塚本晋也監督がミニシアターを撮る「街の小さな映画館」の第19回として、小倉昭和館の動画がYouTubeチャンネルにて公開された。

 「街の小さな映画館」は、2015年の『野火』初公開時に全国劇場行脚を行い、個性あふれるミニシアターの魅力に触れた塚本監督が、お世話になっている映画館を1館ずつ訪れ、ミニシアターの魅力を伝える動画を撮影する企画だ。コロナ禍をきっかけに「未曾有の事態の中格闘していらっしゃるミニシアター」に「エールを送らせていただきたい」との思いから始まった。劇場とのアポ取りから撮影・編集・YouTubeへのアップまで塚本監督自身が単独で行い、ロゴとイラストも描きおろしている。

 今回紹介される小倉昭和館は、北九州市では唯一の一般上映の既存単館映画館で、現存する中では福岡県内でもっとも古い歴史を持つ。1939年に芝居小屋兼映画館として創業した。2022年8月10日、旦過地区一帯を襲った大規模火災で焼失。多くの映画人、地元内外のファンからの応援の声を受け、2023年12月に再建・復活を果たした。

 公開された動画では、火災での焼失を免れたネオン看板、温かみのある木を使用した内装のロビー、映画人の名前が刺繍された座席、新たに導入された35mm映写機などを辿る。インタビューでは館主の樋口智巳氏が火災からの再建の経緯、応援団長であるリリー・フランキーさんの存在、サブスク時代に映画館で映画を体験することの意義、支えとなるお客様への感謝などを語っている。

「街の小さな映画館」第19回 小倉昭和館

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塚本監督から小倉昭和館へのコメント

 以前の昭和館は2スクリーンで、2つのシアターをつなぐ裏道は屋根裏にあり、秘密基地のようで、次に訪れた時は、そこに入れてもらうよう頼もうと思っていた。消失した後再建された映画館は1スクリーンになったが、訪れて見渡した外観は、以前の映画館を彷彿させすぐに親しみがわいた。秘密基地に訪れる夢は叶わなかったけど、樋口さんの多大な努力と多くの人の協力で、素晴らしい劇場に生まれ変わりました。

 再建、あらためておめでとうございます。

●住所:福岡県北九州市小倉北区魚町4-2-9 電話093-600-2923
●座席数:134席

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