネクターも装備。フォノ信号は大幅に増幅する必要があるため、電気的干渉に対して特に敏感であり、MCカートリッジを使用し、XLRソケットを介したバランス接続を行なうことで、フォノ・プリアンプを備えたハイエンド・システムに本TD124DDを接続する際、最適な信号伝送と、可能な限り最高のサウンドを提供する、としている。
※XLR端子とRCA端子の同時接続、同時駆動はできない

 TD124DDの開発では、外観についてもオリジナルTD124の細部を忠実に再現することにこだわり、できる限りの再現をしたという。プラッター一体型のEPアダプター「PUCK」をはじめとして、向かって左に位置するプラッター・ブレーキレバー、回転数確認のストロボスコープ、設置時に必須の組み込み小型水準器、ピッチコントロールや操作レバーの形状に至るまで、オリジナルそのままを感じられる仕上げとなっている。

TD124DDの主な仕様
ドライブシステム:ダイレクトドライブ
消費電力:5W
外部電源ユニット:TPN124
回転数:33 1/3、45rpm
ワウ・フラッター(DIN/WRMS):<= 0.04%
プラッター:アルミ 3.5kg
トーンアーム:TP124
トーンアーム有効長:232.8㎜
オフセット角:23.66度
オーバーハング:17.8mm
実効質量:15g
ヘッドシェル質量:12.8g(リード線含む)
適合カートリッジ質量:(小ウエイト)3~16g、15.8~28.8g(ヘッドシェル、リード線含)/(大ウエイト)8~30g、20.8~42.8g(ヘッドシェル、リード線含)
アンチ・スケーティング:ルビー・ベアリング付カウンターウエイト
出力端子:RCA、XLR
寸法:W425×H185×D350mm
質量:17kg

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