ジャルジャル・福徳秀介の恋愛小説を、主演に萩原利久、ヒロインに河合優実を迎えた最新作『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』が来年4月の公開が決まった。

 熱狂的ファンも多いコント師ジャルジャルの福徳秀介が2020年に小説家デビューを果たした珠玉の恋愛小説『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』。監督を務めるのは映画『勝手にふるえてろ』(17)、『私をくいとめて』(20)、「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(NHK/23)など、数々の話題作を手がける大九明子。個性的かつリアリティあふれる女性主人公を描くことが多かった監督が、恋愛作品としては初の男性主人公の物語に挑戦。主人公の冴えない大学生・小西徹を萩原利久、小西が恋に落ちるヒロイン・桜田花を河合優実が演じている。

 今最も話題の俳優を迎え、観客や視聴者から絶大なる共感を呼ぶ大九監督の新境地にして最高傑作が完成した。

 第37回東京国際映画祭コンペティション部門に出品することが決定している本作より、主演の萩原利久、そして、河合優実、伊東蒼、黒崎煌代のキャスト4名、そして大九明子監督が舞台挨拶に登場した。
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 満員の観客のもとに登場した登壇者。萩原が「こういった場で皆様に観ていただけるというのが本当にうれしいです。でも正直、どんな感想が出てくるのか、そわそわしている部分と楽しみにしているどっちもいる状態です!」と、河合が「この作品が第37回東京国際映画祭コンペティション部門というすごく光栄な場所に出品されるというのは、とても喜ばしいなと思います。このような場で観に来てくださった皆様と顔を合わせられるのがとても嬉しいです。」と、伊東が「この作品を今から皆さんに観ていただけるというのがすごく楽しみで、早く観ていただきたいなという気持ちでいっぱいです。」と、黒崎が「今年の春に撮影して、観てくださる方に届くのを心待ちにしていましたので、お届けできる方がいま目の前にいらっしゃるということがとてもワクワクしています。」と、大九監督が「とても遅い時間にもかかわらず、ありがとうございます。数日前はこの場でワールドプレミアがあって、その時はひとりでQ&Aに望んだのですが、今日は可愛い子ちゃんをいっぱい連れて嬉しいです!」とそれぞれあいさつをした。

 これまで『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』で東京国際映画祭史上初の観客賞を2回受賞された大九監督に、原作のどんなところに魅力を感じて映画化されたか尋ねると、「プロデューサーからこういった小説があって、映像化するというプロジェクトがある、とお声がけを頂いてから、原作を読ませていただいて。とあるシーンで、登場人物の一人がものすごく熱量を持って喋り出すシーンがあって、小説ではありえないページ数で繰り広げられていたのですが、ここを映像化するのはとてもチャレンジングで、面白そうだなと感じました。」とこたえる監督。

 つづいて萩原にどのようにキャラクターを作っていったか尋ねると、「冴えない大学生とか、日傘をさしているとか、そういうキャラクター的な部分から入るのは危険なのではないかと思いまして、小西の行動や考えをひとつひとつ考えてみることから始めました。ただ、共感できる部分と、共感が難しい部分の両方がありました。普段だったら、正解のようなものを探して、「こうするだろう」と撮影が始まる前に決めていくタイプなのですが、今回はそれが難しくて。無責任かもしれませんが、自分の中で正解を決めず、その代わりに選択肢の可能性をいつもの何倍も何倍も考えて。今回は、現場で皆さんとお話ししたり、現場の何かに触れたり、段取りをしていく中で、見つかっていくものを信じてみようかなというのが僕のアプローチの仕方でした。」と撮影を振り返る。

 さらに河合も「お団子頭ということもそうですし、彼女の姿勢だったり、衣装だったり、メイクだったり、外堀を埋めました。小説や脚本も小西の目線で桜田が語られるので、最初は小西から見た桜田、観客の方から見た桜田、外から見た桜田ということを手掛かりにしたので、お団子頭というのもとっかかりになったと思います。」と、桜田のチャームポイントである“お団子頭”について語る。

 伊東は「原作を読んだ時に、さっちゃんの持つあたたかさ、優しさ、柔らかさだったり、(さっちゃんは)一緒にいると楽しくなるんだろうなという印象を受けて、「さっちゃん、大好き!」となったので、映画をご覧になった皆さんにもそう思って欲しいと思いました。撮影現場が大阪で、私の地元と近くて、さっちゃんが普段暮らしている状況も想像しやすかったですし、自分と近い部分がすごく多かったので、リラックスして、現場では笑顔でいようと思って演じてみました。」と自身の演じたさっちゃん役について話し、黒崎も山根役に関して「初めて原作読んだ時に、私関西人なんですが、山根は「~やでねん」という喋り方で。関西弁は「~やねん」か「~やで」なので、それを混ぜた感じで、どうやって発音したら良いかというのを監督と衣装合わせの時に相談して、そこから始めました。(笑)衣装も婦人服なので、衣装合わせもとても楽しくて、山根は山根なりに誇りをもっているので、おちゃらけずに演じました。」と話す。その山根の話し方について、大九監督は「黒崎さんの方から「ラップみたいなかたちでやれる気がする」とご提案があったので、「やってみて!」ということになりました。」と振り返り、会場の笑いを誘った。

 最後に監督が「ご覧いただいたように、本日はとてもフレッシュな若い才能溢れる4人と登壇しましたが、映画の中には様々な年齢の方に出ていただいています。私にとっても特別な映画になりました。本日みなさんにご覧いただけるということを光栄に思っています。楽しんでいただければと思います。」とメッセージをおくり、舞台挨拶は幕を閉じた。

映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』

物語
思いがけない出会いから始まった、最高純度のラブストーリー
思い描いていた大学生活とはほど遠い、冴えない毎日を送る小西。学内唯一の友人・山根や銭湯のバイト仲間・さっちゃんとは、他愛もないことでふざけあう日々。ある日の授業終わり、お団子頭の桜田の凛々しい姿に目を奪われた。思い切って声をかけると、拍子抜けするほど偶然が重なり急速に意気投合する。会話が尽きない中、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好き、って思いたい」と桜田が何気なく口にした言葉が胸に刺さる。その言葉は、奇しくも、半年前に亡くなった大好きな祖母の言葉と同じで、桜田と出会えた喜びにひとり震える。ようやく自分を取り巻く世界を少しだけ愛せそうになった矢先、運命を変える衝撃の出来事が二人を襲うー。

2025年4月全国公開

原作:福徳秀介『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(小学館刊)
監督・脚本:大九明子
出演:萩原利久 河合優実
製作:吉本興業 NTTドコモ・スタジオ&ライブ 日活 ザフール プロジェクトドーン 製作幹事:吉本興業 制作プロダクション:ザフール 配給:日活
(C)2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会