アンカー・ジャパンは本日、同社の日本における最新の取り組みや新製品群を発表するプレスイベント「Anker Power Conference 2024 Fall」を都内で開催した。

本日発表の新製品一覧

 今回のイベントでも新製品は盛りだくさんで、特にこの一年の活動の中では、オーディオ製品のジャンルとなるSoundcoreは好評だったようで、同社のアイコンでもあるモバイルバッテリー、スマートプロジェクターに続き、完全ワイヤレスイヤホンが、販売数量シェアで1位を獲得したという。それを受けてか、今年の新製品はオーディオモデルが花盛り。後述するように、完全ワイヤレスイヤホンでは、近年流行のオープンタイプがなんと2製品発表されたのに加え、フラッグシップモデル「Soundcore Liberty 4 Pro」、そしてワイヤレスヘッドホンのフラッグシップとなる「Soundcore Space One Pro」と、一挙4モデルが投入されることになった。

 ワイヤレスイヤホンについては後段で詳述するので、まずはイベントの模様を紹介したい。冒頭には、同社CEOの猿渡氏が登壇。この一年の活動を振り返り、数多くの新製品の投入や、サービスの拡充(特にAIを活用して、10万件ものユーザーの問い合わせに迅速に返答をしたという)を行なってきたという。その結果、モバイルバッテリー分野、スマートプロジェクター分野でのシェアナンバーワンの獲得に加え、上述したように、完全ワイヤレスイヤホン部門においても1位を獲得したと語っていた。

アンカー・ジャパンCEO 猿渡氏

 さて、その完全ワイヤレスイヤホン/ヘッドホンでは、下記の4モデルが発表された。同社の謳い文句付きで紹介したい。

Soundcore史上最高傑作がさらに進化! 音質とノイズキャンセリング性能を極めた完全ワイヤレスイヤホン
「Soundcore Liberty 4 Pro」
¥19,990(税込) 10月3日発売

Soundcoreのオープンイヤー型ワイヤレスイヤホンに次世代モデルが登場、心地よい装着感と音質を追求した
「Soundcore AeroFit 2」
¥16,990(税込) 11月7日発売(予約受付中)

アクセサリー感覚で音楽を楽しめるSoundcore初のイヤーカフ型完全ワイヤレスイヤホン
「Soundcore C40i」
¥12,990(税込) 11月7日発売(予約受付中)

進化した「ウルトラノイズキャンセリング3.5」による究極の没入感と最高の音質を実現した最上位ヘッドホン
「Soundcore Space One Pro」
¥26,990(税込) 10月29日発売(予約受付中)

 次にそれぞれの製品を簡潔に紹介していくが、まずはSoundcore Liberty 4 Pro。Liberty 4シリーズは発売以来好評だそうで、ワールドワイドで200万台のセールスを記録しているという。それを受け、本モデルではSoundcore史上最高の音質を狙って開発が行なわれたという。静寂さ(ノイズキャンセル)では、ノイキャン回路は「ウルトラノイズキャンセリング3.5」へと進化しており、複数搭載するマイク(センサー)と、毎分180回、周囲の騒音レベルと装着状態を測定して理想的なノイキャンを自動調整してくれるという。また、ブランド初の気圧センサーも搭載し、飛行機内のように気圧が変化する場所でもノイキャンの強度を最適に調整してくれるそうだ。

 音質面では、アンカー独自の同軸配置したダイナミックドライバーによる音響構造「A.C.A.A」が4.0へと進化し、デジタルクロスオーバーテクノロジーにより、それぞれのドライバーに最適な信号を送り込むことで、歪みが少なく、バランスの取れたサウンドの再現が可能になった、としている。高音質モデルということで、BluetoothコーデックはLDACをサポートする。

 面白いところでは、他社に先例はあるが、収納(充電)ケースにディスプレイが設置され、ノイキャン・外音取り込みの切り替え、取り込み音量の手動調整、充電残量などの手元確認が可能となった。

 その他、駆動時間はイヤホン本体で約10時間、充電ケース併用で最大40時間、急速充電対応、マルチポイント対応などなどの特長を持つ。

LDACはアプリから機能をオンにするタイプ。今回のテストでは、試聴を開始する前に4回のアプデを実行した。聴力診断(? お好み診断)もしてくれて、2種類(A/B選択式)の音調の楽曲を6種類聴いて設定する。測定すると、記者の場合は、ボーカルがクリアになり、中域が少し抑えられてすっきりとした音色になった

 以下、簡潔に音質のインプレッションを紹介したい。箱から出してすぐのまったくエージングのできていない状況ながら、低域から高域までバランスのいいサウンドを聴かせてくれた。少し低域が強い気もするが、エージングが進めば解消されるだろう。定位は目の後ろぐらいで良好。音場は、左右の耳の間で空間としてはそれほど広くない。一方、高さ方向の音場はコンテンツによって結構変わり、MP3ではかなり低め、CDクォリティでおでこのあたり、ハイレゾコンテンツでもう少し頭の外へ広がる感じが楽しめる。コンテンツクォリティによる音場・音質の再現性が変わるのはなかなかに面白い。最近のJ-POPは高域の情報があまり入っていないこともあり、強めの低域(再現)との相性は良さそうだ。ボーカルの再現性もよく、ジャンルやクォリティに関わらずクリアに聴ける。ただし、細かい音の再現(分離感)はあまり得意ではないようで、音粒の大きい(大味)印象もある。装着感は良好。耳穴を圧迫することなく、軽い装着感ながら、結構しっかりと固定されている。ただし遮音性はあまり高くない。ANCについては屋外(電車内)でのテストはできていないが、室内における周囲の案騒音は結構消してくれる。ラジオの音声は透過するので、電車内のアナウンスを聞き逃すことはないだろう。

モバイルバッテリーのアンカーらしく、残量は小数点以下2桁まで表示してくれる

 続いてはオープンタイプのSoundcore AeroFit 2。型番から分かるように「AeroFit」の後継で、装着性と音質、操作性を高めているのが特徴となる。BluetoothコーデックはLDACをサポートしており、カスタムドライバー(20×11.5mm)と、特に低音を増強する独自のチャンバーによって、オープンタイプで不足しがちな低音を充分に補っている、としている。ファッション性も高められていて、カラーは全5色を揃え、シックなブロンズゴールドは日本限定色になるそうだ。

 もう一台のオープンタイプとなるSoundcore C40iは、耳たぶに挟むイヤーカフ型の製品。同ブランドでは初の形状となる。ながら聴きとファッションを組み合わせ、そこに装着感や音質を振りかけた製品と言える。ノイキャンや3Dオーディオにも対応するなど、今様な機能は装備している。

 ワイヤレスヘッドホンのSoundcore Space One Proは、同ブランドワイヤレスヘッドホンのフラッグシップモデル。静寂(ノイキャン)性能を高めているのが特徴であり、Soundcore Liberty 4 Pro同様に、高精度なマイク(センサー)、遮音性を高めたチャンバー、周囲のノイズ(環境)を高速で検知・最適化してくれる「ウルトラノイズキャンセリング3.5」を採用。

 ドライバーは、三層構造の複合振動板を採用した40㎜径のダイナミック型で、LDACコーデックのサポートと合わせ、歪みが少なく、ワイドレンジなサウンドを再現可能としている。ヘッドバンドの骨格部分は背骨のように複数のジョイントで構成されており、頭部への装着性を高めるような仕組みとなっている。3Dオーディオにも対応する。ちなみに、持ち運びやすいように、使わない時はコンパクトに折り畳めるようになっている。

 以下、会場で発表・展示された商品を紹介していきたい。

川崎市と美浦村のふるさと納税返礼品に

snow peakとのコラボしたモバイルバッテリー。形状が特殊

Eufyのロボット掃除機は、ハンディ、ロボット、スティックタイプの掃除機が合体! 3in1モデルに。来春には発売予定

セキュリティカメラのフラッグシップモデルが2機種発表。どちらも、ソーラーパネル、バッテリーを装備し、充電や配線不要で設置できるようになっている

4K対応のスマートプロジェクター「Nebula Cosmos 4K SE」(¥199,900税込)。レーザーとLEDのハイブリッド光源で、色再現と階調再現を向上。ドルビービジョンに対応した

右が新製品。すっきりとした印象で色の鮮やかさは向上していた

ピカチュウがいっぱい。ワイヤレス充電器、タイプCケーブル、ポーチといろいろ揃えている

コクヨと共同開発のガジェット・文房具を収納できるスマートポーチ。フロントは中折れ式で、筆記用具入れのように立つ仕組み