ブライトーンから、SOtMの新製品「sNH-10GPS」が登場した。光転送(SFP)の入出力を備えたオーディオ専用ネットワークスイッチ(スイッチングハブ)として人気の高い「sNH-10G」に、独自開発の電源ユニットを組み合わせたバリエーションモデルだ。本体は従来モデルと同じとのことだが、電源ユニットの変更だけで出てくる音に違いはあるのだろうか? 今回はネットワークオディオ再生に熱心に取り組んでいる菊地洋平さんのお宅にお邪魔し、その点を徹底検証した。菊地さんのオーディオ仲間で、同じくネットワークオーディオ再生に造詣の深い内田 誠さんにもお付き合いいただいている。(Stereo Sound ONLINE編集部)

菊地洋平さん(左)と内田 誠さん(右)。今回はネットワークオーディオ再生を極めているおふたりに、ネットワークスイッチの大切さについて語り合っていただいた

――今日は、SOtMのネットワークスイッチsNH-10GPSを使って、ネットワークオーディオ再生の奥深さを探っていきたいと思います。Facebookの「極☆ネットワークオーディオ」( https://www.facebook.com/groups/806976597087763 )の管理者・菊地さんのお宅にお邪魔して、実際の音を聴きながら確認させていただきます。また、同じくネットワークオーディオ再生に親しんでいる内田さんにもおいでいただきました。菊地さんと内田さんは古くからのお付き合いとのことです。

内田 最初は、Facebookの「Roon Japan」というグループがきっかけでした。当時からふたりともRoonに興味があって、情報交換をしていたんです。

菊地 たまたま自宅でネットワークスイッチを変えたら音が変わるか実験したことがあって、“音が変化しました” とRoon Japanに書き込んだら、内田さんが、それは買い換えた方がいいよ、とコメントしてくれたんです。

 しかもその価格帯ならsNH-10Gしかない、といった内容でした。“これがいいと思うよ” といったアドバイス的な内容ではなく、“絶対に買った方がいい” くらいの感じでしたので、信じて買い換えました(笑)。そしたら、音がとんでもなくよくなって、びっくりしたんです。

内田 sNH-10Gが世界初の(オーディオ専用)ネットワークスイッチとして登場したときから注目していました。自宅に導入してその効果に驚いたので、菊地さんにも推薦したんです。その後に色々なメーカーのネットワークスイッチも聴き比べてきましたが、音質的に満足できるのはsNH-10GかDELA「S10(S10P-J)」のどちらかだと思っていて、自宅でもこの2モデルを愛用しています。

菊地 sNH-10Gは2018年発売だから、6年前の製品ですよね。その間、仕様は変わっていないんですか?

――今日は、SOtMの輸入元であるブライトーンの福林羊一さんにも同席いただいています。その点についてはいかがでしょうか?

福林 sNH-10Gの発売当初は、スタンダードモデルとリクロック機能付き、さらに外部クロック対応の3種類があって、スタンダードモデルはフロントパネルが銀色だったんです。この銀色モデルは基板の関係でグレードアップができないという制約はありましたが、ネットワークスイッチとしての構造は当時からほとんど変わっていません。

内田 最初にスタンダードモデルと外部クロック対応の2台を買ったんですが、その時からクロック付きの方が音がいいと感じていました。

世界初のオーディオ専用ネットワークスイッチが、新型電源との組み合わせでさらに進化!

SOtM sNH-10GPS
¥572,000(税込、銀線仕様)、¥550,000(税込、銅線仕様)

菊地邸では、2台のsNH-10GPS(銀線スペシャルエディション)を導入している。こちらは “上流” 用で、外部ネットワークにつなぐためのモデムと、音楽信号を格納したNASが接続済みだ

こちらは “下流” のsNH-10GPSで、Roon Coreや再生用ソフトをインストールしたPCなどがつながっている。上流のsNH-10GPSとは光ケーブルで接続することで、ノイズの混入を排除している

●入出力端子:RJ-45 ports×8、SFP ports×2
●オプション入力:10MHzマスタークロック入力
●対応ネットワーク:IEEE 802.3 10Base-TEthernet、IEEE 802.3u 100Base-TX Fast Ethernet、IEEE802.3u 100Base-FX 100Mbps over fiber optic、IEEE 802.3ab1000Base-T Gigabit Ethernet、IEEE802.3z 1000Base-T 1Gbps over fiber optic、IEEE 802.3xflow control and backpressure、Full-duplex andhalf-duplex operation、Supports 9216 byte jumbo packetlength
●寸法/質量:本体W296×H50×D211mm/2kg、電源W106×H48×D230mm/2kg

――内田さんと菊地さんはsNH-10Gの2台使いを実践されていますが、これはどういった狙いなのでしょう?

内田 Roonでネットワークオーディオを再生する場合、PC機器とDACなどのオーディオ機器が必要ですが、ノイズ等の観点からそれぞれを混ぜたくなかったので、2台のネットワークスイッチに分けてつないでいます。その時に、上流も下流もsNH-10Gにした方が音がよかったので、以来2台使いを実践しています。

菊地 内田さんを見習って2台使いにしました。2台のsNH-10Gを上流用と下流用にしてその間を光ケーブルでつないだほうが、外部ノイズも遮断できると考えたんです。試してみたら、sNH-10Gでリクロックしているためか、聴感上はっきりとした違いがありました。

――上流、下流のsNH-10Gにつなぐ機器はどんな風に分けているんですか?

菊地 上流には、モデムとSynologyのNAS「DS923+」をつないでいます。そこから下流のsNH-10Gに光ケーブルで接続していますが、その際のSFPモジュールにはStarTechの「9151A」を使っています。これも内田さんがアドバイスしてくれたんです。

内田 光ケーブルで接続するからには、SFPモジュールをどうするかも重要だと思って、ネットで販売されている製品を片っ端から購入して試してみたんです。その結果、今のところ9151Aが一番音がいいという結論に至りました。ただし9151Aは10G準拠の製品なので、それなりに発熱します。ここをどう対処するかはネットワークスイッチを含めて気をつけないといけません。

菊地 下流のsNH-10Gには、Roon Core用と再生ソフトのHQPlayerをインストールしたPCがつながっています。PCを2台に分けているのは、1台に集約すると本体が熱くなりすぎて処理が追いつかないからです。

内田 Roon Coreの中に同居させるのではなく、HQPlayer用を分けるというのも、Facebookグループでの情報共有から導き出されたやり方です。こういうことは、オーディオ雑誌には書いていないんですよね(笑)。

電源からケーブルまで、細部に渡って対策を施した、菊地さんのオーディオルーム

菊地さんは、ご自宅2Fのリビング空間にオーディオ機器を設置して、ネットワークオーディオを楽しんでいる。正面のB&W「802D」にはスーパートゥイーターとサブウーファーを組み合わせて、よりワイドレンジな再生を狙っているそうだ

入力切替えとボリュウム調整は、デノンのAVアンプ「AVC-A110」で行っている。2ch音楽ソースを楽しむ場合も、AVC-A110で「AURO-3D」のアップミックス処理を行い、12.2ch(6.2.6)で再生する。サラウンドは薄くかけ、聴感上はほぼ2chに近づけたイマーシブサウンドが菊地さんの好みとのこと

B&W「802D」はコード「ULTIMA 6」(写真上段)と「SPM1200 MK II」(写真中段)の2台のパワーアンプで駆動している。下段のプリアンプ「CPA8000」は3系統のプリアウトを備えているので、将来的にはトライワイアリング対応スピーカーも使ってみたいとのこと

菊地 PCからの出力は、D/Dコンバーター(DDC)のWATERFALL「NU-DDC」を経由してD/Aコンバーター(DAC)のHolo Audio「MAY DAC Level 3 KTE」に入力しています。HQPlayerからはDSD512で出力し、NU-DDCでPCMの352.8kHzに変換しています。聴き比べたらこっちの方が音の質感がよかったんです。

内田 MAY DAC Level 3 KTEは、PCMを処理した方が発熱も少ないし、結果的に音もいい気がします。私も自宅ではDSD音源を全部PCMに変換してDACに送っています。

菊地 あと、我が家ではNU-DDCもSOtMの電源につないでいます。付属電源も割と音がよかったのでそのまま使っていたんですが、試しにSOtMの電源ユニットをつないでみたら、雲泥の差でした。

福林 そうでしたか。気に入っていただけてよかったです。

菊地 DACのアナログ出力は、デノンのAVアンプ「AVC-A110」に入力します。2chソースを聴くときもAVC-A110でサラウンド処理をして6.2.6で鳴らすことが多いんです。もちろんフロントL/R以外は本当にうっすら、残響程度しか鳴らしていません。

 AVC-A110のL/R出力は、CHORDのプリアンプ「CPA8000」につないでいます。スピーカーをマルチアンプで駆動しているのと、CPA8000を通したほうが抜けがいい感じがするのでこういった接続になっています。パワーアンプは高域用がコード「ULTIMA 6」、低域用には「SPM1200 MK II」を使っています。スピーカーはB&W「802D」に、スーパートゥイーターとサブウーファーを加えています。

――内田さんのご自宅のシステムはどうなっているのでしょう?

内田 うちのシステムは、一番上流に当たるモデムをS10につないで、そこからもう一台のS10に光ケーブルで分岐し、ここにオーディオのメインシステムがつながっています。さらにsNH-10Gが3台数珠つなぎになっていて、それぞれにサブシステム、子供部屋、事務所用のオーディオ機器がつないであります。

福林 sNH-10Gを3台もご愛用いただいているんですね。ありがとうございます。

内田 メインシステムでは、4ウェイ・スピーカーを40年前のAUREXやLo-Dのアンプでドライブしています。当時の製品をチューンできる仲間がいて、抜本的に回路から変えてくれたんですが、その音が気に入って愛用しています。

 ただ、本当に音楽を楽しみたい時と、オーディオ機器としてチェックする時では、聴き方や試聴ポイントが違ってきますよね。私の場合、メインシステムはオーディオ嘘発見器みたいなもので、機器の良し悪し、細かいところが全部出てきちゃうので、ゆったり聴きたい時はサブシステムを使うことも多いですね。サブシステムのスピーカーはJBLのパラゴンです。

内田さんは、sNH-10Gが発売された頃から音のよさに注目していたという

――では、ここから試聴に入ります。菊地さんはsNH-10GPSを2台お使いで、本体、電源ユニットとも銀線スペシャルエディションです。今回は比較試聴ですので、最初は市販の12V電源アダプターにつないだ状態でお聴きください。

 菊地さんのお気に入りの中から、ジョン・ウィリアムズ&ウィーン・フィルの「帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)」(192kHz/24ビット、NASの音源)と、内田さんのチェックソース「ジェームス・レヴァイン指揮 ブリテン『青少年のための管弦楽入門』 ナレーション:シェール」から「打楽器の部」(ストリーミング)を再生しました。

菊地 今日の取材ではこれがスタート地点になるんですが、低域がちょっと物足りなく感じました。

福林 そうなんですか? 堂々とした音で、とても気持ちよく聴かせてもらいました。相当細かいところまで追い込んでいっただろうに、ちまちました所が感じられないのが凄いですね。

内田 菊地さんは電源ブレーカーからコンセント、ケーブルまで細かく対策されていますから、そもそものレベルが高いですよね。これが基準となると、かなりハードルが上がりますが、sNH-10GPSがどんなパフォーマンスを聴かせてくれるか、逆に楽しみになりました。

――電源ユニットを銀線スペシャルエディションに戻して、同じ楽曲をお聴きいただきます。sNH-10GPSのフルセットということで、これが菊地邸の現在の標準状態ということになります。

内田 いいじゃないですか。低域も締まって、弾みもよくなってきた。ハイレゾらしい感じが出てきましたね。「打楽器の部」は、音の余韻が明瞭になっています。市販の電源アダプターではパーカッションのトレモロが潰れて聴き取れなかったんですが、sNH-10GPSの電源ユニットに戻したら、クリアーになって楽器の情報がきちんと出てきました。この差は大きいですね。

菊地 本当は1時間ぐらいウォーミングアップしないと本調子にはならないんですよ。でも、銀線スペシャルエディションの電源ユニットをつないだ時の「帝国のマーチ」は、音が出た瞬間からすごい熱量があって、迫力も違いましたね。

福林 sNH-10GPSの電源ユニットに戻したら、次元が違う音になりましたね。ちゃんと違いが分かって、よかったです(笑)。

D/Dコンバーター&D/Aコンバーターの設定にも配慮して、いちばんいい音を探究!

ハイレゾ再生アプリにはHQPlayerを使用。そこからDSDで出力された信号は、D/Dコンバーターのウォーターフォール「DU-DDC」でリニアPCM 352.8kHzに変換している

D/Dコンバーターからの信号は、D/AコンバーターのHolo Audio「MAY DAC Level 3 KTE」に送ってアナログ変換を行う。菊地さんは「MAY DAC Level 3 KTE」でDSDを処理するよりも、「DU-DDC」で一旦リニアPCMに変換した音の方がお好きとのこと

菊地邸の主な再生システム
●PC:OLIO.SPEC Canarino fils9 ver.3 Core i9 12th
●再生ソフト:Signalyst HQPlayer
●NAS:Synology DS923+
●クロック:MUTEC REF10 SE120
●スイッチングハブ:SOtM sNH-10GPS(銀線、クロック入力付)×2
●ルーター:NEC Aterm BL3000HM
●D/A コンバーター:Holo Audio MAY DAC Level 3 KTE
●AVアンプ:DENON AVC-A110
●プリアンプ:CHORD CPA8000
●パワーアンプ:CHORD ULTIMA 6(高域)、SPM1200 MK II(低域)
●スピーカー:B&W 802D
●スーパートゥイーター:Aurum Cantus G2ST-J(リボン型)✕2
●サブウーファー:YAMAHA YST-SW1500×2

内田 自宅からsNH-10Gを持ってきました。スペシャルエディションが登場する前のオリジナルモデルですので、上流をこれに入れ替えて音の違いを確認してみませんか? 電源アダプターは、普段から組み合わせているAUDIODESIGN「DCA-12VHC」です。

――確認ですが、sNH-10Gのオリジナル仕様とスペシャルエディションの違いはどこになるのでしょう?

福林 先程申し上げた通り、ネットワークスイッチとしての構造は基本的に同じですが、スペシャルエディションでは内部線材を7N UPOCCの銀線/銅線のお好きな方に交換できますし、電磁波シールドのeABS-200も追加しています。また、コンデンサーもEvox製に交換しています。

内田 オリジナルとスペシャルエディションでは、解像度に差がありますね。今聴いた音も、上流のsNH-10Gをオリジナル機に交換しただけなのに、スピード感が落ちてきたというか、中高域のクリアーさが低下したように感じました。鞭のピシッという鋭い音の出方が甘くなった。

福林 sNH-10Gスペシャルエディション2台使いの状態では、ダース・ベイダーが切りつけてくるんじゃないかという恐怖感があったんですが、上流をオリジナル機に交換した状態ではそれが感じられませんでした。

菊地 この状態でもいい音だとは思うんですが、先程聴いたsNH-10GPS銀線スペシャルエディション2台使いの音が凄かったので、どうしても物足りなく感じてしまいます。

内田 それだけ、スペシャルエディションへのグレードアップの効果が顕著だという事ですね。じゃあ、もうちょっと実験してもいいですか? AUDIODESIGNの電源のままで、本体をスペシャルエディションに交換したら、どんな音になるのか気になっているんです。

上流のsNH-10GPSを、内田さんがご自宅から持ってきてくれたオリジナル仕様のsNH-10Gに入れ替えて、音が変化するかを確認した。解像感、スピード感などにはっきりとした違いが出てきたのにはびっくり!

――sNH-10Gを銀線スペシャルエディションに入れ替えます。

菊地 これはこれでいい音ですね。迫力もかなり戻ってきたし、スペシャルエディションらしい切れのよさも感じます。

内田 sNH-10GPSの2台使いにかなり近づいてきたんじゃないでしょうか。やはり本体のスペシャルエディションへのグレードアップの効果は顕著ですね。我が家も検討しないといけないなぁ。

福林 ありがとうございます。いつでもご用命ください。

内田 でも実売5万円前後と考えると、DCA-12VHCの音も悪くないですよ。sNH-10GPSの電源ユニットはおいくらでしたっけ?

福林 電源ユニットは単品販売していないんです。ただ内田さんのように既にsNH-10Gをお使いで、グレードアップをご検討の方はお問い合わせ下さい。

菊地 sNH-10Gのスペシャルエディションを使っている方が、電源ユニットを交換した音を聴いたら、きっと我慢出来ない、それくらいの違いはあると思います。

――では改めて本体、電源ユニットともsNH-10GPSに戻した状態の音をお聴きください。

菊地 「帝国のマーチ」もスピード感が全然違うし、中音の押し出し感もぐっと力強くなりました。あと、鞭の音もピシッときますね。

内田 音全体が、よりリアルに再現されている印象です。ネットワークオーディオを極めようと思ったら、ネットワークスイッチの品質には気を配ったほうがいいということですね。

――最後に、今日の試聴の感想をお願いいたします。

菊地 今日はsNH-10Gのオリジナルモデルと銀線スペシャルエディションの違い、さらに電源ユニットによる音の変化を聴き比べましたが、どれも予想を上回っていました。

ネットワークオーディオ再生を極めている菊地さん。今回の取材を通して、ネットワークスイッチを含めた周辺機器の重要性を再確認したそうです

 スペシャルエディションについては、銀線仕様だからこれくらいよくなっているだろうという予測はあったんですが、思っていたより違いが大きかったですね。プラス数万円どころではない差が確認できました。

内田 スペシャルエディションの音質改善効果が顕著でした。しかも、モデムやNASをつないでいる上流をsNH-10Gのオリジナルモデルに変えただけで、音全体が変化したのには驚きました。

菊地 圧倒的に違いましたね。これまでの経験上、SOtM製品は電源やクロック、LANケーブルを変えると音が変化するということは知っていましたが、今日はそれを痛感しました。個人的には、sNH-10GPSでずっと楽しんでいけると思います。壊れるまで使いたいですね。

福林 ありがとうございます。

内田 われわれからすると、sNH-10Gのようなキーコンポーネントが壊れた時に、代わりがないのが一番困るんです。ネットワークスイッチは常時通電で使っていますから、壊れる確率は他のオーディオ機器よりも高い。でも、いざそうなった時に音が変わってしまうのは困る。代替品に交換して音質が悪化したら、大問題です。

 例えば3年後とか5年後にsNH-10Gが生産終了になって、部品もなくなったなんてことになったらたいへんです。ぜひ音のいいネットワークスイッチとして作り続けてください。

福林 かしこまりました。SOtMの社長にもよく言っておきます。

(取材・まとめ:泉 哲也、撮影:嶋津彰夫)