オルトフォンから、同社カートリッジConcorde Musicシリーズのフラッグシップとなる「Concorde Music Black LVB 250」が発表された。発売は11月で、価格は¥191,400(税込)。交換用スタイラス「Stylus Concorde Music Black LVB 250」は¥172,700(税込)となる。

 Concordeシリーズは1979年に発表されたもので、原型モデルの登場からもうじき生誕50周年を迎えることもあり、今回発表の製品は、同シリーズの現時点での集大成になるということだ。

 なお、本機はローマス(軽量)寄りの特性をもっていることから、導入する場合は、ある程度は軽質量・軽針圧のカートリッジに対応した感度の高いユニバーサル型トーンアームと組み合わせることを、メーカーでは推奨している。

 さて、続いて具体的に製品の特長を紹介すると、本機は2Mシリーズの「Black LVB 250」を元に、Musicシリーズのフラッグシップとして新規に開発されたモデルになる、ということだ。

 ダイヤモンドに次ぐ音の伝達速度を誇り、トランジェント特性に優れたボロン素材のカンチレバー、無垢ダイアモンドのシバタ針、そしてマルチ・ウォール・カーボン・ナノチューブ(Multi Wall Carbon Nano T ubes、MW CNT)を配合した本機専用のダンパーゴムという、MM型ではLVB250にのみで採用した技術を、惜しむことなく投入しているという。

 ちなみに、Concorde Music Black LVB 250ではシバタ針とボロンカンチレバーを採用しており、その振動系(スタイラスチップ、カンチレバー、ダンパーなどを含むカートリッジ先端の可動部分)は、これまでに発表されたConcordeシリーズの中で、最高の性能を誇るとしている。

 そして、ヘッドシェルが一体化され、かつスタイラス側に向けてテーパー状に細くなるConcordeのボディは、カートリッジの重心位置がシェルの後端側にあるため、これが針先側にある一般的なカートリッジでは再現が難しいaccuracy(正確)なサウンドの再現が可能になる、と謳っている。加えて、(重心位置がシェルの後端側にあることから)より正確な音溝のトレースを行なうことができるとしている。

 ただし、一般的なカートリッジと質量の配分が異なることから、レコード再生(動作)中のカンチレバーを支持しているダンパーにかかる力の性質も変化するため、本機のダンパーには、ベースモデルを参考にしつつ、ダンパー素材の配合比・弾性などを専用に調整したものを新規に開発。設計、配合、生産に至るまでの全てを、デンマーク本社のラボラトリーで内製化しているそうだ。

 なお、スタイラス(交換針)については、他のConcorde Musicシリーズ同様に、Red/Blue/Bronze/Black全てとの互換性を持つそう。愛聴盤に合わせて好みのスタイラスへ差し換えて楽しむこともできるという。