アメリカのスピーカーブランド・Klipsch(クリプシュ)のポータブルBluetoothスピーカー「Music City Series」に属する、「AUSTIN(オースティン)」「NASHVILLE(ナッシュビル)」「DETROIT(デトロイト)」3モデルが、本日より、各種ECサイト(楽天、Amazon、自社直販サイト)、店頭(ビックカメラ)で発売される。価格は下記の通り。

●Music City Series
「AUSTIN」   ¥19,800(税込)
「NASHVILLE」 ¥30,800(税込)
「DETROIT」   ¥52,800(税込)

 今回発売されるBluetoothスピーカーは、8月に紹介した「NASHVILLE」のクラファン記事に詳しいが、無事そのプロジェクトは達成し、さきごろリターンとなる製品の発送も終えたという。そうした人気を受けて今回、NASHVILLEが属するMusic City Series 3モデルが揃って国内に導入、通常販売されることになった、という流れだ。

▼関連記事「KlipschのポータブルBluetoothスピーカー「NASHVILLE」が、本日よりクラファン開始。Klipschサウンドを体現した、質感も高い製品」

 簡潔にシリーズの紹介をしておくと、Music City Seriesというサブネームの通り、アメリカ国内での音楽の聖地の名前を冠した製品群となる。オースティンは、実に約270ものライブハウスがひしめく、ライブミュージックの聖地になっている地域だ。ナッシュビルは上の関連記事でも紹介しているように、カントリーミュージックの聖地。そしてデトロイトと言えばロボコップではなく(笑)、レコードレーベル・モータウンの故郷であり、さまざまなジャンルの音楽文化を醸成した都市からの命名となるということだ。

 今回も、クリプシュの事業本部長 デイブ・ガンズ氏がオンラインで会見に出席、社の歴史や音作りの秘訣などについて説明してくれた。聞けば日本(大阪)に事務所を構えているそうで、今後日本で求められている技術や、日本向けの音質チューニングなどについて「興味はある」というコメントがあった。

 それぞれの製品について簡潔に紹介すると、まず一番コンパクトなオースティンは、二つ折りの財布ぐらいの大きさで、38mm径のフルレンジドライバーと、二つのパッシブラジエーターで、サイズを超えた低音の再現が可能ということだ。

 次に前回紹介したナッシュビルは、ちょうどオースティンを2つ横に並べたぐらいのサイズで、音量感とサイズのバランスが取れているもの。57mm径のフルレンジとパッシブラジエーターを、フロントとリアに備え(合計4基のユニットを搭載)、前後に同じ音を放射する360度サウンドが特徴。ユニットや本体サイズが大きいことによる音の余裕度は、各段に向上している。そして、シリーズで一番大きなデトロイトは、1インチツイーター×2、72mm径フルレンジ×2、パッシブラジエーター×4(!)という2ウェイ8スピーカー構成。こちらはナッシュビルと違って音の出るユニットは前向きに設置されており、パッシブはその後ろに、2つを組み合わせて(つまり1つに2つが表裏で付いている)計2基が搭載されている。出力は30W(15W+15W)というかなりパワフルな仕様となる。

 また、オースティンはリアに、ベルトや自転車のハンドルに固定できるゴムベルトが装備されている。ナッシュビルは前回も記したようにオプションのケースが用意されている。色は緑とオレンジで、価格は各¥4,980(税込)。代理店となるKARAFULLの直販サイトでは、ナッシュビルとケースをセットで購入すると、¥35,780が¥34,000(ともに税込)となる割引で購入できる。デトロイトは肩ベルトがあり(質量 約3.3キロ)、ショルダーバッグの要領で、肩掛けで持ち運びできるようになっている。

ナッシュビルのケースは2種類(2色)用意する

 3製品共通の仕様としては、Bluetooth規格は5.3、対応コーデックはSBC、AAC、2台を汲みあせてのステレオ再生が可能、複数台のスピーカーを一度に鳴らせる「ブロードキャストモード」対応、専用スマホアプリ対応(EQ対応)、防水・防塵のIP67に対応、といった陣容となる。

 さて、発表会では短時間ながらそのサウンドを体験できたので、その印象を簡潔に紹介したい。オースティンはサイズに似合わぬ音量感が得られ、2台を使ったステレオ再生なら、リビングや書斎、寝室など、一般的な日本家屋であれば充分なサウンドが楽しめそう。ボーカルの再現性もよく、低域の厚みもある。本体サイズから少し軽めな印象もあるが、いろいろなシチュエーションで楽しめそうだ。

 ナッシュビルは上の記事でも紹介しているように、オースティンよりもサイズが大きくなった分、サウンドに余裕が感じられるようになり、それほど音量を上げなくても厚みのあるサウンドが楽しめる。

 一番大きいデトロイトは、さすがの音量感で、音の厚み、締まり、音場感など、2製品を上回るサウンドが楽しめた。ステレオモードで聴くと、ツイーターがある分、高域の再現性がさらに向上し、ボーカルの定位感というか存在感が増すようになる。音場感の広がりもよく、さすがはリアルステレオ再生と思える出来栄え。秋の行楽シーズンやキャンプ(秋にやるのかしら?)などのお供に便利な製品だろう。

▼Klipschサイト(米国)

▼Klipschサイト(日本)

▼カラフル(輸入代理店)