Amazon(アマゾン)は、同社サイトで発売しているRingセキュリティカメラについての説明会を開催した。会場にはRingインターナショナル・マネージング・ディレクターであるデイブ・ワード(DaveWard)さんが登場し、同社の成り立ちや製品への思いが語られた。

Ringインターナショナル・マネージング・ディレクターのデイブ・ワードさん

 Ringは、スマホアプリと連携して自宅の様子をリアルタイムでモニターできる製品で、ドアベル「Ring Battery Doorbell Plus」や屋内用セキュリティカメラ「Ring Indoor Cam(第2世代)」「Ring首振り機能インドアカム」といった製品をラインナップしている。

 デイブさんによると、Ringのビジネスは10年ほど前にアメリカ、サンタモニカでスタートしたという。その頃のミッションは、近所をより安全なところにするというもので、Ringのビデオドアベルを通じて、家にいる時もいない時も、何が起こっているか見たり聞いたりできるということを実現したそうだ。

 現在では6つのカテゴリー・50種類のデバイスを、世界30ヵ国で展開をしている。そこではデバイスだけを扱っているのではなく、ソフトウェアのビジネスも展開している。Ringアプリを通じて、ユーザーが本当に必要としている大事なもの、気にかけているものに即座にコネクトできるようにしていくということだ。

 また最近のユーザーは、カメラを通じたセキュリティだけではない様々な使い方を発明しており、それらの需要に応えていくことも同社として重要な仕事であるという認識に至ったそうだ。例えば外出中にペットや家族の様子を確認したり、置き配の到着を確認したりといったことがその一例となる。

 さらに、Ringデバイスで撮影したビデオ映像を友人や家族と共有をしたいというトレンドが生まれてきた。これを受けて、今後は貴重な瞬間を捉えて記録に残す、みんなと共有することで思い出を残していくといったことも可能にしていくという。

 同時に、製品にAIを盛り込むことでユーザーの体験をさらに高度なものにしていくそうだ。ユーザーが本当に必要な通知だけを受け取ったり、今まさに見たいと思っているものを提示するためにテクノロジーを活用していく。そのためにソフトウェアとハードウェアの両面で進化を続けていくということだ。

 ちなみに同社はドアベルの会社として誕生したが、最近はインドアカメラなどがグローバルで30%成長しており、日本でも3種類のカメラをラインナップしている。それらの製品はプライバシーを最優先しており、どこまで撮影するかなどの細かいセッティング、コントロールが可能なのも特長という。

 また日本はRingにとっても重要な地域だと認識しており、日本の消費者に製品やサービスが納得してもらえるように留意しているそうだ。実際にRingの日本でのビジネスは2022年にスタートしたが、それ以来目覚ましいスピードで成長を遂げており、昨年比で販売台数は70%の伸びを記録しているとのことだ。

 それを踏まえて、11月5日から新しいサブスクリプションサービスをスタートする。Ring Home Basic(月額¥350)、Ring Home Standard(月額¥1,180)、Ring Home Premium(月額¥2,380)の3種類で、それぞれ違う要件に応えていくことができるように異なるフィーチャーが提供されている。

 主な機能としては、電源アダプターで使用できる一部のカメラ製品に対応し、24時間365日の連続録画が可能、最長14日間分の映像データを保存してくれる。なお24時間連続録画は、Ring Home Premiumプランに加入することで利用可能だ。

 他にも、Ringアプリを使用することなく、モーション検知に反応した映像を確認する機能も準備されている。またこれまでライブ映像は最長10分間視聴できたのに対し、今回は最長30分間または連続でのライブ映像の視聴が可能になっている(Ring Home Standardプランで使用可能)。

 またドアベルのボタンが押された際に、スマートフォンの画面に呼び出し画面を表示する機能も登場した。ライブ映像を通じて訪問者に話しかけることも可能で、この機能はRing Home Standard、Ring Home Premiumプランに加入することで利用可能となる。

 その後実際の機能についてのデモが行われ、Ringカメラで録画した映像について、何時間も遡って簡単に内容を確認できることも紹介された。その操作もスムーズで、使い勝手が優れているのも印象的だった。

 なおRingのサブスクリプションサービスはB to Bへの展開も可能とのことで、実際にユーザーの8%は小売店やカフェ、飲食店といった環境で使っているそうだ。もともと個人ユーザーだったが、使い勝手がいいのでB to Bでも採用するといったケースが多いという。デイブさんは、同社のサービスについて、現状でもユーザー満足度は高いが、さらにアップグレードしていきたいと語っていた。