クリント・イーストウッド監督の新作『陪審員2号』が、12月20日からU-NEXTで配信される。本国アメリカではきわめて小規模な公開に終わった本作。内容は家族のいるジャスティン・ケンプという男が、世間の注目が集まる殺人事件の陪審員を務めるうちに、道徳的ジレンマに陥るというもの。主演はニコラス・ホルト。共演はトニ・コレット、J.K.シモンズ、キーファー・サザーランド、クリス・メッシーナという実力派を揃えている。

 実際の作品はまだ見ることができないので、映画の出来に関しては何とも言えないが、これまで映画界をけん引してきたレジェンドの作品が映画館での上映を見送られるという、信じがたい事態に、日本の映画ファンの間で劇場公開へ向けての署名活動が始まっている。発起人は映画やテレビの監督 わたなべりんたろう氏。署名活動は11月30日に始まり、現時点で2200筆近くの署名が集まっている。

 わたなべ氏は、『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(2007)や『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009)でも日本劇場公開を求め、署名活動を行い、公開を実現してきた人物だ。

 応援コメントには蓮實重彦氏の私信をはじめ、ピーター・バラカン氏、映画監督の佐々木浩久氏、映画監督の上本 聡氏、映画監督・脚本家の安田真奈氏、ミュージシャン、パール兄弟のサエキけんぞう氏、『カメラを止めるな!』のプロデューサー 市橋浩治氏、音楽プロデューサーの磯田秀人、映画パーソナリティ・映画評論家の伊藤さとり氏、音楽家の中島ノブユキ氏、順天堂大学や東京大学などで教授を務める藤原帰一氏、アニメーション監督の大森貴弘氏、spoonの菅原直太氏、映画監督・小説家の鶴田法男氏、演出家の加藤拓氏、映画プロデューサーの小川真司氏、荒井晴彦氏、映画監督の細野辰興氏が名を連ねている。

 昨今の洋画事情を鑑みると、リスクの高い興行に踏み切るのは映画会社にとっても決断が難しいところだとは思う。だが映画館での上映を希望するファンは決して少なくない。興味のある方は、署名をしてみてはどうだろう?

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