ヴィンテージオーディオ傑作撰
A3判シート・写真集〈vol.1〉〈vol.2〉
(各12枚1組)

¥11,000(本体価格・¥10,000+税10%)
(1枚千円弱!)

12月12日発売 

 

企画意図

 季刊『ステレオサウンド』誌は、真空管アンプ全盛時代からトランジスターアンプ時代へ移り変ろうとしていた時期(1966年11月)に創刊されました。当時は、オーディオ機器の技術的内容の紹介に重点を置いた技術系の専門誌が多かったのですが、「人間の感性に勝る測定器はない」「オーディオ機器の良否は音を聴いてみなければ判らない」という創業者・原田 勳(現・会長)の強い信念のもと、国内・海外のオーディオ機器の「試聴」による評論を核とした、本格的なオーディオ専門誌を目指してスタートしました。

 振り返れば、モノーラルLPレコードの登場が1948年、ステレオLPレコードの誕生が1958年、FMステレオ放送の開始が1963年と、「良い音で音楽を楽しむ」ための環境が徐々に整いつつあり、それにつれて「より良い音で音楽を聴きたい」「もっと深い音楽の感動を味わいたい」というオーディオ愛好家も増えてきました。そうした向上心旺盛なオーディオ愛好家のための指針となるべき雑誌として創刊されたのが、季刊『ステレオサウンド』誌なのです。

ヴィンテージオーディオ傑作撰vol.1<専用ケース入り>

 季刊『ステレオサウンド』誌は、ご存じの方も多いと思いますが、「試聴」によるオーディオ機器の評論記事がメインです。しかし、そればかりではなく、オーディオ機器を「より美しく」「より魅力的に」撮影した写真の掲載にもこだわりました。オーディオ機器は、音の良さばかりではなく、デザイン(視た目)の良さ、操作性・手触りの良さ(もちろん信頼性の高さ)も大切な要素だと考えているからです。そのため、撮影したオーディオ機器の写真がもっともよく映えるように、本文用紙にはできる限り良質のコート紙を採用しました。

 当然、カメラマンを誰にするかもとても重要で、最初に「亀井良雄」氏という、後に「オーディオ機器撮影の第一人者」と呼ばれるようになる写真家を起用しました(亀井氏はやがてオーディオメーカー数社の広告写真の撮影も担当。後に自身の撮影スタジオも開設)。

 しかしながら、当初は立派な写真スタジオでの撮影など、予算の関係等でできず、創業地である麻布龍土町にあった二階建て民家の狭い室内における、アイランプ数個やレフ板、トレーシングペーパー等を駆使しての(創意工夫による)撮影でした。ポイントは「試聴した多くのオーディオ機器を、いかに魅力的に撮影するか」――そのためのイロハを徐々に習得していったのです。

ヴィンテージオーディオ傑作撰vol.2<専用ケース入り>

 その後を受け継いだ「古山久美」氏も、当初はそうした撮影手法をつぶさに観察・体得しながら、徐々に独自の撮影技術を習得・磨き上げていき、数えきれないほど多くの魅力的な写真を生み出してきました(70年代後半には社内に写真スタジオを構築し、そこでほとんどの写真を撮影することに)。

写真のように額装してみるのも愉しいのでは…(写真のウッドフレームは別売です)

 そうして創刊以来五十数年という長い間に(それ以前に発売されたオーディオ機器も含めて)、数多くのオーディオ機器の写真が、山のように蓄積されてきました。中には、いま見ても素晴らしいと思える「傑作」オーディオ機器たちの写真がたくさんあります。これらをそのまま保管しておくだけではもったいない、この魅力的な「傑作」オーディオ機器たちの写真を、何とかオーディオ愛好家の皆様に、とりわけヴィンテージオーディオ愛好家の方々に見ていただきたい、と考えて、A3判シート型式(雑誌のようには綴じていない)の写真集を制作しました。それが、今回の[ヴィンテージオーディオ傑作撰 vol.1、vol.2]というわけです。

ヴィンテージオーディオ傑作撰vol.1、vol.2(写真集)は、写真のような銀箔押し付きの専用ケースに入っています。

専用ケースを開けると、A3判シートタイプの写真が出てきます。

 

ヴィンテージオーディオ傑作撰の内容

 この[ヴィンテージオーディオ傑作撰 vol.1、vol.2]にはそれぞれ、A3判のやや厚めのプレスコート紙に印刷された、魅力的なオーディオ機器の写真――各12枚(1組)が収納されています(裏面にはそれぞれの機器の解説付き)。

 それぞれの製品リストは、

ヴィンテージオーディオ傑作撰 vol.1

01:JBL D44000 Paragon スピーカーシステム

02:エレクトロボイス Patrician 800 スピーカーシステム

03:JBL D50S8R Olympus スピーカーシステム

04:アルテック・ランシング 820A Iconic スピーカーシステム

05:アルテック・ランシング 612A Monitor スピーカーシステム

06:ランシング 810 Iconic System スピーカーシステム

07:マランツ Model 2 モノーラルパワーアンプ

08:マッキントッシュ C22 ステレオプリアンプ

09:マッキントッシュ MC275 ステレオパワーアンプ

10:QUAD QUAD 22 ステレオプリアンプ+ QUAD Ⅱ モノーラルパワーアンプ

11:マランツ Model 1 モノーラルプリアンプ+ Model 6 ステレオアダプター

12:マッキントッシュ MC30 モノーラルパワーアンプ

 

ヴィンテージオーディオ傑作撰 vol.2

01:JBL D30085 The Hartsfield スピーカーシステム

02:エレクトロボイス Patrician 600 スピーカーシステム

03:アルテック・ランシング Magnificent A7-500W1 スピーカーシステム

04:タンノイ The Guy R. Fountain “Autograph” スピーカーシステム

05:マランツ Model 7 ステレオプリアンプ

06:マランツ Model 8B ステレオパワーアンプ

07:マッキントッシュ MC60 モノーラルパワーアンプ

08:マッキントッシュ C20 ステレオプリアンプ

09:マッキントッシュ MC240 ステレオパワーアンプ

10:JBL SG520 ステレオプリアンプ

11:JBL SA600 プリメインアンプ

12:EMT EMT 927Dst アナログプレーヤーシステム

 

 以上ですが、いずれも現役当時、一世を風靡した魅力的なヴィンテージオーディオ機器たちであり、また後世に語り継ぐべき傑作・名機たちです。

 たとえば、「マッキントッシュC22」は、漆黒のガラスパネルに緑色の文字と赤いポインターがくっきりと浮かび上がり、是が非でも照明を落として見たくなるようなパネルデザインの美しさ。

 「マランツModel 7」のフロントパネルのデザインは、シンメトリーさをわずかに崩しながらも、ツマミやスイッチの形や大きさが絶妙で、これ以上ないと思えるバランス感覚の見事さ。

 「EMT 927Dst」は、いかにもプロフェッショナル仕様らしい機能美が素晴らしい。放送局のスタジオにおける「プレイバック」という仕事を確実に、しかも高音質でこなしてくれそうな頼もしさ、信頼性の高さが素晴らしい。

 ……等々。これらの多くは今日でも、充分なメインテナンスが施され、熱心なヴィンテージオーディオ愛好家の間で愛用され続けています。これらの意匠デザインの素晴らしさや操作性・手触りの良さ、さらにはサウンドクォリティの高さなどが、次世代のオーディオ愛好家たちに語り継がれていくことを願ってやみません。