日本電気(NEC)は、ビジネスシーンでのAI機能の活用の拡大に合わせ、高速なAI処理に対応するCPUを搭載したビジネス向けAI PC「VersaProタイプVZ」を、本日12月5日に発売する。価格はオープン。マイクロソフト社が定義するCopilot+ PCに準拠しているのも特徴となる。

 今回発表のVersaProタイプVZは、AIの高速処理を可能にするNPUを内蔵することで、最大50TOPSの性能を有するCPU「AMD RyzenTM AI 7 PRO 360」を採用。クラウドサービスと連携した各種アプリケーション・システムとAIを併用することによる効率的運用や、ネットワーク接続が無い状況でも(スタンドアローン)パソコン上で一部のAI機能を利用できる、としている。

 さらに、Copilot+ PC準拠のパソコンとして、マイクロソフト社から提供されるWindows11の無償アップデートにより、Copilot+ PC関連機能を利用できるようになるそうだ。

 なお、標準でインストールされているアプリ・Windowsスタジオエフェクトでは、AIの活用により「背景ぼかし機能」「姿勢補正機能」「人の動きに合わせた位置補正」といったWeb会議時のカメラ映像に加工、調整ができる『カメラエフェクト』を利用可能。

 また、NECオリジナルのスケジュールAI、および行動予測AI、バッテリーマネジメント機能の組み合わせにより、バッテリの効率的な運用も行なえる。本機能では、ユーザの予定や行動に応じて、主に3つのマネージメント機能を用意。「ロングバッテリーモード」では、スケジュールAIがユーザーの一日の予定に合わせ消費電力を自動抑制し、同時に輝度やバックグランド処理の制御による節電で、その日の予定が終了するまでバッテリー駆動時間を確保するように制御してくれるという。

 「スマート充電」では、行動予測AIがユーザーの1週間の行動パターンを学習し、外出前など充分なバッテリー充電が必要な時には100%、それ以外は80%を保持するなど、計画的にコントロールすることでバッテリー劣化を抑制してくれるもの。

 「スマート・スタンバイ」では、行動予測AIが曜日ごとのPC利用時間帯を予測し、利用時間帯以外には、素早くPCを使い始めることができるモダンスタンバイから、電力消費を抑える休止状態へ早めに移行することで、不要な消費電力を抑えバッテリー駆動時間の延伸に寄与するものとなる。

 なお、バッテリーマネジメント機能で利用するスケジュールAI/行動予測AIでは、AIという名称はつくものの、NPUは使用しない。

 そのほか、本体筐体には、すり傷がつきにくいようにアルマイト加工を施したアルミニウム素材を天板、キーボード面、底面に採用。特に接触や摩擦の多い天板とキーボード面には傷が目立ちにくいヘアライン処理も加えている。米国MIL規格準拠の試験実施による耐久性への配慮や、USBポートには、Type-C×2、Type-A×2を装備することで、複数の周辺機器を接続できる拡張性も保持している。キーボードには、暗い場所でのキー操作に便利なバックライトも採用。ビジネス用途を考慮した設計を施している。

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