FIIOから、ブラックウォールナットを採用し、自然の響きを追求した密閉型ヘッドホン「FT1 Black」が登場する。市場予想価格¥28,600前後(税込)で、9月13日の発売予定だ。
ハウジングには、北米産ブラックウォールナットを厳選。滑らかな木目と繊細な質感が、原木の自然な美しさを存分に引き出している。高密度の無垢材で不要な共振を抑制し、定在波を低減。さらに、ひとつひとつの木目が異なるため、世界に唯一の特別なヘッドホンになるはずだ。
搭載されたドライバーは、自社開発の60mmダイナミック型で、高効率のエネルギー変換と優れた低域レスポンスを実現する。大口径化によって低域の共振点を下げ、深みのある重低音と豊かなダイナミックレンジ、力強い音場を生み出すという。
その振動板には北欧産トウヒ木を原料とした木質繊維を主材料として使用。10工程以上の特殊な製紙技術により0.1mmの厚さながら、軽量で強靭な構造を実現している。高内部損失のPU(ポリウレタン)製サスペンションと組み合わせることで、ヴォーカルの密度を高め、中域をより温かみのある音色に仕上げている。
さらにFT1には、FIIOの新開発技術、W型独立サスペンション設計も採用された。従来の同サイズ振動板と比べ、有効振動面積を25.8%拡大、25mmの大口径ボイスコイルが硬質なドーム部を直接駆動することで、異なる材料間の振動伝達によるエネルギーロスを最小限に抑制する。結果として、精緻で力強い高音質が実現されるそうだ。
また、高密度無垢材ハウジング、迷路状の反射防止構造、特殊後室吸音材、U字型音響ダンパーなど、細部にまでこだわった設計により、最大26dBもの優れた遮音性能を実現した。日常の様々なシーンで、没入感のある高音質サウンドが楽しめるはずだ。
U字型音響ダンパーはFT1のために開発された技術で、特定の長さと角度を持つダンパー構造により空気の粘性を高め、エンクロージャーの共振周波数を低下させるもの。これによりドラムや弦楽器の演奏時には、空気の振動と音の凝縮感をより鮮明に体感できるようになっている。
ヘッドバンドには、ボールベアリングスライダーを採用。耐久性を高めるとともに、調整時の滑らかな動きが高級感を演出する。さらに、ヘッドバンドの接触面にはスエード調の素材を使用し、通気性と快適さを両立している。
ヘッドホンケーブルは、3.5mmシングルエンド端子と4.4mmバランス端子の2種類が付属。どちらも銀メッキOFC線を使用し、392芯、長さ1.5m、24AWGの太さを備えている。
「FT1 Black」の主なスペック
●形式:密閉型
●使用ドライバー:60mmダイナミック型
●再生周波数特性:10Hz〜40kHz
●インピーダンス:32Ω
●感度:98dB/W/m @1kHz (113dB/Vrms@1kHz)
●重量:約340g(ケーブル除く)