ここで紹介するのは、直熱三極管300Bの特質を最大限に活かした本格的な真空管アンプ。昨年5月に独ミュンヘンで開催されたハイエンドショウ(HIGHEND2024)で初披露された、フェーズメーションの「SA1500」インテグレーテッドアンプである。音質に定評のあるプスヴァン(PSVANE)ブランドの直熱三極管WE300Bを双三極管6SN7でドライブする、完全無帰還回路が特徴の注目製品だ。フェーズメーションSA1500は、2024年の「ステレオサウンド・グランプリ」を受賞している。

真空管式ステレオ・インテグレーテッド・アンプ
フェーズメーション SA1500 ¥1,870,000(税込)

SA1500は、WE300Bと6SN7という2種類の真空管を各2本搭載する。写真は撮影用にカバーを外しているが、実際に音を出す場合は、必ず付属のカバーを付けていただきたい

●型式:300B シングル ステレオ・インテグレーテッド・アンプ
●入力インピーダンス:47kΩ
●利得:30dB
●残留雑音:200μV以下A-NET
●定格出力:9W以上/4Ω(THD:5%)
●周波数特性:10Hz〜40kHz(+0,-3dB)
●出力インピーダンス:4〜8Ω
●消費電力:140W(100VAC 50〜60Hz)
●寸法/質量:W430×H240×D380mm/18kg

入力端子はアナログRCAを3系統備える。写真右端の「INPUT1」は、フロントパネルのセレクターで「DIRECT」を選ぶとボリュウム回路を通らない仕組みで、本機をパワーアンプとして使う場合などに便利だ

 SA1500の定格出力はチャンネルあたり9W(4Ω/THD5%)という、300Bシングルの真空管アンプとして充分なパワーを獲得している。出力トランスにはスウェーデンのルンダール・トランスフォーマーズ製を採用。300Bを理想的に鳴らすために出力トランスの仕様を指定しており、スピーカー出力は4Ω〜8Ωに対応している。

 入力はすべてラインレベル専用であり、セレクターの「1」が外部プリアンプと接続するためのDIRECT入力と共用になっているので注意。その他の「2」と「3」はアッテネーターによる音量調整ができるので、USB接続DACやCDプレーヤー、ネットワークプレーヤーを接続するといいだろう。アナログディスクを聴く場合は、どちらかにフォノイコライザーアンプを接続することになる。背面にはグラウンド(EARTH)端子も備えている。

 フェーズメーションは、神奈川県横浜市にある協同電子エンジニアリング社のオーディオブランドだ。同社はオーディオを愛してやまない鈴木信行氏(現在は会長職)が1970年に設立。鈴木氏はアイワで磁気テープ記録のリード/ライト・テスターの開発などに携わっていたエンジニアで、アイワがソニーに吸収されるタイミングで独立したという。現在は従業員数が約100名という規模の企業に成長している。

 オーディオブランドは2002年に「フェーズテック」としてスタート。2010年には世界共通のブランドにするべく「フェーズメーション」に改めている。MC型フォノカートリッジのフェーズテック「P1」が最初の製品であるが、それ以前に「光悦」ブランドの昇圧トランスフォーマーを手掛けていたり、日本ビクターの「K2インターフェース」を採用したプロフェッショナル・スタジオ用のコンバーターの製造を請け負うなど、協同電子エンジニアリング社はOEM製造で経験を積み重ねてきた。

 フェーズメーションの得意分野は、デビュー作から続いているMC型フォノカートリッジとアナログディスク再生に必要なフォノイコライザーアンプ+昇圧トランスフォーマーに加えて、ここに登場する真空管を採用するアンプリファイアとパッシヴ回路によるプリアンプである。フォノイコライザーアンプだけは、真空管を使わない半導体回路の製品も用意されている。左右独立構造の「EA550」から一体型の「EA350」「EA320」、そしてコンパクトな「EA220」がトランジスターを使ったフォノイコライザーだ。

フェーズメーションのカートリッジとフォノアンプで、アナログ・レコードを聴く

フォノイコライザーアンプ EA220 ¥121,000(税込)

フェーズメーションでは、現在6モデルのフォノアンプをラインナップしている。EA220はその中で一番お手頃なモデルで、ディスクリート部品を使った無帰還型増幅回路を搭載している。今回は同社のMCカートリッジ「PP-200」(¥121,000、税込)との組み合わせで試聴を行った。

 フェーズメーションのオーディオ回路は、フィードバック=負帰還を使わない完全無帰還回路に特徴がある。真空管回路や半導体回路に限らず、多くのオーディオメーカーは負帰還を使っている。それが一般的であり常識といっても過言ではない。簡単にいうと、負帰還とは出力側の信号を逆位相にして入力側に少し戻すことである。こうすることで計測値の向上が得られるわけだが、フェーズメーションは素性の良い回路設計に徹しており、音質的な判断から負帰還を使わないというポリシーなのである。

 さて、インテグレーテッドアンプのSA1500について話していこう。フェーズメーションの真空管アンプは大型のフラグシップ機「MA5000」を筆頭に、「MA2000」と「MA1500」がモノーラル構成のパワーアンプだ。完全無帰還の回路構成と共に、すべて直熱三極管のシングル動作に徹しているのも大きな特徴。たとえばMA2000は出力に直熱三極管WE300Bを2本使っているが、プッシュ・プルの回路構成ではなくパラレル接続=並列接続のシングル動作にしている。これも音質を重んじた選択であり、フェーズメーションらしさといえるところ。KT88やEL34などの多極管を使わず、常に直熱三極管に限った採用というのは、フェーズメーションならではのコダワリだ。

 SA1500が搭載する出力管は、オーディオファイルに人気のある直熱三極管300Bである。300Bは米国ウェスタンエレクトリックが元祖でとても有名だが、前述したようにSA1500はプスヴァンのWE300Bを搭載している。300B真空管の中でも特にオリジナルに忠実に仕上げられた、ハイクラスの300B真空管である。製造しているのは、中国の長沙恒陽電子有限公司。SA1500ではチャンネルあたり1本を使い、A級動作で駆動されている。

 そのWE300Bをドライブするのは、双三極管の6SN7真空管だ。双三極管とは1本のガラス管に同じ三極管の回路が2つ入っている真空管のこと。特に有名なのは12AX7や12AU7であるが、この6SN7は8本の接続ピンが太いGT管といわれるタイプだ。SA1500では6SN7の内部2回路を2段増幅の構成で使うことで、直熱三極管300Bを充分にドライブできる電圧を獲得している。

SA1500の保護カバーの裏側にはシールドが施されており、カバーを付けた状態で使うことを推奨している

 フェーズメーションはモノーラル構成の真空管パワーアンプでは段間トランスフォーマーも使っているけれど、このSA1500は6SN7が直接的に300B真空管をドライブしている。使われている真空管は、2本の6SN7と2本のWE300Bというシンプルさ。すべて三極管で構成されていることも、SA1500の特徴なのである。ここで使われている双三極管6SN7は、スロバキアのJJエレクトロニック社製ということだ。

 真空管は出力インピーダンスが高いために、スピーカーを駆動するにはインピーダンスを下げる、すなわちインピーダンス整合させるために出力トランスフォーマーを組み合わせる場合がほとんど。出力トランスフォーマーのないOTL(Output Transformer Less)の真空管パワーアンプもあるが、それは例外中の例外である。SA1500では、音質を吟味してスウェーデンのルンダール・トランスフォーマーズ製による出力トランスを採用した。スピーカー出力端子は1系統で、4Ωから8Ω程度のスピーカーを最適に駆動できるという。ルンダール製の出力トランスフォーマーは、音の透明感が得られるということで採用されたと聞いている。

 SA1500は電源部も本格的な内容なのである。大型の電源トランスフォーマーは左右チャンネル独立のチョークコイルと組み合わされており、クリーンなDC供給電源を生成している。ダイオード素子にはローム社製のSiC(シリコン・カーバイド)高速スイッチングダイオードが使われており、300B真空管のヒーターを直流点火する電源の徹底したローノイズ化を実現しているという。しかも、電源トランスフォーマーは自身で発する振動を筐体に伝えないようフローティング設置されている。これはMA5000の開発で得られた高音質ノウハウで、自動車の振動防止に使われている素材と同じものが使われているらしい。異種素材を組み合わせた脚部も音質を追求した結果である。

 真空管の保護カバーはアルミニウムと厚手のガラスを組み合わせた構造。天井部分は和柄の「三崩し」という形状の放熱孔が施されている。一般的に真空管アンプは保護カバーを付けずに聴くというケースが少なくないけれども、SA1500は真空管カバーを取り付けた状態で最良の音質が得られるようデザインされている。電源トランスとチョークコイル、そして出力トランスもシールド効果のあるカバーが与えられているが、これも同じ考えによるものだ。ガチガチに囲んだシールドではなく、程よくスペースがあるシールドというのが良いというから面白い。

今回はSA1500を2種類のスピーカーシステムと組み合わせてみた。まずはStereoSound試聴室常設のB&W 801D4 Signatureで音を確認する

 少し製品説明が長くなってしまったが、フェーズメーションSA1500のサウンド・インプレッションをお伝えしよう。まずは、ステレオサウンド試聴室のリファレンスモニタースピーカーである英国B&Wの801D4シグネチュアを鳴らしてみた。

 ステレオサウンド試聴室に揃えたオーディオ機器は、インテグレーテッドアンプのフェーズメーションSA1500と、デジタル音源の送り出しにアキュフェーズのSACD/CDトランスポート「DP1000」とD/Aコンバーターの「DC1000」の組み合わせを用意。アナログディスクの音も聴きたかったので、フォノイコライザーアンプにコンパクトなフェーズメーションEA220を使い、フェーズメーションのMC型フォノカートリッジ「PP200」を装着した試聴室リファレンスのテクニクスの「SL1000R」を用意してもらった。

 まずはSA1500とB&Wの801D4シグネチュアの組み合わせから。実をいうとフェーズメーションでもB&Wがモニタースピーカーに使われていて、1世代前の「800D3」が試作段階から最終仕様までの音を判断するために広い試聴室で活躍している。私が少し心配していたのは大型スピーカーに対してSA1500は9W+9Wの出力なので、やや力不足にならないかということだった。しかしながら、私が普段ステレオサウンド試聴室で音楽を鳴らす音量レベルで特に問題はなかった。さすがに大音量再生はできないけれども、体感的には9W+9W以上ではないかと思えるほどだった。

 最初に聴いたのは、ステレオサウンドからリリースされているシングルレイヤーSACD『トランセンド/石川さゆり』から、私が好んで聴いている「ウイスキーが、お好きでしょ」である。角田健一ビッグバンドの伴奏と一緒に唄っている、ダイレクトな一発収録というのも特徴だ。直熱三極管300Bは暖かみのある中域と、直熱三極管らしさというべき僅かな煌びやかさがあるという認識だが、SA1500は石川さゆりの声色が艶やかで浸透力を伴ってスッと耳に届いてくる。センター定位の音像描写もしっかりしていて奥行きを豊かに感じさせる音場空間の提示も好ましい。無帰還回路のシングル動作ということから低音域の制動は弾むような緩やかさがあるけれども、エネルギーバランス的に低音域が特に不足することもなく、厚みを保った音で耳にもやさしい。

801D4 Signatureとの組み合わせでも、不満のない音量感でドライブしてくれた

 以下はデジタルファイル音源である。ヴァイオリン奏者のムターがジョン・ウィリアムズの楽曲を演奏したアルバム『アクロス・ザ・スターズ』で聴く「レイのテーマ」は、映画の『スター・ウォーズ』シリーズから。ヴァイオリンの陰影のある複雑な響きには300B真空管らしい煌びやかさも感じられるが、音色に芯のある堂々とした演奏だった。オーケストラの低音は少し膨らみがちだが、安定感を伴っているため聴き心地が良い。

 続いて聴いたのはジャズ・トランペットの松井秀太郎のデビュー・アルバム『ステップス・オブ・ザ・ブルー』から、ミュート奏法のトランペットが特徴の「カラー・パレット」。ダイナミックな小編成のジャズを軽快にこなすSA1500のドライブ能力はなかなかのもの。801D4シグネチュアのダブルウーファーをコントロールするのは難しいが、強弱のコントラストも適度に得られたリズミカルな演奏である。

 ここからアナログディスクを鳴らしてみた。ステレオサウンドからリリースされたばかりの『石川さゆり Analog Edition』から「朝花」を聴いたが、ヴォーカル帯域の充実した鮮やかな音である。フォノイコライザーアンプEA220の音質も反映されているわけだが、音のスムーズさや有機的と言いたいブレンド感はアナログディスクならではの魅力といえよう。

 もう1曲はジャズの名盤でアート・ペッパーのサキソフォンが響く『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』である。秀逸な「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」を聴いたが、ここでもSA1500は鮮度感の高い音を奏でて、真空管アンプらしい音の滑らかさも聴かせてくれる。1957年録音だから67年前の古い演奏になるが、軽快さを持ち合わせたリズミカルなパフォーマンスは実に感動的だった。

 ここまでは試聴室リファレンスのB&Wの801D4シグネチュアを鳴らしたわけだが、相手となるスピーカーシステムとして重荷だったことは否定できない。また、現実的なシチュエーションを考えてみても、SA1500と801D4シグネチュアを組み合わせて使うというケースなどあるだろうか? ということで、私は個人的にいまもっとも注目しているフルレンジスピーカーの新製品とSA1500を組み合わせて鳴らすことにした。

今回の主な視聴システム

●スピーカーシステム:
B&W 801D4 Signature、フィデリティム・サウンド NC11_MAOP_MS
●ターンテーブル:テクニクス SL1000R
●フォノカートリッジ:フェーズメーション PP200
●フォノイコライザー:フェーズメーション EA-220
●SACD/CDプレーヤー:アキュフェーズ DP1000+DC1000
●ミュージックサーバー:デラ N1
●ネットワークスイッチ:デラ S100

三浦さんのリクエストで、フィデリティム・サウンドの「NC11_MAOP_MS」(¥330,000、ペア、税込、スタンド別売)とも組み合わせている。大口径モノサスペンションユニットを搭載し、25Hz〜25kHzの再生に対応する http://www.fidelitatem-sound.jp/fidelitatem-NC/n_detail_NC11.html

 そのスピーカーは、フィデリティムサウンドの「NC11_MAOP_MS」。フィデリティムサウンドは千葉県の八千代市にあり、主宰者の中島紀夫氏はフルレンジのスピーカーユニットで人気の高いマークオーディオの共同経営者のひとり。このNC11_MAOP_MSは、マークオーディオのMAOP_11MSというワイドレンジな限定生産ドライバーを搭載した話題作なのだ。

 ユニットはダンパーのないユニークなモノ・サスペンション(MS)で、約11cm口径のメタルコーン振動板を強電解のアルカリ溶液層で長時間の処理を行って白いセラミック状にしているのも特徴。フルレンジユニット1発で、クロスオーバーネットワークのないシンプルなスピーカーシステムだ。エンクロージャーはウォールナットの無垢材とメイプル無垢材を組み合わせた、響きのよいバスレフ仕様である。

 余談であるが、私は自宅のデスクトップでフィデリティムサウンドの「NC7v2_MAOP」を愛用している。これは約7cm口径のMAOP_V2というひとまわり小さいフルレンジを搭載した、外観がそっくりの弟分だ。モノ・サスペンションではないけれども、フルレンジならではの発音は聴き疲れがしないし、自然で充分なワイドレンジが得られている。元々は管球王国の試聴で出会ったスピーカーシステムなのである。その音を聴いて感激した私は、デスクトップ用として導入したというわけだ。

 借用したNC11_MAOP_MSは、管球王国特別仕様のフィデリティムサウンド製スピーカースタンドに乗せた。白いセラミック状の振動板と楕円形状のバスレフポートが特徴的で、信州でていねいに製作されたエンクロージャーが美しい。

 ここでも最初にシングルレイヤーSACD盤の石川さゆり「トランセンド」から「ウイスキーが、お好きでしょ」を聴いたのだが、驚くほど反応の鋭い鮮明な音で声色の生々しさが印象的。細部までていねいに音を描いているのは、ダンパーを持たないモノ・サスペンションによる初動感度の高さが反映されているのだと思う。B&Wの時よりも僅かに音量を低くして音を鳴らしているが、フルレンジという点音源が発する音は自然な音場空間をもたらしており、クロスオーバーネットワークが存在しないことによる音のストレートさは格別といえる。解像感に関してはB&Wのようなマルチウェイ方式が有利といえるが、自然に染み渡るような音の素直は得難い魅力。SA1500も無理なくスピーカーをドライブしているのがわかる、相性としても抜群と思える音だった。

試聴では、弊社リリースの石川さゆりのアナログレコードやSACDに加えて、ハイレゾファイルも使っている

 ムターがヴァイオリンを弾く「レイのテーマ」も、アコースティック楽器が響く表情がしなやかで細やかさも感動的。オーケストラの低音域も不足はなくエネルギーバランスの整った音で鳴っている。SA1500のドライブ能力も充分だし、真空管アンプの音の良さを自然に伝えてくれるところもいい。ジャズ・トランペットの松井秀太郎「カラー・パレット」は応答性に優れた躍動的なジャズのグルーヴを展開する。エンクロージャー自体の乾いた響きも少し乗っているようだが、これが聡明な音という印象を与えているようでもある。

 アナログディスク再生も魅力的な音を奏でてくれた。MC型フォノカートリッジのPP200はフェーズメーションのなかでもっとも安価なエントリーモデルなのだが、フォノイコライザーアンプEA220とのコンビネーションも良好。石川さゆり「朝花」は声色に艶が乗っている生々しい音の雰囲気。ダンパーレスのフルレンジユニットは抑揚の表現が見事で、デジタルファイル音源よりも音の存在感が高く感じられた。

 アート・ペッパーの「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」は、左チャンネルから聴こえるサキソフォンの響きが生き生きとしていて、リードを鳴らしている発音の雰囲気もリアルに感じられる。右チャンネルはアコースティックベースとピアノとドラムスのリズムセクションだが、こちらの演奏もグルーヴィだ。一発録音らしい緊張感も伝わってくる迫真のパフォーマンスである。

 音質的な相性ではB&WよりもフィデリティムサウンドのNC11_MAOP_MSのほうが優れており、フェーズメーションSA1500の特質である完全無帰還回路による直熱管WE300BのA級動作という回路構成の特徴が好ましく反映されていたと思う。搭載している真空管もそうだが、SA1500はインテグレーテッドアンプを構成するすべてのファクターにおいて音の質感を高める努力が実っていると感じさせた。ここでは使わなかったけれども、自社開発&自社製造の音量調節用トランスフォーマーと固定抵抗器を組み合わせたパッシヴ・プリアンプのCM1500をDIRECT入力に接続するという音質的なアップグレードも聴いてみたくなった次第。出力は9W+9Wと大きくはないが、音の質感が高い真空管アンプを探しているなら、フェーズメーションのSA1500は有力な候補になる。