イヤホン専門ブランド・SOUNDPEATSから、耳に挟んで使う、いわゆるイヤーカフタイプの新作完全ワイヤレスイヤホン「SOUNDPEATS CCイヤーカフイヤホン」が発売された。価格は¥7,280(税込)。

▲フロントのボタン(右側にある銀色のもの)で、ペアリングモードなどを設定できる

 今回の製品は、オープンタイプのワイヤレスイヤホン(完全ワイヤレス)の中でも、最近人気を博している、耳の周囲(耳輪)の部分を挟むようにして装着するイヤーカフタイプの製品。本稿では何度も同ブランドの製品レビューをお届けしてきたが、その時々のトレンドに合わせて即、新製品を開発してくるSOUNDPEATSの技術力は、なかなかのもの。骨伝導や耳掛け式、MEMSドライバーモデル、そして今回のイヤーカフモデルと、ブームが起きている内に対応製品が発売されてきている。

▲外側の大きめのユニットが前(耳甲介)に来るほう。つまり音が出るところとなる。音の出てくる穴(スリット)も見える

 イヤーカフタイプと言えば、ambie(2017年)がすぐに思い出されるが、同製品が発売されて以降、コロナ禍で周囲の音を聞ける(確認)イヤホンの需要が高まった際も、骨伝導や耳掛け式のオープンタイプ、ソニーのように穴あきドライヤーモデルなど、違う方式の製品が登場してきたが、今年年初のファーウェイの「FreeClip」の登場以後、イヤーカフタイプの注目が高まったようで、年末にかけては各社から同形状の製品が多数発売されてきたように思う。

 まずは、CCイヤーカフイヤホンの紹介をしていきたい。見て分かるように、サクランボというか、アメリカンクラッカーというか、二つのユニットがC字型のワイヤー(?)でつながった形状をしている。一見してどう着けるの? と感じてしまうが、収納ケースに入った状態でつまんで取り出し、そのまま耳輪に挟むようにすればOKだ(ここはファーウェイと同じ)。大きい方のユニットが前(耳の窪み=耳乙介)に来るように装着する。この外側(前側)に穴(スリット)があり、ここから音が聞こえるようになる。搭載ドライバーは、SOUNDPEATSお得意の12㎜径のダイナミック型で、その部分に収納されている。対応コーデックは、SBCとAACで、特段凝ったことはしていない。

 また、アプリ(最近「PeatsAudio」というアプリに代わった)にも対応しており、ファームウェアの更新、EQ、測定(パーソナライズ)、低遅延モード(ゲームモード)、ムービーモード、ダイナミックEQのオン/オフが可能だ。

▲日本国内では「CCイヤーカフイヤホン」という名称となる

 ではさっそく、製品の使用感について紹介していきたい。特筆事項としてはやはり、イヤーカフタイプからくる圧迫感のない軽やかな装着感になる。C字型のワイヤー部には結構な弾力があり、開くこともできるが、ユニットの間隔5mmを保って復元するので、装着時、ユニットで挟まれる耳甲介の部分が圧迫されることがないのがいい。C字ワイヤーの部分も耳を圧迫しない。ただし、耳への押さえが甘いこともあり、頭を動かしたり、屋外使用時、歩いたりするとワイヤーが動いて下がってしまう。メーカーによれば、ワイヤー部は水平に装着するのが正解だそうで、そうすると音の出てくる穴がきちんと耳孔に向くので、しっかりとしたサウンドが楽しめるようになる。のだが、耳の後ろ側に来るユニットの固定が甘いようで、C字ワイヤー部が下がってきてしまい、水平が保てない。装着時水平が保てない(下がってしまう)と、かなり音質・音調が変わってくるので、購入したユーザーは、ワイヤーが下がらないような装着法を見つけてほしい。

▲ワイヤー部分が水平になるように装着する

 ちなみに、イヤホン自体には左右の区別はなく、装着時の位置関係によって、左右を区別してくれるそうだ。

 次に音質を紹介したい。試聴は自前のDAP(ポータブルプレーヤー)とAACで接続して行なっている。一聴して意外と、と言うとアレだが(笑)、しっかりとしたナチュラルなサウンドが楽しめた。レンジはそれほど広くないが、定位感が良好で、おでこのあたり音像が立ちあがってくる。聞き馴染みのある曲でも、ボーカルがいつもより近く感じられて、生々しさが増す印象。音場感はそれほど広くないが、音に包まれる感覚も強く、耳穴近くから音が鳴っているとは言え、スピーカーから聴いている雰囲気が味わえるものとなる。ドライバーが大きいこともあってか、結構解像感もあり、細かい音や響き感も良好だ。

▲左はファーウェイの「FreeClip」。ともに右側のユニットから音が出る

 コンテンツをハイレゾにすると、音数が増すのも分かるし、特に上方空間が拡大するようで、音像の定位も少し持ち上がるのが感じられる。一方で、mp3コンテンツでは雑味が増すようだが、低音の量感も出てきて、音に包まれるような没入感がアップするので、配信系コンテンツで、賑やかな楽曲との相性もいいようだ。

 なお、上記のインプレッションはきちんとワイヤーを水平に保った状態のものであり、下がってしまうと、途端に低域がスカスカになり、軽い音になってしまうので注意したい。

 また、アプリにある「ダイナミックEQモード」「ムービーモード」もテストしてみた。ダイナミックEQモードは主に低域を増強してくれるもののようで、厚みのあるサウンドが楽しめるようになる。ワイヤーが下がってしまい軽い音になってしまっても、それを補強してくれるので、常時ONでもいいかもしれない。しかし、細かい音が多少スポイルされてしまうことは覚えておきたい。

 ムービーモードはその名の通り、映画などの映像コンテンツ視聴用であり、効果としては背景音(BGM、SE、環境音)を強化してくれるようで、感覚としては音場感が増し、音に包まれる印象が強くなる。セリフの音量感はあまり変わらない。ダイナミックEQと同じで、多少細かい音はスポイルされてしまうが、結構音響への没入感は増すので、映像コンテンツを観る際は、積極的にONにするといいだろう。一つ蛇足すると、モードのオン/オフ関係なく、映像コンテンツの視聴では、音楽コンテンツとは違って、セリフの定位が後ろ寄りになってしまうので、そこは違和感があった。

 その他、パーソナライズ機能(アダプティブEQ)もあるのだが、オープンタイプで小さい音はなかなか聞き取れず、実際にテストするとくし形フィルターのような波形になってしまった(そのため、機能はオフとしている)。

 まとめとしては、記者のようなメガネユーザーにとっては、装着時に、製品がメガネの柄(つる・テンプル)に干渉しないのは素晴らしいところ。加えて、音場感や定位感も良好で、特にボーカルは身近だし、生々しさもあるので、音楽ものから映像ものまで、幅広く楽しめそうだ。ちなみに、記者は結構ライブ配信サービスを見ていて、これまでは(音質にこだわるわけではないので)PC内蔵のスピーカーで視聴していたのだが、イヤーカフイヤホンを使うと、話者の声がより身近に感じるし、周囲の音・状況も確認できるし、しかもイヤホン(耳掛け式含む)やヘッドホンとは違って、装着に圧迫感がないのが、一番の利点と感じた。

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